「違和感バリバリ」名探偵コナン 11人目のストライカー タカ924さんの映画レビュー(感想・評価)
違和感バリバリ
はっきり言って、これはコナン映画ではない。
観ていて違和感しか感じなかった。
まず、アクションはいくらなんでもやり過ぎである。
原作でも持っていないコナンのあの身体能力、そして爆弾の数、爆発。
派手にすればいいってもんじゃないだろ。
そしてあの破壊力からの、最終的には運良く負傷者ゼロ。
…ここまでクオリティが下がるとは思ってもみなかった。
映画なんだからアクションは派手でいいじゃをと言う人がいるが、それは違う。
原作に乗っ取ってちゃんと作るからこそ、「劇場版名探偵コナン」が生きるんだよ。
原作に乗っ取らない映画なんて、本来のレールから逸脱してしまっている。
原作ではあんな現実離れした身体能力は持っていない。
ゆえに、原作と映画のギャップが大きすぎるから違和感を生むんだ。
原作を読んでいる人で、違和感を全く感じなかったという人はおかしいぞ。
またキャラの性格にも問題がある。
成功するかも分からない、あんなポストのトリックをアリバイ工作に利用したわけだが…
特に蘭の場合は、食器の拭き残しも見逃さない程几帳面な性格。
その蘭が、ポストの奥まで確認しないというのはまず考えられない。
また、クライマックスでの少年探偵団の行動もそうだ。
なんの悪気も無いようにコナンの言い付けを破り、爆発しているスタジアムの中で笑いながらコナンに手を振る。
ぶっちゃけ少年探偵団でなくとも、普通あんな行動はとらないよ。
さらに、コナンが一回目のサッカーボールを蹴るが、照明にぶつかって阻まれたというお決まりのパターンの後、
ボールが無いからとかいうスーパーウルトラ下らん理由で最愛の蘭の命、また大勢の観客の命、そして自分の命を諦めるか?
あり得ない。
一万歩譲って、ボールが無いというそのくだらんシチュエーションができたとしても、本来のコナンであれば「この状況を打破するにはどうするか」とか、「代わりに蹴れるものはないのか」とか、必ず頭を働かせるはず。
以上のことから要するに、
コナンを全く分かっていないこの静野孔文とかいう監督は、自分自身の妄想で決めつけたパーツを、コナンのそれぞれのキャラに無理矢理捩じ込んでるということだ。
だから原作を読んでいる人で、違和感を感じなかったという人はおかしいのだ。
実際この作品はコナンの映画になってしまったのだが、少なくとも俺はコナンの映画とは思いたくもない。