劇場公開日 2012年10月27日

「重いテーマです」終の信託 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重いテーマです

2012年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2007年の『それでもボクはやってない』に続く、周防監督の社会派作品。あわせて、1996年に大ヒットしてハリウッドでもリチャード・ギア主演でリメイク作品まで作られた『Shall we ダンス?』以来の周防正行・草刈民代・役所広司が揃った作品としても話題になっている。

でも、やっぱり『Shall we ダンス?』よりも、『それでもボクはやってない』と比較しちゃいますね。『Shall we ダンス?』はコメディでしたが、『それでもボクはやってない』は社会啓蒙、民衆啓発の社会は作品。そして今回の『終の信託』も社会派作品ですからね。

『それでもボクはやってない』の時は、痴漢冤罪が社会問題化しつつあるタイミングでの映画界でしたが、この『終の信託』は、“終活”などという言葉も出来るほど、人間の一章の終わりに注目が集まりつつ有る時期の作品。そういう意味では、非常に良いタイミングでの映画化です。

いやぁ、作品終盤の折井が塚原に取り調べを受けるシーンですが、「あぁ、こうやって犯罪者は“作られていく”んだ」と思いました。まぁ、“事実”のみをつなぎ合わせると、塚原の言う感じになるのかもしれませんが、それでは背景が全く示されておらず、かなり一方的な主張に思いました。でも、『それでもボクはやってない』も思いましたが、あれが現実なんですかね。

ツッコミを一つ。江木が救急搬送されてきたシーン。あまりにも緊張感に欠けていないか?もうちょっと何とか出来たのではないかと思いました。

勝手な評論家