「原作→漫画→映画」グスコーブドリの伝記 katswellさんの映画レビュー(感想・評価)
原作→漫画→映画
おそらく、原作を読んだ人読んでない人、
ますむらひろしの漫画(グスコーブドリの伝記をネコ漫画化したもの)を見た人見ない人で、作品に対する印象が大きく異なります。私は原作・漫画ともに知っていた分、ストーリー展開やキャラクターの扱われ方に対して結構違和感を感じてしまいました。特にグスコー・ネリと泥棒(コトリ)に関してです。
「宮沢賢治の物語は幻想色が強いもの」というイメージとは別に、杉井監督はエンターテインメントとして楽しめる作品であることも強調していることもあり、宮沢賢治が表現しているものとは「別のファンタジー」も含まれていると思います。
(もちろん猫世界であることとは別にです)
この映画から「グスコーブドリの伝記」という一つの物語を知った場合、映画を見ててどこかに疑問を持った時には、すでに出版されているますむらひろしの漫画(宮沢賢治シリーズ)や原作を読むことをお勧めします。
今の時代の物語世界として原話をスケールアップしたかたちで演出していること、映像美に関してもとても満足できた作品です。猫好きの方にもお勧めです。
製作が発表されたのは2008年、杉井監督は震災とは結びつけたくはないと言っているが、タイミング的に「震災前と震災後でどこか内容が変わっていたとしたらどこだろう」などと考えてしまう・・・
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