青い塩のレビュー・感想・評価
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ガンホ堪能!一粒の塩はきらめく大海に至る
久々に、やられました。
何と言ってもガンホ!です。ぱっとしないおじさん、伝説のやくざ、ときめく元少年、信念を貫く一途な男…様々な顔を見せてくれます。髪型や服装も「それらしく」くるくると変わりますが、さまになるのはガンホゆえ。外見ありきではなく、得体の知れない中身があるから「それらしく」見えるのです。いかにもハリウッドがリメイクしたくなりそうな作品ですが、彼に匹敵する役者さんはパッと浮かびません。スキだらけに見えて冷静沈着、無垢なのかフリなのかわからない笑顔、モサッとしているようでキレのいい身体…つくづく、唯一無二です。
殺し屋と標的の恋愛ものは決して新しくありませんが、本作は、二人がいわゆる美男美女でないところが魅力だと感じました。ちょっとした表情やさりげない仕草が雄弁で、本心と嘘、迷いや揺らぎが見え隠れし、ベタな話と思いつつも素直に引き込まれてしまいます。料理教室という一見突飛な設定(とはいえ、「ヒアアフター」も、料理教室が出会いの場になっていましたが…)も、塩、塩田、海…という広がりの出発点としてうまいなあと後々感じました。初めは端整すぎる気がした映像が、物語が深まるにつれ、大いに情感を掻き立ててくれます。
「グッド・バッド・ウィアード」をビョンホン目当てで観たという知人に、同作で共に主演を張ったガンホの素晴らしさをどう伝えればいいのか、もどかしく感じたことがあります。結局、「反則王」の全身タイツ姿は脳裏に封印し、「シークレット・サンシャイン」を勧めたのですが…。今なら迷わず本作を勧め、我がことのように胸を張りたいものです。
…それにしても、本作といい、「生き残るための3つの取引」といい、最近の韓国映画の世界では、ヤクザは虐げられる側。無数の人々の汗と涙の上にのさばり、冷酷非情に甘い汁を吸い尽くすのは政治家と周辺連中…がお決まりのようです。ん?それって映画だけ?韓国だけ?
三つのグムが大切だ!
黄金(ファングム)、塩(ソグム)、今(チグム)ということだが、結婚式のスピーチでよく使われる「三つの袋」みたいで面白い。チャングムじゃなかったのね・・・
よくあるヤクザものかと思いきや、スナイパーが可愛い少女だという設定に驚き、そのシン・セギョンになら殺されてもいいや!と妄想を膨らませてしまいました。あぁ、アジョシと呼ばれたい・・・
そんなソン・ガンホなんて自分で殺せと言いたくなるし、二人とも心変わりが多すぎる。それにラストだって平和すぎるのが残念なところ。しかし、映像がとても綺麗で青い塩田、夕陽、都会と田舎のコントラストが美しすぎる。と思っていたら、『イルマーレ』の監督だったんですね。納得。
弟分のエックだけは裏切らない忠実な男だった。人気出そうな俳優なのにそれほど映画には出演していない。謎の逃がし屋カン(ユン・ヨジョン)も面白い。そして、射撃の先生オ・ダルスが可哀想・・・ま、美しい映像とシン・セギョンを愛でる作品。
今更ですが、オススメです!
自分の好きな映画の中で上位に入っています。
かなり前の映画ですが、
タイトル/青い塩の意味は?ずーっと考えてます。映画、小説、その時の気分で感じ方が変わります。
何度か見返し、いつも感じることは、
ラストの塩田のシーンで、空の青さと塩田の青さの色が近づくにつれ、二人の感情が一つになったように思える点です。
良かったら是非観て下さい。
元ヤクザと少女の組み合わせ。
ソンガンホの観てない作品観てみようと思って出会った。
評判は良いけど、
僕にはテンポが悪いような気がした。
ここで、殺せてたんじゃない?と言うところで
逃げたり、追わなかったりして、ここからハードな展開かな?と思ったらコメディよりになったりして、
イマイチ乗れなかった。
少女が10年前の今時の少女過ぎて、
お前には殺せないだろうなと言うビジュアルなので、
ターゲットと言う間柄なのにワクワク出来なかったし、
ソンガンホの弟分が少女の正体を知るところなんて、
少女を殺そうとして盛り上がるはずなのに!
と思ってしまった。
ツッコミどころもわりと多くて、
ヤクザなのにみんな基本的に詰めが甘かった。
組長を殺した相手を殺す目的のはずなのに、
途中から逃げ切ろうと言う目的に変わったのもなんだかな?
と言う感じで、
ラストも何故そうなったか説明がなくて
まぁみんな甘いなと言う感想でした。
女。スナイパー
ソン.ガンホが若い。(10年前の作品)
ヤクザの🎬ですが映像が酷くなくスマートでオシャレな印象です。コミカルな所もあってガンホらしさも出てていい感じです。ガンホの優しさが滲み出ています。
女の子(シン.セギョン)も銃の扱い方がスタイリッシュで格好いい。時々手作りの料理が出てくるのでホッとする。そして韓国ソウルの夜景がとってもキレイ!高層階からの夜景。以外と風景って重要なポイント。
青い海。青い塩。撃たれた弾の中に塩が入っていて助かったんですね。
ガンホが殺されたぁ~。と思ったら。
あ~なるとは思わなかった。最後だけ。ちょっと以外な終わり方でした。アクションのスマートさが好きです。(^^)
ギリOK
ラブストーリーのようなラブストリーじゃない、ってか
レオンと同じくラブストリーとしては描いてほしくない!ってのが私の想い。
まぁそういう意味で、ギリギリOKか!?
終盤の塩田の映像は美しい。
こういう映画ってラストでみんな死んだりすることが多い中、
夢を叶えてレストランをしているのが意外だけど、
ハッピーエンドは嫌いじゃない。
シンセギョン
ガンホ。痩せてていつもより男前。ガンホがやればどんな物語だっておもしろくなる。なんなら素敵にさえ。あたりまえに。ジャンレノではそうはいかない。海辺の漁師食堂だったり、高台から見える橋だったり、なかなか良い感じの釜山映画?でもある。とはいえ、90分にはおさめるべき
「青い塩」に縛られ過ぎた感
当然ながら「青い塩」がどういうストーリーを生み出すのかが1つの焦点だったかと思うが、残念ながらそこにドラマ性や必然性はなかったように思え、全体を通してファンタジックな作品だったかと思う。
主演の2人が料理教室に通ってるのも不自然に思えたし、他の小道具なども都合よく描き過ぎていた印象で、物理的・論理的に少し無理なシーンがあって、見る側としてはファンタジーなのかサスペンスなのかどう向き合っていいのかわからなかった。また劇中に「青色」を度々登場させているがこれもまた意図が見えづらかったと思う。
結果的にソン・ガンホとシン・セギョンで映画を作ってみたかっただけなのかなという思惑が見えたような気もした。
なんであのエンディングなの?
期待していました。が、裏切られた気分。
ソン・ガンホは相変わらず素晴らしい。
他のキャストも悪くない(と思う)。
アクションシーンもなかなか。
でも、後半からどんどん適当になる展開
はこれいかに。
正直、脚本の煮詰め不足だと思う。
ラストは級友の少女を残して全員死ぬべき
じゃないの?
ガンホ先輩が、裏切った政治家狙いのメガネ
と裏にいる顧問に復讐するべきでしょ。
あと、あの殺し屋のボス(ババア)もね。
最後にキザな凄腕殺し屋との一騎打ちというか
少女をかばって死ぬんですよ。
で、少女がその仇をとる。これなら腑に落ちる。
死して純粋な愛をまっとうするんですよ。
でね、残された少女はガンホ先輩がやりたかった
レストランを細々とだけどやっている。
なーんで、あのエンディングなの?
いろんな世界のヤクザ映画の美学をグツグツ煮詰めて、韓流ラブコメのシロップで甘く絡めたような不思議な味わいの面白さ
筋書きだけを読むと「何じゃそりゃ!?」の一言に尽きる。
親しくなった女が結婚詐欺師だったってぇなら『土曜ワイド劇場』とかでやりそうだが、殺し屋ってなると、噺が違う。
そもそもヤクザの親分が律儀に料理教室へ行くもんか。
しかし、最後まで見入ってしまった。
現実離れしたストーリーの浮き足立った感覚を逆手にとり、各々のキャラクターに上手く盛り込む事で、ラブロマンスとバイオレンスアクションが融合した新鮮な御伽噺に仕上がっている。
韓流・香港・日本そして、少々のハリウッドetc.etc.各国のヤクザ映画の美学をグツグツと煮込んで恋愛ドラマをまぶしている味付けのため、甘いっちゃあ甘いけど、塩辛いっちゃあ塩辛い。
北野ブルーと香港ノワールをベースに韓流ラブコメディで煮詰めていくんやから、そりゃあ不思議な味わいになるにキマッテる。
だが、クセになり最後まで飽きない。
その秘訣となるコクは、彼女の正体を知ったうえで、受け入れている親分の包容力であろう。
テレビドラマは未だ苦手だが、映画の大胆な面白さにはいつも脅威を感ずる。
では最後に短歌を一首
『狼の もてなすテグタン(タラ汁) 紅を射す 杯を咬む 牙を遺して』
by全竜
青い塩のトリッキーな設定に少々酔ってしまい、後半の展開が予定調和になったのが惜しいと思います。
最近、過激さばかりが目立つ韓国映画の中で、アートな透明感を持った作品だと思います。タイトル通り青が基調の透き通るような映像が印象的。青みがかったスタイリッシュな映像が、抑制された主人公2人の内面を映し出すかのようで美しいのです。
ヤクザを主人公にしたハードボイルドタッチとなるかと思いきや、ちょっと惚けた彼氏とツンデレな彼女という韓国映画の伝統的ラブコメストーリーを踏襲していて、意外でした。
主人公2人のふたりは、恋人というよりも、見た目は少女とアジョシ(おじさん)と言う関係。韓国でしばしば作られる“アジョシ映画”の新たな一本ともいうべきでしょう。
冒頭に、田園風景のなかで主人公が女性のスナイパーに殺されるという衝撃的なラストシーンで始まる本作。このシーンをドンデン返しするのも、塩が絡んでいるというくらい、「青い塩」がキーワードになっています。但し、そのあっという仕掛けのアイディアに少々酔ってしまって、後半のストーリー展開が予定調和的に片付けられていったことと、主人公を暗殺に向かわせるヤクザの権利争いの構図が説明不足で解りにくくなってしまったことが残念です。結局ドゥホンの組織のトップが暗殺された背景は明かされずじまいに終わりました。
ちょっとネタバレしにくいのですが、ラストのドンデン返しは唐突過ぎて、そんなの有りかと思ってしまうでしょう。
ただ自分を殺すスナイパーと次第に恋に落ちていくあり得ない展開を、ちょっとドキドキした緊張感を含みながら、コミカルに描く前半は見応えありました。韓国映画のハードボイルドは、過剰な暴力と破滅的な展開に拒絶している人でも、本作なら大丈夫。韓国で大ヒットした恋愛映画「イルマーレ」を監督したイ・ヒョンスン作品だけに落ち着いた大人の味わいがあります。ラブコメとハードボイルドが一緒に楽しめる作品としてお勧めできます。
プサンの港町。伝説のヤクザと呼ばれたドゥホン(ソン・ガンホ)は、現在は引退し、プサンで食堂を開こうとしていました。料理教室にも通うが、そこで隣席のセビン(シン・セギョン)という女の子と親しくなります。しかし、実は、セビンは多額の借金の返済のために、ヤクザの便利屋として、ドゥホンに接近し動向を探っていたのでした。
実はセビンはオリンピック候補になるほどの射撃の名手。親友をドゥホンに殺されたと思い込んで、暗殺者に転じてしまいます。組織の大物だったドゥホンは、引退後も組織から命を狙われていたのです。
ヤクザのドゥホンが料理教室で料理音痴ぶりを発揮し、そこをセビンが突っ込むところが面白かったです。アンバランスな掛けあいが、コミカルな味わいを醸し出すのですね。
主役はソン・ガンホ。ヤクザに追い詰められこころに深手を負っているセビンを深く受け止める柔和な中年男を軽妙に演じているところが素敵です。ただある瞬間、殺気を全身にみなぎらせて怖さを感じさせるところは、さすがに名優だけのことはありますね。
セビンを演じるのはシン・セギョン。この小柄な美少女が強い意志と行動力で、ツンデレな少女の可憐さとスナイパーになったときの殺気だった緊迫感をきっちり演じ分けているところは新人ながら凄いと思いました。彼女の演技が、この作品のあり得ない設定を上手くカバーしていると思います。
セビンがスナイパーとして、ドゥホンを狙う二つの隣接した超高層ビル上階間のシーンは、なかなか見応えあるシーンでした。このあと組織の殺し屋軍団が乱入して激しい銃撃戦となります。離れたビル間を跨ぐ激しいアクションシーンは、本作ならではの新機軸でしょう。
ここで活躍する主人公の弟分役のチョン・ジョンミョンも、なかなかの侠気を見せて印象的でした。
ところで本作では、プサンの海辺の風景やソウルの夜景を捉えた映像は、そのまま観光用のPRビデオになりそうなくらい洗練されていて美しいのです。
そして多彩な料理が料理教室のシーン以外にも出てきます。ユニークなのは、プサンの浜辺にある屋台で出されるセルフバイキング方式の漁師鍋。なんと材料を好きなだけ客が鍋に放り込んで、自分で調理するのです。好みの材料がなくなった場合、店の婆さんに頼むと、速攻海女着に着替えて、潜って取ってくるところには笑ってしまいました。
セルフのうどんは全国チェーンになっただけに、セルフバイキング方式の漁師鍋もどこかのチェーンが仕掛ければ流行りそうですね。
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