おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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当たりの数だけハズレがあるのが映画ですね。
125分に入りきらないほどのストーリーなんですね。
恐らく半分程度のストーリーで良いかと思います。
アンパンマンがなぜ、どういう仕組みで空を飛ぶのか誰も考えずに見てるのは、数十年間の歴史であり慣れなんですね。
どうしても、はじめてみた映画のストーリーには、なぜこうなるの?に答えなければストーリーに入っていけないと思います。
現実的には、一瞬で変身出来ない訳ですから、変身の様子をもっと時間をかけて丁寧に描くと、良かったのかな?
まぁ、変身自体も現実的ではないのですが、そこまで追求すると、全ての映画が成り立たないと思います。
映像的には、実写をトリミングしている場面が多いのですが、私には、手間をかけずに安く作るために感じます。
私には微妙・・・
絵はかわいくて映画のポスターを見た時はこれ良さそうと思えましが・・・いざ観てみると・・・微妙というよりはっきりいって、つまらなかったです。
私がまだ子供じみているのかもしれないけれど、話がまぜごせしていて、本当に微妙でした。。
映像がとてもきれい
自然の映像がとてもきれいで、心が洗われるような映画。これを見ながら、子どもの頃「ジャングル大帝レオ」を夢中になって見ていたのを思い出しました。
あんなに弱虫で甘えん坊だった息子が、ある時突然とも思えるほどあっけなく親離れして、母親の「花」から旅立って行くのが、母と息子との関係の話として現実感を増して、胸がずきゅーんとなり一番心に残りました。
小さなお伽噺を聞いた感じ
綺麗にまとまっているけど、素っ気なく終わった感じで、何か寝る前に小さなお伽噺を聞かされて、途中で寝てしまい、それで最後どうだったっけ?って感じの雰囲気です。
大人が映画館で見るほどじゃなく、感動する訳じゃなく、かと言ってつまらないって程じゃない。
まぁ小奇麗にまとまってる感じですね。
主人公少女がお母さんに謝るシーンなどでは、少々目が潤みかかりましたし、幼い姉弟の行動に笑わされ、娘の成長に感心し、息子の変化に動揺する。
そんな感じで小綺麗にはまとまってるんですよね。
非難するほどではないし、滅茶苦茶絶賛する感じでもない。
あえて、おや?って部分を言うと、前半セリフもナレーションもが少なく、淡々とシーンを進める辺り、ちょっと不思議な映画でした。
「時をかける少女」「サマーウォーズ」は、私の好きな映画に入るので、今回も細田さんの映画に期待してた部分は、少々残念な感じは残ったかな。
乳幼児期の子育てを思い出しました。
とっても幸せになれる映画でした。
2時間おきのおっぱいと、夜泣きに悩まされ、花と同じく集合住宅での子育ては本当に気を使うし、よくぞノイローゼにならなかったもんだと自分を褒めてあげたいくらい。
歩けるようになればなったで、片時も目が離せないし、いろんなもの壊されたし、私の不注意で怪我させた事もあったし、うちの子が友達の子供に怪我させた事もあったっけ。
そんな思い出と重ねながら、素直に花を応援しながら見ることができました。
旦那について説明不足との声もありますが、私はむしろリアルだと思いました。
人が不慮の事故で亡くなる時って、実際そんなものじゃないですか?
遺族に「なんでそんな所にいたの?」「なんで回避できなかったの?」「どうしてこんな場所を歩いてたの?」という悔恨の思いをいっぱい残して突然目の前から消えてしまうのが普通じゃないですか?
突然亡くなった人の亡くなった理由なんて明らかになる方が非現実的です。
実際私の周囲にもシングルマザーは少なく無いですが、だいたいは旦那さんの事なんてよく知りません。
「あんな気さくでしっかりしたお母さんの別れた旦那ってどんなだったんだろうね」
「何があってわかれたんだろうね」
みたいにママ友間で盛り上がったりしますが、よほど親密にならない限りは根掘り葉掘り聞けません。
旦那のエピソードを深く描かなかった事で、花をリアルなママ友として見守る事ができました。
後は批判が多い学校置き去り事件。
あれも何で批判されるのか私には意味が分かりませんでした。
一生の別れになるかもしれない弟と、学校というこれ以上ない安全な場所にいて、信頼している姉。
母親としてとる行動はあれしか考えられないと思います。
きっと嵐の後の学校で涙顔の花の顔を観て雪はすべてを悟り、抱き合って泣くんだろうなって想像しちゃいました。
ラストで花一人になった家の中の描写が素晴らしく暖かくて、エンディングの回想シーンで涙がぶわってなってとまりませんでした。
他の方も書かれていましたが、あと10年分の成長を見守りたかったなあと名残惜しい気分でいっぱいでした。
雪が母親になるエピソードを続編としてみてみたいですね。
肝っ玉母ちゃんの子育て奮闘記
んー賛否分かれそうだなー、と観賞中なんとなしに思いながら観てました。
大雑把な説明をすれば『おおかみこどもの兄弟を産み、一人で育てると決意した花ちゃんの子育て奮闘記』とでも言えば分かり易いでしょうか。
まぁーこの花ちゃんがですね、兎に角!性格が菩薩様なんですな。
心が透き通るほどに無垢で純真で優しくてひたすら健気。
狼に変身しちゃう子供2人を、彼女なりに愛情たっぷり育て上げる姿を我々は追ってく訳なんですけど、ここまで底なしの優しさと前向きさをストレートにぶつけられると、少しこっちへの当て付けっぽくも感じてしまってw
母と子というか、人に対しての献身さをここまでちゃんとお前ら持ち合わせているのか?みたいなw
世界中探してもまずそんな慈愛に満ちた女性いないよね?ていう(全く存在しないとは言いませんよ?)。おまけに可愛いし。
ジャンルとしても逞しく大らかな女性像を描きたかったってのは分かるんだけど、少し美化され過ぎやしませんか?という。
多分ですけども、この花ちゃんの性格って観客の好き嫌いが大きく分かれるんじゃないかなー、とも思ってですね。
これも賛否両論の要因になり得るなー、と。
あと、唐突にダイナミックなスピード展開を途中で挟んできたり、大いなる壮大な情景描写を見せてきたり、それがちょいとテーマとかけ離れた演出だったりするんで、少し散漫というかチグハグというか、そこも評価分かれるかなー、と。
いや、ただですね。今挙げた部分が決してダメって訳でもなくて。それを額面通り素直に受け止めれれば決して悪い作品でもないと思ってて。
自然描写がリアルで繊細で瑞々しいし、流麗に流れるアニメーションをそのまま感受すれば、それは素敵な寓話、ファンタジーである訳ですから。絶対楽しめるハズ。
アナタはどう思われましたか?
小さい子には向かない映画
サマーウォーズで期待しすぎた感は否めない。
劇場は小さい子連れが多かったが、
途中で飽きてて映画そっちのけで、遊んでいたのをみると
小さい子供にはマッチしない内容だったと思う。
内容は可もなく不可もなく。
おおかみこどもを育てる話。
特に印象に残った部分もない。
原作を読んでみたくなる・・・そんな作品でした・・・
特に監督のファンではないのですが、前評判も高かったので昨日見てきました。
本当はすごく悲しい「別れ」のストーリーのはずなんでしょうが、「花」さんのキャラクターによって僕自身が「救われた」気がしました。涙を流しながらも笑顔を絶やさず、自らも強く生きながら同時に二人の「子供」を育て上げたその姿には感動を覚えました。このキャラクターは圧巻です。
”人工物”と”自然”・・・”都会”と”田舎”・・・そして”人”と”オオカミ”・・・その二つの”世界”の境目で強くたくましく生き、そしてそれぞれの”生きる道”に分かれていく母子の姿に本当に感動しました。
「人というものは、良いことをしながら悪いこともする・・・また悪いこともしながら良いこともする・・・」これはある有名時代劇の主役のせりふです。
泣きすがる花を邪険に押しとどめながら”おおかみおとこ”の遺骸を無造作にゴミ収集車に放り込む清掃員・・・ぶっきらぼうながら、花のことを心配して農業指導をしてくれる菅原文太さん演じる老人・・・何気ない言動で知らず知らずとはいえ雪の心を傷つけながら、しかし一方でかたくなに雪の”秘密”を守り通した草平・・・そんな人間の”暗”と”明”の描かれ方が特に印象に残っています。
ただ・・やはり惜しむらくは・・ラストの描かれ方でしょうか・・・
たしかに”自然”に帰った”雨”と人間として生きることを選んだ”雪”・・・そして二人の狭間で二人の生きるみちを”繋ぐ”ようにこれから先生きて行くであろう”花”・・・この三人が昔のように一緒になることは無いのでしょう・・・
ならばこそ、もう少し別れのシーンに力を入れてほしかった。あるいはラストに後日談でも”雨”と”雪”の再会シーンあたりが欲しかった気がします。たとえ言葉を交わさなくても、二人の間ではそれで十分でしょうから・・・
今この時、一緒に何をしようか
映像の美しさに感激しました。おおかみこどものお母さん・花の柔らかい雰囲気にまるごと包まれた、優しい作品でした。頼りないようで、彼女は温かくしなやかな母でした。
元々家族に縁が薄いらしい花と、韮崎のおじいちゃんの関係はよかった、温かい気持ちになりました。
今育児に奮闘中のお母さんはなかなか劇場では観れないかもしれませんが、何かの機会にふと出会った時、心揺さぶられるんじゃないでしょうか。いつか来るその日は案外遠くないかもしれない、今この時、一緒に何をしようか、何を見ようか。
草平くんの行く末がちょっと気がかりでした。
そうちゃんかっこいい!
お父さんの狼が死ぬとこ以外は物語がきれいすぎて前半はちょっと退屈。
花の辛い顔一つ見せず子育てを頑張る姿は、こういう時代だからあえてかなと思いました。
自然の風景とかよりももうちょっと人同時の葛藤を見たかった。
あと、ほのぼの感を出してる感が出過ぎ。もうちょっとナチュラルにほのぼのさせてほしかった。
最後はぐっときた。
親離れ、子離れ
大学生の花が、キャンバスで見かけた〈彼〉とすぐ仲良くなるのはわかる。惹かれるというのは、そういうことだからだ。
その〈彼〉が実はオオカミだったというのが物語の発端だが、花はその事実をあっさり受け入れる。なんの葛藤もないのは不自然だ。
二人の間に、人とオオカミの顔をもつ雪と雨の姉弟が産まれる。
ところが〈彼〉は、あっけなく死んでしまう。
このあと花の苦戦ぶりが描かれ、ようやく話に本腰が入る。近所とのトラブルや家主からの苦情、行政指導員の訪問などは現実感がある。成長していく子供たちをいつまでも人目から遠ざけることはできない。
花が子供たちを連れて、遠く離れた山中に引っ越すことを決断する動機付けは充分に描かれている。
山の生活に入ると、絵はますます美しくなって、日本の原風景を堪能できる。
ところが、これにCGの手が加えられたとはっきりわかるコマを見せられた瞬間、「おおかみこども」の世界から現実に引き戻されてしまうのだ。
とくに水がよくない。フルCGのアニメでも、水が妙にリアルで全体の画から浮いてしまうことがよくある。「タンタンの冒険」や「カーズ2」でも、海のシーンだけアニメに見えなくなる。実写映画でCGの水を描き加える時代だ。リアルに見えるのも当然だ。それだけに、せっかくの美しい手描きのセル画にCG処理を加えるときは慎重さが必要だと思う。
本作の雨のシーンはたしかに描写が細かい。だが、背景の画との違和感はフルCGアニメの比ではない。せっかくの絵が作りものに見えてしまう。
物語に戻るが、人の目を避けてこの山村に逃れてきたはずが、思いもしない人情に触れることになる。
とくに韮崎の爺さんがいい。花が耕す畑をもっと広くしろという。その理由が分かったとき、人付き合いの温かみを知る。
ぶっきらぼうだが思いやりのある爺さんに菅原文太の声がよく合っている。
成長してきた雪と雨、ふたりともまだ小学生だが、精神的には逞しく育ち、それぞれ自分の将来を見据えていく。
この作品は、意外なほど早く訪れる、親離れと子離れを描いた物語だ。
ただ、話が散漫で、親と子の心が充分に描かれたとはいえず、凝った画づくりよりも花が自身の子離れを受け入れるまでの親の成長を見せて欲しかった。
革命的なアニメ。母親の凄さに涙。
2度の出産立ち合いと、乳幼児期の壮絶な育児を経験した父としては、あまりにリアルな描写に、当時の思い出がフラッシュバックして、どっぷりと母親目線で最後まで見てしまいました。
父親の描写を最低限に抑えたからこそ、花のキャラクターが際立ち、謎を残したまま死んだ所も非常リアルで、絶望から子供のために再び立ち上がるまでの感情移入がしやすくなって上手い演出だなぁと思いました。
マイナス意見が集中している嵐の場面で花が雪をほったらかした部分も、親として当然の行動だと思いました。うちにもしっかりした娘と、ほっとけない息子がいます。あのような場面に遭遇した時、まず迷いなく自分達から離れるかも知れない雨を追うでしょうね。雪はしっかりした娘で、しかも所在が学校です。まず選択の余地無しで雨を追うと妻も同意見でした。鑑賞中もそんな母親目線で見ていました。
だからエンディングのアルバムをめくるような映像で涙がこみ上げてどうしようもなかったです。
この映画を鑑賞するには「行間を読む」スキルが必須で、それが1と5のような極端に意見が割れる由縁でしょうか。もっとも、1をつけている人のレビューを読むと、へルタースケルターもそうですが、最初から批判コメント書くためにあら探しに劇場に行くような人がいっぱいいると感じます。世の中には絶賛する人がいっぱいいると、批判したがるへそ曲がりがたくさんいますので、1が多いのもある意味でこの作品の凄さの証明と言えるかも知れませんね。
細田ファン以外はDVDとかでいいいかも…
多くの方がおっしゃっているように
「映像と声優陣の演技」は素晴らしかったと思います。
ストーリーは有り体で退屈なんだけど、
子供たちのシーンはかわいくて、いいなぁと思いました。
気になったのは、おとぎ話というわりには、リアリティをざっくりと
織り込んでいるので、作品の世界観がぶれているように感じした。
そのせいでしょうか、いまひとつこの作品に入り込めませんでした。
たとえば、清掃車に狼の死骸を入れるシーンがありますよね?
あんな都会で狼が死んでたら、一騒ぎになると思うんですが…
この作品のテーマは母親像だったり、子育て、親離れだと思います。
しかし、現実の母親ってもっと苦悩して子育てしてませんか?
あんなに問題の多い子供たちを、1人で苦労を背負い込んで、
お金もなくて、相談相手もいない。
これってシングルマザーの方が追い詰められている
要因ではないでしょうか?
でもこの作品の「はな」は子供たちにキレることはありません。
ひたすら笑顔でがんばって子育てをします。
どなたかもレビューで書かれていましたが、
この描き方が男性としての理想の母親像に
偏ってると感じました。
おとぎ話だから、母親が精神的にまいっていく部分って
描かなくてもよかったのでしょうか。
自分は深みが感じられませんでした。
心には残らないPVのような作品でしたが、
映像がかわいかったので、我慢できました。
孤独に慣れた現代への優しく激しいアンチテーゼ
ネット社会の反乱をという今時のテーマを賑やかに描いた前作『サマーウォーズ』とは一転、台詞は極力省き、異端な家族の純粋な愛の成長を静かに追った御伽噺に仕上がっている。
対極の世界観に位置しながらも人間が触れ合う洞察力は深みを増し、アニメにあまり興味の薄い人間でも、最初から最後まで涙が溢れ、止まらなかった。
会話を想像させながら愛を読ませる序盤の味わいは、アニメというより詩の世界に近い。
例えたら、小田和正とか斉藤和義とかかな。
狼に変身してしまう者が家族であるため、夫婦愛に始まり、親子愛で暮れる道のりは、決して平坦ではない。
正体を知られたら命すら危ぶまれる身体だからだ。
自身の運命を受け止め人間社会に溶け込もうと前向きに生きる姉に反し、人間との共存を拒絶して狼の生活を選び、自然界へ戻ろうとする弟。
各々の苦悩と衝突を見守る母親も、自給自足の日々に悪戦苦闘し、村の仲間達の交流を深めていく事で、一家全体の成長へと広がっていく。
緩やかに、それ以上に激しく人生をうねりながら…。
そんな絆の実りを、手間暇かけて育てた野菜が象徴し、やがて訪れるそれぞれの旅立ちを優しくも鋭く覚悟させる。
夫との出逢いと別れが唐突過ぎたのは難だが、独りに慣れっこになった今の自分に、分かち合う大切さを教え込まれた気がした。
孤独社会への強烈なアンチテーゼが観る者の涙の源流になっていると思う。
止まらない涙を拭きながら、最後に短歌を一首
『優しさが 怖いと吠えて 月明かり 土と育む 旅立ちの朝』
by全竜
声優人と絵に助けられた作品
主役である花の声を担当した宮崎あおいさんは、子供向け童話で3歳半の声を出していますし、映画やドキュメンタリーのナレーションの仕事も多いので、声優としても一流ですね。宮崎あおいの声ではなく花だと思ってしまいました。それと映像が繊細で、背景の花まで動かすという、いままでのアニメでは考えられないような技術を使っておられます。
そう言う面では、素晴らしいアニメ作品だと思います。ただ、最後の詰めが今一でしたね。(ここで感動して大泣きするだろうと思って、見ていたんですけどね)
作家ではない細田監督のオリジナル原作なので、仕方ないかも知れないが、最後にもっと感動的なシーンが作れたような気がします。その理由は、
1.雨と雪の分かれのシーンが無い。ラストで、お互いの生き方を確認して、自分が選んだ道をしっかり生きようと涙で誓うようなシーンを最後にして欲しかった。(それを花が見届けて、二人とも「しっかり生きて!」と言うシーンにつなげられたと思います。記憶では、二人が狼に変身して大喧嘩。負けた雪がお風呂に入って泣くところが姉弟での最後のシーンだったと思います。
2.自分が雨を探しに行くのなら、誰かに代わりに雪を学校へ迎えに行ってもらう手配もせずに、雨のみに集中したのかも疑問です。あそこで、雪が自宅に帰ってきていたら(転校生も一緒でも良いし)、花と雨が居ない事に気が付いて、狼に返信して探しに行けた筈。そうすれば、素晴らしいラストになるのにと思いました。(転校生に自分の正体を明かす事にもなるし)
私の考えは、ありがちなストーリーですが、そこを上手く脚色し更に感動的なラストにして欲しかったと思ったので評価は4にしました。
素晴らしい映画!大満足!こんなに愛溢れた映画を見たのはいつ以来の事か!
待ってました!今年、「ダークナイト ライジング」「夢売るふたり」と並んで最も待ち望んだ映画。
細田守監督最新作。
「時をかける少女」でその面白さに感激し、次回作はこれを超える事が出来るのかと危惧したが、「サマーウォーズ」はこれまた素晴らしく、この監督にはその不安は一切不要だと痛感した。どれが一番面白い?…なんて愚問。全て一番面白いのである。
そして待望の最新作。
ハードルの高い期待に見事に応えてくれた!
主人公の花は、母親としても女性としても一人の人間としても偉い。俗な言い方をすると、偉大だ。理想像だが、頭が下がる思いがする。
花の存在が、この映画の全てと言っても過言ではない。
花の包み込むような優しさ、温かさ、いっぱいの愛情。
溢れんばかりの愛に包まれて、雪も雨も何も恥じらう事なく成長していったと思う。
花の人生は実にドラマチック。悲劇的でもある。
愛する“彼”に先立たれ、たった一人での子育て。慣れない田舎での生活。辛く厳しく大変で、その苦労が滲み出る。しかも、花の守ってあげたくなるような小柄で華奢な体を見よ。
しかし、子を思う母はたくましい。
よくニュースなどで報道される我が子を虐待する親たちに見せてやりたい。
雪も雨も成長するにつれ、生き方を迫られる。人間として生きるか、狼として生きるか。
雪は人間として生きる道を選び、雨は狼として生きる道を選ぶ。
雪と転校生の男子は、次世代の花と彼の物語。
雨はしっかりと父の血を受け継ぎ、自然の懐へ。
我が子との別れは悲しいが、決して悲壮的にはならず、我が子の将来を思い送り出す花の姿は光り輝いている。
母と子の物語としても、ファンタジーとしても、ラブストーリーとしても、一本の映画としても、これ以上ないくらい。
この夏というより、今年最も忘れられない映画。
絶対見るべき!
最後に一つ。
こういうオリジナルのアニメ映画が公開されると、決まってジブリと比べる輩が現れる。
「ジブリと比べると…」とか「ジブリの方が…」とか「ジブリに似てる…」とか。
ハッキリ言って馬鹿げている!
ジブリが日本のアニメの全てではないし、そもそもジブリとは何の関係もないし、素晴らしい才能の方々に失礼。
そういう輩は最初から見なければイイのである!
子育ての過酷さを痛感
一つ条件が増えただけで、かなり生活しにくさをきついくらい感じた。
それでも育てた花が立派すぎる。自分には無理ゲー…
これから新しい家族ができる人達に是非観てもらいたいです。
親になろう。
親が子を思う。ただ,それだけ。
その当たり前の日常を,
躍動感と生命力,そして繊細な感情で積み重ねる。
見守る行為の愛しさと切なさにも満ち,
時間が経過するほどに共感指数が上がってゆく。
"雨"の決意にエールおくるシーンが秀逸。
不安を噛み締めて笑顔で前を向くお母さんの存在感が素晴らしい。
声をあてた宮崎あおいの健気と優しさに満ちた息吹と相まって,
魅力的な女性となって画面を生きていた。
親の気持ちを疑似体験させてくれる秀作であると同時に,
思いやりのあたたかさに溢れ,
幸せな映画空間を満喫。
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