「103分間の生徒体験。」桐島、部活やめるってよ AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
103分間の生徒体験。
幾人かの視点で繰り返す金曜日で幕を明け、
映画部と吹奏部の一体感をクライマックスに、
ちょっぴり切ないエピローグへと向かう群像劇。
折り重ねられた生徒たちの物語から"今"が浮き彫りになってゆく。
共感と笑顔と痛快、
学生時代を想起させる懐かしさと、
戻れない寂しさが充満。
ほとんど成就できないまま行き場を失うあらゆる感情。
それでも生きていかなくちゃならない現実。
学校内に限らず、
連綿と続いてゆく複雑な人間関係がある限り、
どこででも抱えることになる人間の本質。
無意識に役を演じ、型にハマってしまう
『誰しもが持っている桐島化の要素』に溜め息。
そのモヤモヤ消えないラストに消化不良は感じたが、
103分間の疑似生徒体験で得た空気感は何度も味わいたいと思える親近感で、
自然と心に入ってきた。
再見したい。
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