劇場公開日 2013年5月31日

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グランド・マスターのレビュー・感想・評価

全52件中、41~52件目を表示

4.5極上の映像美と演出を堪能!

2013年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

知的

幸せ

 物語が始まった途端から、ワクワクさせてくれて、めくるめく映像絵巻にのめり込んでしまった。「こんなに映像や物語に前のめりになってしまったのはいつ以来だろう」と見終わった後に考えたら、『花様年華』以来だった。ウォン・カーウァイ監督、久々とは言え、さすがの力量だ。

 この作品の物語は、近代中国の武術界を代表する宗師・イップマンの人生を、彼にまつわる武術家同士の戦いを中心に描いている。ただ、カーウァイ監督の映画はいつも生活感など一切なく、映像美だけで押し通す演出なので、激動の時代をどのように生きたのか、などというような生身の人間的な部分はない。そのために、物語を追うだけだと武闘シーンばかり突出していてあまり面白味がない、と感じる観客もいると思う。
 しかし、カーウァイ監督のファンとして言っておきたい。目を離さずに見れば、瞬間に動く登場人物の表情や仕草に、セリフなどなくても生き方そのものが表現されているのがわかることを。

 それが最も顕著なのが、イップマンとルオメイが闘うシーンだ。建物を壊さないという条件付きという状況だったとしても、他の闘いに比べて相手の懐に入らず、拳が当たらないと見るやすぐに引いて、動きを見ながら再び接近していくという、互いをリスペクトする心を演出して見せている。顏が接近するシーンもあるにせよ、闘いの流れの中で、二人が宿命の仲になっていくことを表現してみせているところは、カーウァイ監督の真骨頂を今回も見せてくれている。
 カーウァイ監督は、セリフに頼る演出はあまり上手くはない。役者の目の動きや手が相手のどこにかかるか、という瞬間的な動きの中で、心の動きをスクリーン上で見せようとする。だから、その大事な瞬間を映像でより鮮明に、より美しいために、カーウァイ監督の作品は、いつもめくるめく映像美で観客の心を酔わせてくれる。
 その映像美の中でも、特に、ルオメイの父の葬列のシーンの美しさは、近年の映画の中でも白眉と言いたくなるものだ。葬列のシーンだけとっても、これまで最も美しいと思っていたテオ・アンゲロプロス監督の『エレニの旅』の河上の葬列より印象的だった。
 そして映像美の中に、ルオメイの殺された父の復讐を決意する演出を見せてくれる。この作品が、他のカーウァイ監督の作品と違うところは、登場人物の誰もが常に武闘家同士の闘いに目を向いていることだ。復讐だったら、心情だけをとらえればいい場合もある。それは社会への反攻だったり、単なる憎しみだけを提示すれば観客は納得するものだ。しかし、この作品では、復讐であっても武闘家同士の崇高な闘いであることを、映像美から見せようとしている。
 実は、『花様年華』も恋愛映画でありながら、男女の心の葛藤、すなわち心の闘いを映像から見せていたことに感心させられた作品だった。この監督は、真の映像演出ができる、世界でも稀有な巨匠だと思う。

 ただ今回、唯一の欠点なのは、武闘シーンに力を入れたために、シークエンスごとに余韻が感じられなかったことだ。
 今までなら、人間同士の心の動きを瞬間的に演出する分、次のシークエンスまでに観客に人物の心のヒダを考えさせるくらいの余韻があった。具体的に言うと、行間を感じる脚本を用意していたのだ。しかし今回は、決着をつける武闘シーンが多く、心でなく身体を犠牲するシークエンスが多くなったことで、心を読む余韻、行間がなかったと感じた。しかし、それは武闘映画ということで仕方ないと納得したほうがいいだろう。カーウァイ独特の余韻は、次回作の期待値としてとっておくことにしよう。

 もうひとつ、この作品でワクワクさせてくれたのは、生身の人間が闘っていることだ。つまり昨今はやりのワイヤーアクションも、CGも、ほとんど使われていない。デジタル映像だからこそ、スローモーションだけでも迫力あるカンフー・シーンが撮れることを実証して見せてくれた。それもこの作品の価値を高くしていることを特筆しておきたい。

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こもねこ

2.5よくも悪くもウォンカーウァイ

2013年6月11日
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鑑賞方法:映画館

単純

ウォンカーウァイが撮るアクション映画なんて、一体どうなるんだろう!?

という期待満点で観に行きましたが、あの独特なスロー感、スローモーションは健在。よくも悪くもウォンカーウァイ。

映像は素晴らしいし、俳優さんたちの表情も息をのむほど美しいのだけれど、いまいち誰にも感情移入できず、話がたんたんと進みます。アクションシーンもスローモーションとストップモーションの繰り返しで、重要なスピード感がないために盛り上がりに欠けました。

そして、やはり皆さんも言っているように「カミソリ」の存在意義が分からない。せっかく一番華があったのに。。。もっと彼を見たかった。

アクションの面で宣伝せず、物語重視で見に行っていたらもっと高い評価ができたのかもしれません。

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Kiki

5.0骨太でスタイリッシュ

2013年6月11日
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鑑賞方法:映画館

興奮

ウォン・カーウァイらしく、映像と音楽がスタイリッシュでかっこいい。それだけでなく、伝説のイップマンの人生をなぞっているのて、三人のカンフー使いの人生が交差して見ごたえがある。チャン・ツィイー の『好きに罪はない。ただ好きなだけ』という言葉が染みた。

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ガク

2.5寝ちゃったな…

2013年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

傑作?なんでしょうか?
俺にはピンとこなかったな…。
映像はスタイリッシュでキレイ、確かに素晴らしいと思います。
けどね…、カンフー映画だからもっとファイティングシーンをしっかりと見せて欲しかった。
撮り方に問題ありと思うんだけど…。撮影のプロじゃないからシロウト目線だけどアップとスローモーションが多過ぎなんじゃない?ってか、そればかりで全体像がわからん。雪の中の鮮血シーンや突く時の手のアップとか…アップだらけで体の動きがワカランのよ。
この美しい映像シーンで結構なシーンで眠気に誘われました。
非常に残念!
こりゃ、カンフー映画と思ってみたら迫力不足で不満になると思います〜。

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peanuts

4.0予告詐欺

2013年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

イップマンとカンフーを語る上で同時代に生きたチャン・ツィイーやカミソリ、マーサンなどが必要ですが、あくまでイップマン中心に観なくてはいけない映画でした。
間違ってもトニー・レオンとチャン・ツィイーの恋物語だと思って見ていると後半のトニー・レオン(イップマン)の虚しさが抜け落ちてしまいます。
また、格闘家を題材にしているので格闘シーンに力を入れてはいるけど、誰が一番強い格闘家なのかを決める映画でもありません。表現したいのは、彼らを通して彼らがどんな時代にどう生きてブルース・リーや現在のカンフー(映画)につながっているのかというところなんかなと思いました。

チャン・ツィイーが早回しで撮られてスローモーションのシーンにナレーションがのっかったり、奥さんの足を洗うトニー・レオンの姿に『恋する惑星』を思い出し懐かしくなりました。

最近では「プロメテウス」「ライフ オブ パイ」に続いて予告編とは全く違う映画でした。(作品のテーマを捏造している)
この予告編をつくった人々は平気で嘘をつける映画に不誠実なサラリーマンだと思いました。その予告もたいして心動かされず効果的でないし、鑑賞の邪魔でしかない。
アイデアが乏しく、まっとうな宣伝ができないような人ならわざわざ映画に関わる仕事を選ばなくてもいいんじゃないでしょうか。

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サマーサマー

4.0カンフー好きには・・・

2013年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

前回、

「物足りない感が先立つ。

画像、描写は美しかったけど・・

動と静のバランスがイマイチでした。

でも、観た感はある。」

と、コメントしましたが、「燃えよドラゴン」を見直し、2回目を観賞。

映像、技法、展開全て素晴らしい。と感じた。
アクションがもっと観たいですが、十分ですm(__)m

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piko98

3.0王家衛が好きでないと、眠いかも

2013年6月2日
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鑑賞方法:映画館

単純

知的

写実で言えば美しい。

葉問を演じたトニー・レオン 相変わらず素敵。
宗師たるものを、いい味わいで体現してくれている。

チャン・ツィイーも上手だけど
葉問の妻のソン・ヘギョと
少々似た顔のキャスティング

眠気との戦いで
油断してると‘んっ’どっちだっけなってなった。

映像は劇場で堪能するが良いと思いますが
功夫好きで観に行くとかなり睡魔が襲うかと・・・

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たむさん

5.0全てがカッコイイ!!

2013年6月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

素晴らしい!! ヤバイ! 全てがカッコイイ!

かつて香港映画、中国映画にこんなにスタイリッシュなカンフー映画があったでしょうか!
ちょっと半端なく興奮しています。
そして、この作品はカンフー映画というジャンルではなく、いわゆるメロドラマです。なので、カンフー映画はちょっと・・・と言う女性でも、充分に楽しめます。もちろんカンフー映画好きな男性も満足のアクションシーンがあります。なんと言ってもアクションシーンに2年間かけてますから! (ドラマシーンは6ヶ月らしいです)

スタイリッシュな映像もたまりません。ハイスピードではなく、コマ落としによるスローモーションがっいいんです。
カンフーシーンの格好良さは、歴代イチバンです。特に雨の中のでの格闘シーンはしびれます。
主演のトニー・レオン、チャン・ツィイーの二人も、ずっとクローズアップを観ていたいと思うほど、カッコイイ!
音楽に関しては、梅林茂が手がけているのですが、自身の「それから」のサントラを含め、既存のサントラを用いて、最高のシーンを作り上げています。
日本の久石譲の「壬生義士伝」、イタリアのエンニオ・モリコーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」・・・サントラは版権の問題で発売難しそうだなあ。
オープニングタイトルからエンディングタイトルまでの123分間、身を乗り出して観ていました。
カッコ良すぎて、男泣きです。
演出、映像、音楽、演技、そしてドラマもアクションも、全ていい!
・・・というより全てカッコイイ!

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shinematsuyama

1.0とにかくスローを多用しすぎの今作。

2013年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アクションは主役の技量の問題かもしれないが
とにかくスロー、またスロー、これでもかとスローと嫌になってくる。
アクションだけならまだわかるがストーリー展開においてもスロー。
女性が出てくれば舐めまわすかの如くゆっくり写して、もう飽きるという事を通り越して笑ってしまった。
中国の雅さを強調したかったのかもしれないが逆効果になっている。

宮宝森は世界に広がると言った葉問に対して、思想で負けたと言っておきながら
馬三に日本との繋がりをやめろ、退けと言ってしまって
これでは精神的に馬三が大人で宮宝森の方が幼く見えてしまうのは私だけだろうか。
葉問においても中国共産党から身の危険を感じ香港に渡るという歴史が変えられているのが解せない。
中国の検閲という点からおいても全て日本が悪いという
内容に切り替えたのかもしれないが見ていて気分が悪い。
これがインターナショナル版で中国国内版もあるというのだから驚きだ。

ストーリー展開が遅く
描写シーンがいちいち長く
アクションがスロー多用で最悪の上に
これがインターナショナル版で、世界に向けて中国は検閲ひどいですよと宣伝してるような作品。

評価はもちろん低いです。

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アドリア

4.0アクションの見せ方

2013年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

アクションの見せ方がいちいちかっこいい。
ガツガツアクションシーンがあるわけではないが、カットの多用、部位のアップとか、かっこいい。

あと、ほんのすこしばかり武術を噛んだ事がある身として、見ていて面白かったのは、各々拳法の使い手が、やはりその特色が出ている点。
当たり前ではあるが、その雑多の中でのトニー・レオン演じるイップ・マン、そしてチャン・ツィイー演じるルオメイのアクションは見ていて興奮する。

ウォン・カーウァイ色は強いなか、彼にしてはエンターティメント性が結構高い気がする。
それにしてもやはりAGFAカラーが愛おしいです。

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ひちょ

5.0強さの神髄!!!!

2013年5月31日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

意外とアクションは少なくて拍子抜けではあったが、
『量より質』をみごとに表現した必要最小限のカンフーアクションが凄い。

まるでダンスを観ているような優雅なワイヤーワークで、
息づかいが肌に感じる接近戦の緊迫感、
拳が肉を絶つ迫力を流麗に表現。

その躍動がことごとく美しくて上品。

クローズアップ多用の効果で、
ドキュメンタリー風の真実味を生み出し、
少ない台詞の言外を空間に放ち、
耽美でエモーショナルな空気感を構築。

憂いのトニー・レオン、
悲哀のチャン・ツィイーによる仄かな思いの果てに涙。

強さの神髄と、
紫煙のごとく儚い人生を描いた秀作。

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AKIRA

4.0(^o^)丿

2013年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

アクションシーンがなかなか凄かったです( ´∀`)
拳法好きの僕には十分楽しめる作品でした
チャン・ツィイーの役がせつなかったです(´;ω;`)

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ひさぼう
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