とらわれて夏のレビュー・感想・評価
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この地方検事の人柄があっての一本
<映画のことば>
被害者の心理は複雑なものです。頭を整理するのに、数年かかる。
今の主張を記録に残す前に、実際に何が起きたか、よく考えては?
脱獄犯を匿うのは重罪です。
子供に違法行為を強要すると、養育権を失うことにもなる。
もちろん、やってることを見れば、もろに匿ってしまっているのですよ。アデルとヘンリーは、脱獄犯のフランクを。
しかし事情聴取を進めて、フランクとアデル・ヘンリーとの本当の関係性に気がつくと、そのままストレートに、アデルとヘンリーがフランクを匿った犯人と決めつけることには躊躇を感じたのだろうと思いました。くだんの地方検事は。
それで、やんわりとはぐらかして、結局はアデルの供述を調書化して、証拠として残すことをしなかった…そんなところだろうと理解しました。評論子は。
評論子が在学した学校(大学法学部)の刑法の教員が、まるで壊れたテープレコーダー(今風にはICレコーダーというへきか?)のように、「法律の解釈・運用に携わる者は、斬られれば赤い血が流れる人間でなければならない」という趣旨のことを、繰り返し繰り返し言っていたことが思い起こされます。もう20年近くも前のことになりますけれども。
そういう言い方をするならば、きっと、「斬られれば赤い血が流れる」ような人柄だったのだろうと思いました。この地方検事は。
見終わって、なんとも温かな気持ちになれるのは(『エヴァの告白』の入国管理官?とは好一対の)この地方検事の温かな対応というのか…粋な計らいというのか…それによるんだろうなぁと思います。
そういう視点からも、佳作であったと思います。評論子は。
5日間の奇妙な関係。脇も豪華
力のある俳優と、シンプルでよく練り上げられた脚本。
映画は、骨組みがしっかりしていれば面白くなるというのを、再認識させられた作品。
脱獄犯が、偶然出会った母子と心を通わせ、やがてお互いにかけがえのない存在になっていく5日間を、ていねいに、リアルに描いてあります。
それは、心に傷を持つ大人にとっての、癒しのように、静かに染み込んでくる映像です。
ケイト・ウィンスレットの、少ないセリフで的確に心理状態を表現する演技力にも感服。ジョシュ・ブローリンもいい。
タイトルロールのトビー・マグワイアや、隣人役でJ.K.シモンズ、警官役のジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク、別れた父親役でクラーク・グレッグと、脇も豪華です。
脱獄囚のフランクと傷心の母親の過去がわかるほど、切なくなっていく。...
脱獄囚のフランクと傷心の母親の過去がわかるほど、切なくなっていく。
そんな2人だったからこそ惹かれ合っていたんだろう。
母親を見て思春期の息子の心情も変化する。
そんな心情の変化もリアルで、自然でよかった。
そして、切ないままで終わらないラストでほっとした。
なにかちがう様々な大きい愛情を感じられる映画でよかった。
久々に悪人の出ない映画でほっとした(^-^; 最後にちょっとポロリ...
久々に悪人の出ない映画でほっとした(^-^;
最後にちょっとポロリ(T-T)するの好きや
後半が・・・。
静かなオープニングから、あり得ない展開で面白そうなとワクワクしてたのに、後半、あれあれ?と、予定調和な終わり方でがっかり。
出演者豪華だし、途中までよかったのにもったいないなあ、監督誰だ?と調べたら、私の大好きなジュノと、途中まで好きなマイレージマイライフと、面白かった気がするけど内容忘れちゃったサンキュースモーキングの監督だった。
私が面白くおもったり、面白がり切れない監督なのだなと納得。
そういえば、相手役の男の人、どこかで見たことのあるような俳優だったなとこちらも調べたら、なんと、グーニーズのマイキーお兄さん役のブランド!あの男前だけど三枚目の兄さんが、こんなに色気のあるおっさん役やるようになっちゃったの!!と驚いた。
まあ私が見たのもTVの再放送くらいの吹替版だったから、すでに月日はたっていたのだろうけど、こういうところで年を感じるわ…。
始まりがストックホルム症候群だとしても😍
「そんなバカな」とか、逆に「いかにもあるある設定」と思ったりしたものの、全体の流れが良くて一気に見入ってしまいました。
ケイト・ウィンスレットの肌に貼り付くワンピース姿、ピーチパイの生地を捏ねて焼くシーン・・・
脱獄犯をかくまう形になってしまい、ハラハラするけれど、暑い夏の焦がれるような大人の恋を、ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリンというキャスティングで素晴らしい作品なったと思います。
加えて息子役の少年も良かった。
次々に大変な経験をしながらも、グレたりせずに成長し、刑期を終えた男性と母の再会を祝福するラストシーンにはジーンとしました。
ピーチパイ、夏は生地の扱いが難しいんだけど、美味しそうだったなぁ・・・
久々に素敵なハリウッド映画を観ることが出来て大満足でした!
妙にエロい。
とても良かった。
ベッドシーンなんて無くても、
全編にわたって妙にエロかった。
脱獄犯が女性と恋に落ちる話だと有りがちだけど、
そこに息子の視点が入る事で、
エロさと生々しさが増した。
この二人どうなってんだ?
何でお使いに行かなきゃなんねーんだ!
二人でコソコソ何やってんだ?
何喋ってんだよ!
距離近くね?
みたいなこの感覚は、
自分の思春期にもあった事だから、
分かる分かると引き込まれた。
誰にもバレちゃいけないはずなのに、
どんどん大胆になっていく大人二人に
恋って怖いぜ!と思いました。
ある意味、子どもが一番大人だった気がする。
トビーマグワイヤも出て来て、おっ!となりました。
やさしい脱獄犯
脱獄犯がやさしいという設定がまず興味をそそる。
脱獄犯をかくまう親子と脱獄犯の交流を描いた作品。
脱獄犯と偶然街で遭遇し家に連れていくようにと無理強いされるものの次第にやさしさに触れ信頼関係がうまれてくる。
全体を通して先が読める展開。オチも想像通り。予想を裏切る展開がないのが少し物足りない。
女が息子にカナダに移住すると言ったシーン。息子も一緒に連れていくつもりでいったのに、息子が知らずに「また会える?」と聞いたときせつなくなった。
俺も行きたい、連れていってよ、と言わないところに息子の気遣いが感じられて良かった。
いつか警察に捕まることがわかっていながらも親子と一緒にいることを選択した脱獄犯が最後に流した涙がなんともいえない。
脚本をもカバーするケイト・ウィンスレットの力量
個人評価:3.7
人質と犯人との愛を描くという、他にも何本か見たような設定だが、少し違うのは母親が奪われてしまうという息子側の目線も描いている点だろうか。
わずか5日間の出来事で、ここまで関係が進むのは違和感があり、惹かれ合ったお互いのバックボーンの伏線の描写も分かりづらく弱い。しかしながら作品として見入ってしまうのはケイト・ウィンスレットの力量に他ならない。
また息子役の眼差しが常に悲哀を帯びており、役柄によく合っていた。
ちょい役だがJ・K・シモンズが出てくるのが嬉しいところ。
何度となく使われてきたような話なんだけど、でも好きだな~この映画
話としてはホント直球のメロドラマでしたが、正直現実的にはありえない、いかにも映画映画したメロドラマで、展開も分かり易く、何度かこんな話を見たような気もするので新鮮味もなかったのですが、でも・・・いい!単純に好きです、こう言う話、分かっていてもドキドキするし、ハラハラするし、最後は思わずグッと来てしまいましたよ。
直球な話だけに、作り手次第ではただクサいだけの話になった可能性もあったと思うのですが、そこはさすがジェイソン・ライトマン監督、人間の描き方が分かっている、三者三様どの人物の描き方も素晴らしかったし、どの視点で見ても感情移入できる見応え十分な作品に仕上げましたね。
それぞれの想いが集約したラストは本当に素晴らしかった、これ以上ない落としどころに素直に感動させられました、大人が見て楽しめる愛の物語でしたね。
物語の主たる視点が思春期の少年だったのも、物語によりよい味わいを与えていた印象でした、ちょうど大人の階段を上る時期、その危うい時期だからこそ、ある種スリリングに物語が推移した感じで、何かとドキドキさせられました。
ちょうど女に、エロいことに興味を持ち始める年齢ですもんね、その辺の描き方が本当にリアルに描かれていたと思いましたよ。
それと同時に、精神的に不安定な母親を僕が守ると言う、自覚が芽生えてきた時期だったのも、様々な感情に揺れ動かされるのが手に取るように伝わってきて、見る側も思わずもどかしい思いに駆られてしまいました。
母親を取られるかもしれないと言う不安感と、今まで得ることができなかった心地良い父性の温もりの中で揺れる少年の心が、とても印象的な作品でしたね。
そんな少年の視点に彩を与えたのが、ケイト・ウィンスレットが演じた精神的に不安定な母親とジョシュ・ブローリンが演じた脱獄犯のフランクでしたが、さすがは演技派の2人です、2人の演技には最初から最後までずっと惹き込まれっぱなしでした。
何とも言えないエロティシズム、脱がなくても、ラブシーンが無くてもエロい、演出も見事でしたが演技もホント見事だったなぁ、その間に息子がいるってとこがまたねぇ~、ピーチパイ作りが官能的でまたエロかった、ピーチパイがこの作品の象徴とも言えるキーになってましたね。
まさかのトビー・マグワイアも素敵なサプライズ、温かくて官能的でホントいい映画を見た余韻に浸れました。
勿論突っ込みどころも多々ありましたけどね、でもまあベタでも見つかるか見つからないかのスリルも味わいつつ、官能的な愛や少年の成長物語も見れた訳で、そこは個人的には大目に見たいかなと。
母子と心優しい脱獄犯の人物背景がしっかりと描かれていたので、彼らが打ち解けていくまでのプロセスにもあまり違和感は感じず見れましたし、それぞれが欲していたものを埋め合う夏の5日間は、映像の色褪せた感じも相まってその世界観にずっと惹き込まれっぱなしでした。
しかしケイトはこう言う役が本当に嵌まる女優さんだなぁ、逆にジョシュのこう言う役は初めて見た気がしました、本来は普通に凶悪犯だもんなぁ、あの顔だと。
あの夏出会った人は、忘れられない脱獄犯でした…
1987年のある夏の日、シングルマザーのアデルと13歳の息子ヘンリーは買い物中に脱獄犯のフランクと出会い、強要されて匿う事に…。
やがてこの脱獄犯に惹かれ…という、はっきり言えばベタなメロドラマ。強引な点やツッコミ所もあるし、オチも出来すぎで、ご都合主義。
しかし、アダルトなムードと情感たっぷりで、なかなか魅せられた。
何と言ってもメイン3人の演技が素晴らしい。
離婚が原因で精神的に不安定。が、フランクとの出会いで再び女を目覚めさせる。
ケイト・ウィンスレットが生活臭漂うエロス。
ジョシュ・ブローリンも顎髭と脂ぎった肉体から感じさせるセックス・アピール、そして人間味。
特筆すべきは、ヘンリー役のガトリン・グリフィス。
思春期真っ只中、この5日間の夏の日の事を、彼の視点で描いているのが面白い。
母親を気遣う年齢以上に大人の精神の持ち主で、脱獄犯…と言うより、再び男と艶かしいロマンスに落ちる母をどう見ていたのか。
自身もまた、フランクに対してどんな感情を抱いていたか。彼にシンパシーを感じていたのは確かだが、母親ほど心を開いてはおらず、心の片隅に引け目や後ろめたさを感じた。
思春期、彼が目の当たりにした出来事、愛の形を繊細に演じ描く。
たった5日間だが、知れば知るほど凶悪犯には思えないフランク。
アデルには女を潤させ、父親不在のヘンリーには父親のような存在。
時折挿入されるフランクの過去からもそれを感じさせる。人を殺めた事は間違いないが、苦しい悲しみを抱えた男。
そして、作ってくれたピーチパイ。
このピーチパイが、最後に巧く効いた。
出会った男は脱獄犯。
でも、その後の人生に影響を与えたピーチパイの味とあの夏の5日間の思い出。
泣けたが
見終わってから冷静に振り返るとちょっと強引なストーリーだったように感じます。
ただ、最後の方のピンチシーンはほんと見てられなくて、さすがライトマン監督と思いました。ヤングアダルトの後半のパーティ大恥シーンといい、ピンチ演出がいやらしすぎる笑
映画だから、
現実にない設定はありだが、余りにも導入が…脱獄した囚人とたった2~3日で心通わせるって、どんだけ精神不安定な主人公設定なんだろ…数週間、数ヶ月の時間が流れてくれていれば、受け入れやすい設定に思った。けど、それぞれの心の葛藤は見応えあったかな。
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