「いい映画であることは間違いない。」グッモーエビアン! れいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
いい映画であることは間違いない。
上っ面だけでみると、自由にやりたいことをして生きてきた、今が楽しければいいみたいに生きているヤグ。そのヤグを好きな麻生久美子。シングルマザーの麻生久美子の娘、多感な中学三年生はつき。その奇妙な家族の話だった。
ヤグは自分のやりたいことだけをやって生きてきた。麻生久美子と酒飲んで騒いで、馬鹿なことばかりやってる、一見はバカップル。
はつきは、最初みた時にずっと高校生だとばかり思って見ていたが、終盤の進路希望で高校進学せず就職希望するところで、中学三年生だと気付いた。さすがに中学三年生に見えないな。能年玲奈はぎりぎりセーフにしても。つうか中卒とかありえんよ。
はつきと接するなかで、要所要所で、大切な言葉をはつきに伝えるヤグ。
さよなら、ごめんなさいは、だっけ、言える時に言わないとだめだ。とか、、、。
能年玲奈が鹿児島に引っ越しすることを知り、はつきの中学に行き、空港まで連れて行こうとする行動には、伝わるものがあった。
はつきは、終盤にたまりかねた思いをヤグと母親の麻生久美子に伝え、喧嘩になり、家出する。
はつきは中学三年生だ。よくできすぎた娘だ。食事から家の家計まで全部やっていた。こんな中学三年生いるかよ。
親にどんな事情があったって、簡単にわかれというのは親の傲慢だとは思った。
しかしはつきは理解する。こんな出来過ぎた娘いない。勉強もできるのに親を思い、中卒で就職希望なんてありえない。
麻生久美子のコミニケーションが、忙しいとはいえ、日常的に足らなすぎるなあとは思ったし、自分の価値観を押し付けるなよ、という気持ちもした。
それでも家出をしたあとに追いかけて、はづきを見つけ一緒に話す。
本当の父親の話。ヤグがはつきが生まれた時から一緒ではつきの名付けもヤグだった。ハッピーちゃんの意味。ヤグが中学生で両親を失い、それでも笑顔で生きてきた。あらためてヤグの言った言葉を噛み締めるはづき。さよならをヤグは言いたくても言うことさえできなかったのだ。
ヤグの家族への複雑な気持ちを察して結婚というカタチにこだわらなかったことも話す。しかし、中学三年生だよ。わかるかな。ちょっと設定無理あるかな。
ラストはヤグの復活ライブのシーン。麻生久美子もギターを。いつまでも絶えることなく友達でいよう♪その最初の歌のフレーズだけでぐっと涙がきてしまった。
はつきと能年玲奈は卒業、そして一緒にライブにきていた。
ヤグがライブの場で麻生久美子と結婚を発表する。まあそれは良かった。
こんな父親だけどよろしくなみたいに、はつきに語りかける。はつきの生まれた時に作った歌をはつきも一緒に歌い、おしまい。
ひっかかったのは、繰り返しになってしまうが、はつきの就職希望について、担任の小池栄子が心配して家庭訪問するんだが、麻生久美子がいい放つ言葉ね。
いい学校入っていい就職していい旦那みつけて二世帯住宅で幸せですか?つまらん!
まあ、それはそうなんだけど。幸せなんて何が幸せなのかは、それぞれ違うし難しい話。しかしそれ自分の価値観ですから。娘に押し付けたらいかん。
中卒なんてどれだけ人生苦労を強いられるか。リアルな話きついよ。麻生久美子だって少なくとも高卒だろうに。
麻生久美子が親は腹を痛めた大事な娘を絶対に捨てたりしないからとも話していて、親の幸せなんか考えないで、高校行けと言ってるニュアンスなんかもあったんだけど、はっきりなんかいい言葉なかったかなあという気はした。
こんだけ疑問符ついたら、もう少し評価低めでもいいかもしれないけど、なんか幸せっちゃあ幸せなんだよなあ。
はつきがこの先にしっかり真っ直ぐ成長して行ってほしいなと思いました。まあこんだけ良い娘いないよ。だから大丈夫だろうけど。
あと麻生久美子は本当にきれいで色気もある。8年前くらいだからまだ若い。
主演のはつき役の女優さんも知らないけど好演でした。吉高由里子に少し雰囲気似ていた。
楽しい映画ですね。また見たくなりますね。何回も観たくなる映画っていい映画だなと思い返しさらに評価をつけ直しました。