「スパイの選択」裏切りのサーカス everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイの選択
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映画館で鑑賞後、もう一度最初から観てKarlaの姿を確認したい!と思いつつ、内容を忘れた頃に2度目の鑑賞。最初のシーンで見逃したと思っていましたが、元々映っていなかったんですね。
名前で呼びあったり、名字で呼んだり、更にはコードネーム。登場人物の把握が難解なので、じっくり観ないとなりません。
処刑の危険を冒してでも祖国に忠誠を誓い帰国したKarla。常に保身に走るPoor Man。愛情のもつれを仕事に利用できる冷淡なTaylor。任務中でもルールを無視して直感を優先、恋に盲目的なTarr。自分と同じように誰しも愛する人との生活が弱点であり、そのためなら祖国を裏切れると信じていたSmiley。
愛国心や任務への忠誠心は、個人的感情を上回ることが出来るのか。Karlaが常に持ち歩いていたSmileyのライターは、彼が「人を感情ごと手中に収めて操れる」ことを意味しているのかも知れません。英国側はスパイ以前に、良い意味で人間味のある愚かさを感じました。疑う下地は充分あっても、信じたいという気持ちを優先したくなる心情は、恋愛や浮気にも通じます。
諜報組織の中でのスパイ活動、騙されるフリをして欺くつもりが、まんまと騙されている…。東西冷戦時代の価値観で、どちら側を「選ぶ」のか。愛を選ぶのか、政治的理念か、それとも祖国を選ぶのか。スパイとて所詮人間、任務遂行においても、淡々と情愛が絡むサスペンスでした。
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