「への字」アーティスト Curveさんの映画レビュー(感想・評価)
への字
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私は映画をそこまで深く見ていない。しかしそんな私でもこの作品の美術と演出の見事さはわかった。中でも白黒であるからか影の使い方が美しかったと思う。
ジョージとペピーは笑顔が印象的だ。特にジョージの「への字」眉の笑顔はサイレントにあって人気スターの風格と人懐っこさが伝わってきた。
だからこそトーキーが時代を席巻しジョージから笑顔が消えた辺りで話にグっと引き込まれた。
正直、中盤の少し前辺りで私は見る意欲を失い掛けていた。
サイレント映画を見るのは初めてである。映像と音楽でストーリーを汲み取る力が不足していたのもその理由の一つだろう。
だが私は、人がもう一度立ち上がろうとする映画が好きだ。
ジョージが誇りを捨ててもう一度這い上がろうとする様を気付けば集中してみていた。
人は立ち上がろうとする時一人では難しい。必ず傍らにもう一人誰かに居てほしい。
そしてその誰かはその人の生き方に共鳴して寄り添ってくれるのだ。
即ちに如何に生きるかによって如何に立ち上がれるかに繋がるというこだろう。
しかしジョージは幸せだ。
倒れた時に寄り添ってくれるもう1匹がいたのだから。
ジャック。正に名演。
ジャック無しにはこの映画は成り立たなかったと言っても言い過ぎじゃないだろう。
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