劇場公開日 2012年8月11日

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「ドミノ現象」桐島、部活やめるってよ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ドミノ現象

2016年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )

 登場人物が多くて覚えられない。しかもそれぞれの登場人物に特定の設定があって、それをほのめかす部分を見逃したり覚えていないと、もう全体図の理解不足に陥る。作品を貫くしっかりとした展開が用意されているわけではなく、だから物語を追いかけているのでは作品を理解することも楽しむことも出来ない。でもはっきりた物語がないならば、何が描きたいのだろう。
 とにかく登場人物とその複雑な背景と相関図を把握することが重要なのだということが観終わってからわかった。要するに最初に観たときはよく理解出来なかった。というわけであまり面白くなかった。何の予備知識もなくこの作品を観て、人間関係を把握し理解し楽しめる人ってどれだけいるのだろうか。
 その反面、あまり演技らしい演技や派手な演出を抑えて、自然に近い高校生の情景を撮影していく演出は好感を持った。この時点での印象は60-65点といったところ。

 今度はネットで登場人物を調べて、背景や相関図を頭に描きながらもう一度観てみる。そうすると色々と面白いことがわかってくる。目立たない生徒たちが力をつけ、今まで君臨してきたものたちの居場所が崩壊する。学校にある人間関係には見えない権勢や階級や地位があって、それらが構成していた秩序が別のものに取って代わる。劣等感と優越感が入れ替わり、恋心や友情の意味を考える。小さな出来事からドミノ現象でさざ波のように全体に波及していく面白みがわかった。

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Cape God