マージン・コールのレビュー・感想・評価
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NISAやるなら、観て損はない。
ウォール街を舞台にした映画としては、特筆に値する傑作では無いかな。
金融危機の初期段階だった2008年を舞台に、巨額の不良債権を売りぬくことで、市場と顧客の信頼を失い、従業員の大量解雇が変わらずとも、会社を存続させようとする、投資銀行の内幕を描いた実録ドラマ。
経営陣や幹部行員の自己保身や責任のなすりあいを通じて、非倫理的で腐った権力構造を、実にリアルな描写で冷静に描いている。俳優陣の素晴らしいアンサンブル演技も、本作を引き締まったものにしている。
ケヴィン・スペイシー、ジェレミー・アイアンズ、スタンリー・トゥッチなど、ベテラン俳優陣が堅実な演技をしているし、デミ・ムーアやサイモン・ベイカーなども、作品に貢献している好演だ。
ウォール街のシビアな現実を描いた作品としては、特筆に値する傑作では無いだろうか。非常にスリリングで最後まで見ごたえのある、オフィス・スリラーといえるような、企業ドラマの傑作だ。
ケビン・スペイシーが好演。
ケビン・スぺイシーのキャラ設定が少しブレていませんか?
金融危機の発端となったリーマンブラザーズ破綻の一日を描く物語。
実話をもとにしているだけあって、リアルで緊迫感がある私好みの作品でした。
登場人物がそれぞれの立場で動揺し、悲嘆し、会社を守るために、或は金融マンの矜持を守る為に奔走する様を、丁寧に描いていきます。
特に、数人の社員が屋上で話し込むシーンは、寂寥感を肌で感じるお気に入りのシーンでした。
事が事だけに、カタルシスを感じる展開にも、意外性を感じる展開にもなり難く、高い評価は難しい作品だとは思います。しかし、それでも私的評価4を付けたくなる作品でした。
流れる空気感が良い。
会社、組織の本質的なところが見える
これなら2時間越えでも十分観れた
リーマンショック周辺を題材にした作品って結構あると思うが、その中でもガチのつくり方をした映画といえる。ガチというのはドキュメントとしての精度ではなくドラマとして。観やすい演出など一切なく終始緊迫感のみ。もろ大人向け。
投資に興味があるないで観る人の飲み込みは違ってくるが、事の全体像はあまり描かず社内の勢力図というか上下の力関係を主に描いているので、そこはわりかし間口が広いのではないかと思われる。(これ関連良作のマネーショートは全体も描いていたぶんややこしさもある)
キャスティングに惹かれて観る人も多いのでは。その点裏切られず満足できる。ただちょっと終わり方が呆気なさ過ぎるかな。これなら2時間越えでも十分観れた。
サスペンス?
金融の知識が必要。
どうやら会社にとって相当ヤバい事実が見つかったようだ。からの、会ったこともない重役と会議して、天上人みたいな社長からも直接ヒアリングされてっていう。
この辺まではある種のお祭り感覚というか、ヤバいんだけどなんかハイになっちゃうっていうのが面白かった。
僕は金融の知識もないし大企業に勤めてるわけでもないけど、そりゃ金儲けのためだけの商売なんて健全じゃないよね、と。
劇中でも言われてたように、複雑に膨れ上がった資本主義のツケみたいなもんなんですかね。
終盤に展開されるオハイオ川の橋の話。あれは良かった。
仕事って、ちょっとずつでも良い世の中にするためにするもんでしょうっていう。
敬遠してた「マネー・ショート」も見てみようかな。
年収が億を超える世界って…
自分のために大勢の他人を犠牲にして大暴落を招くべきか
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
多額の怪しい金融取引をしておいて昨日まで誰も会社の抱える巨額の損失に気がつかなくて、その8兆ドルという巨額の損失を一日で大量に処分出来てしまえるという展開は現実的とは思えない。だけど普通の会社員の一生分を一年で稼ぐような桁違いの報酬を手にしてそんな生活に染まっていきながらも、誰もが生き残るのに必死で、そのために何でもやっていくという虚しい世界観が描かれていて面白い。冷たい殺伐とした雰囲気の中で、倫理を完全に無視して利益を最優先して積極的に動いたり、あるいは苦悩しながら結局は倫理観に目をつむったり。ウォール街のある投資銀行の緊迫の一日を通して、利益至上主義の葛藤や緊迫感や問題点が散りばめられていて楽しめた。ただし話が会社組織の内側だけで終わっていて経済に与える影響を描いていないので、大暴落で混乱する社会の部分を挿入してくれたらもっと良かった。
映画である必要性は?
まぁ、大半の人にとって生々しい記憶のある主題だったので、あまり映画的な筋立てというのも難しかったのかもしれませんが、やっぱり事実に忠実(なのかな?)にしようとすることで、結果的に映画にする必要があったのかな、という疑問が湧いてしまいましたね。
ほとんどのシーンがずっとビルの中の息詰まる感覚とかリアルなのでしょうけれども、映画的な緩急という意味では、それが欠けていたような気がします。たとえば、ピーターが「ビルの中にいたくなくて」街を徘徊するシーンがあったと思いますが、あの辺りでもっと虚無感を演出できたら、より面白くなったような気がするんですけどね。
しかし、まぁ、もしこれが事実に近いお話だったのだとしたら、あの頃、内部はこんなんだったのね、ということが肌で感じられたのは良かったですね。
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