グランド・マスターのレビュー・感想・評価
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極上の映像美と演出を堪能!
物語が始まった途端から、ワクワクさせてくれて、めくるめく映像絵巻にのめり込んでしまった。「こんなに映像や物語に前のめりになってしまったのはいつ以来だろう」と見終わった後に考えたら、『花様年華』以来だった。ウォン・カーウァイ監督、久々とは言え、さすがの力量だ。
この作品の物語は、近代中国の武術界を代表する宗師・イップマンの人生を、彼にまつわる武術家同士の戦いを中心に描いている。ただ、カーウァイ監督の映画はいつも生活感など一切なく、映像美だけで押し通す演出なので、激動の時代をどのように生きたのか、などというような生身の人間的な部分はない。そのために、物語を追うだけだと武闘シーンばかり突出していてあまり面白味がない、と感じる観客もいると思う。
しかし、カーウァイ監督のファンとして言っておきたい。目を離さずに見れば、瞬間に動く登場人物の表情や仕草に、セリフなどなくても生き方そのものが表現されているのがわかることを。
それが最も顕著なのが、イップマンとルオメイが闘うシーンだ。建物を壊さないという条件付きという状況だったとしても、他の闘いに比べて相手の懐に入らず、拳が当たらないと見るやすぐに引いて、動きを見ながら再び接近していくという、互いをリスペクトする心を演出して見せている。顏が接近するシーンもあるにせよ、闘いの流れの中で、二人が宿命の仲になっていくことを表現してみせているところは、カーウァイ監督の真骨頂を今回も見せてくれている。
カーウァイ監督は、セリフに頼る演出はあまり上手くはない。役者の目の動きや手が相手のどこにかかるか、という瞬間的な動きの中で、心の動きをスクリーン上で見せようとする。だから、その大事な瞬間を映像でより鮮明に、より美しいために、カーウァイ監督の作品は、いつもめくるめく映像美で観客の心を酔わせてくれる。
その映像美の中でも、特に、ルオメイの父の葬列のシーンの美しさは、近年の映画の中でも白眉と言いたくなるものだ。葬列のシーンだけとっても、これまで最も美しいと思っていたテオ・アンゲロプロス監督の『エレニの旅』の河上の葬列より印象的だった。
そして映像美の中に、ルオメイの殺された父の復讐を決意する演出を見せてくれる。この作品が、他のカーウァイ監督の作品と違うところは、登場人物の誰もが常に武闘家同士の闘いに目を向いていることだ。復讐だったら、心情だけをとらえればいい場合もある。それは社会への反攻だったり、単なる憎しみだけを提示すれば観客は納得するものだ。しかし、この作品では、復讐であっても武闘家同士の崇高な闘いであることを、映像美から見せようとしている。
実は、『花様年華』も恋愛映画でありながら、男女の心の葛藤、すなわち心の闘いを映像から見せていたことに感心させられた作品だった。この監督は、真の映像演出ができる、世界でも稀有な巨匠だと思う。
ただ今回、唯一の欠点なのは、武闘シーンに力を入れたために、シークエンスごとに余韻が感じられなかったことだ。
今までなら、人間同士の心の動きを瞬間的に演出する分、次のシークエンスまでに観客に人物の心のヒダを考えさせるくらいの余韻があった。具体的に言うと、行間を感じる脚本を用意していたのだ。しかし今回は、決着をつける武闘シーンが多く、心でなく身体を犠牲するシークエンスが多くなったことで、心を読む余韻、行間がなかったと感じた。しかし、それは武闘映画ということで仕方ないと納得したほうがいいだろう。カーウァイ独特の余韻は、次回作の期待値としてとっておくことにしよう。
もうひとつ、この作品でワクワクさせてくれたのは、生身の人間が闘っていることだ。つまり昨今はやりのワイヤーアクションも、CGも、ほとんど使われていない。デジタル映像だからこそ、スローモーションだけでも迫力あるカンフー・シーンが撮れることを実証して見せてくれた。それもこの作品の価値を高くしていることを特筆しておきたい。
よくも悪くもウォンカーウァイ
ウォンカーウァイが撮るアクション映画なんて、一体どうなるんだろう!?
という期待満点で観に行きましたが、あの独特なスロー感、スローモーションは健在。よくも悪くもウォンカーウァイ。
映像は素晴らしいし、俳優さんたちの表情も息をのむほど美しいのだけれど、いまいち誰にも感情移入できず、話がたんたんと進みます。アクションシーンもスローモーションとストップモーションの繰り返しで、重要なスピード感がないために盛り上がりに欠けました。
そして、やはり皆さんも言っているように「カミソリ」の存在意義が分からない。せっかく一番華があったのに。。。もっと彼を見たかった。
アクションの面で宣伝せず、物語重視で見に行っていたらもっと高い評価ができたのかもしれません。
骨太でスタイリッシュ
寝ちゃったな…
予告詐欺
イップマンとカンフーを語る上で同時代に生きたチャン・ツィイーやカミソリ、マーサンなどが必要ですが、あくまでイップマン中心に観なくてはいけない映画でした。
間違ってもトニー・レオンとチャン・ツィイーの恋物語だと思って見ていると後半のトニー・レオン(イップマン)の虚しさが抜け落ちてしまいます。
また、格闘家を題材にしているので格闘シーンに力を入れてはいるけど、誰が一番強い格闘家なのかを決める映画でもありません。表現したいのは、彼らを通して彼らがどんな時代にどう生きてブルース・リーや現在のカンフー(映画)につながっているのかというところなんかなと思いました。
チャン・ツィイーが早回しで撮られてスローモーションのシーンにナレーションがのっかったり、奥さんの足を洗うトニー・レオンの姿に『恋する惑星』を思い出し懐かしくなりました。
最近では「プロメテウス」「ライフ オブ パイ」に続いて予告編とは全く違う映画でした。(作品のテーマを捏造している)
この予告編をつくった人々は平気で嘘をつける映画に不誠実なサラリーマンだと思いました。その予告もたいして心動かされず効果的でないし、鑑賞の邪魔でしかない。
アイデアが乏しく、まっとうな宣伝ができないような人ならわざわざ映画に関わる仕事を選ばなくてもいいんじゃないでしょうか。
カンフー好きには・・・
王家衛が好きでないと、眠いかも
全てがカッコイイ!!
素晴らしい!! ヤバイ! 全てがカッコイイ!
かつて香港映画、中国映画にこんなにスタイリッシュなカンフー映画があったでしょうか!
ちょっと半端なく興奮しています。
そして、この作品はカンフー映画というジャンルではなく、いわゆるメロドラマです。なので、カンフー映画はちょっと・・・と言う女性でも、充分に楽しめます。もちろんカンフー映画好きな男性も満足のアクションシーンがあります。なんと言ってもアクションシーンに2年間かけてますから! (ドラマシーンは6ヶ月らしいです)
スタイリッシュな映像もたまりません。ハイスピードではなく、コマ落としによるスローモーションがっいいんです。
カンフーシーンの格好良さは、歴代イチバンです。特に雨の中のでの格闘シーンはしびれます。
主演のトニー・レオン、チャン・ツィイーの二人も、ずっとクローズアップを観ていたいと思うほど、カッコイイ!
音楽に関しては、梅林茂が手がけているのですが、自身の「それから」のサントラを含め、既存のサントラを用いて、最高のシーンを作り上げています。
日本の久石譲の「壬生義士伝」、イタリアのエンニオ・モリコーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」・・・サントラは版権の問題で発売難しそうだなあ。
オープニングタイトルからエンディングタイトルまでの123分間、身を乗り出して観ていました。
カッコ良すぎて、男泣きです。
演出、映像、音楽、演技、そしてドラマもアクションも、全ていい!
・・・というより全てカッコイイ!
とにかくスローを多用しすぎの今作。
アクションは主役の技量の問題かもしれないが
とにかくスロー、またスロー、これでもかとスローと嫌になってくる。
アクションだけならまだわかるがストーリー展開においてもスロー。
女性が出てくれば舐めまわすかの如くゆっくり写して、もう飽きるという事を通り越して笑ってしまった。
中国の雅さを強調したかったのかもしれないが逆効果になっている。
宮宝森は世界に広がると言った葉問に対して、思想で負けたと言っておきながら
馬三に日本との繋がりをやめろ、退けと言ってしまって
これでは精神的に馬三が大人で宮宝森の方が幼く見えてしまうのは私だけだろうか。
葉問においても中国共産党から身の危険を感じ香港に渡るという歴史が変えられているのが解せない。
中国の検閲という点からおいても全て日本が悪いという
内容に切り替えたのかもしれないが見ていて気分が悪い。
これがインターナショナル版で中国国内版もあるというのだから驚きだ。
ストーリー展開が遅く
描写シーンがいちいち長く
アクションがスロー多用で最悪の上に
これがインターナショナル版で、世界に向けて中国は検閲ひどいですよと宣伝してるような作品。
評価はもちろん低いです。
アクションの見せ方
強さの神髄!!!!
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