「とても上品なエロスに満ちた作品。リアリティを求めてはいけない。」とらわれて夏 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
とても上品なエロスに満ちた作品。リアリティを求めてはいけない。
精神的な病を抱えるシングルマザー、思春期を迎えた彼女の息子、殺人罪で服役していた脱獄囚の3人による心の交流を、息子の視点から描くヒューマン・ドラマ。
主人公であるシングルマザー、アデルを演じたのは『タイタニック』『エターナル・サンシャイン』の、レジェンド女優ケイト・ウィンスレット,CBE。
アデルと恋に落ちる脱獄囚フランクを演じるのは『グーニーズ』『メン・イン・ブラック3』のジョシュ・ブローリン。
ナレーターでもある、アデルの息子ヘンリーの青年期を演じたのは『スパイダーマン』シリーズや『華麗なるギャツビー』のトビー・マグワイア。
アデルの隣人ジャービスを演じたのは『スパイダーマン』シリーズや『ジュノ』の、後のオスカー俳優J・K・シモンズ。
原題は『Labor Day』。
9月の第1月曜日に設定されている祝日で、「労働者の日」と訳される。
本作における重要な1日であり、また「夏休みの終わりの日」という意味合いも持っている。
『とらわれて夏』という邦題、意味わかんないしダサい。まぁそのまま『労働者の日』と邦訳するわけにもいかないだろうけどさ。
本作の白眉はなんといってもケイト・ウィンスレット!
とにかくエロい…😍気怠げな雰囲気に胸元の大きく開いたネグリジェ…。あんな母親がいたら思春期の息子は参っちゃうね!
ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリンの大人の恋愛が本作の見どころな訳だけど、この関係がエロいんだ!
とはいえベッドシーンがあるわけでは無い。特別露出が高いわけでもない。
フランクがアデルの体を縛るため肌に触れる描写とか、フランクが縛られたアデルに食事をさせる描写とか、パイを作る時に手と手が触れ合う描写とか、接触するシーンがいちいちアダルトな雰囲気を醸し出している。
性的な興味が芽生えてきた思春期の息子の目線から描かれる物語なので、エロスというのがテーマの一つとしてある。
そのエロスの描き方がとても上品で、風格のある作品に仕上げてきているな、という印象を受けた。
物語は脱獄囚と寂しさを持て余す女性の悲恋という、まぁはっきり言って手垢のついたもので真新しさはない。
この手のラブストーリーにいちいちツッコミを入れるのもヤボだと思うんだけど、やっぱりリアリティの無さが気になってしまってイマイチ入り込めない…💦
出会って3日やそこらの囚人と駆け落ちしようとするか、普通!?
警察に追われてるのに、裏庭でキャッチボールなんてするか、普通!?
国境を越えようというのなら、もっと綿密な計画を立てないか、普通!?
フランクって異常にパーソナルスペースが狭くて、凄くベタベタアデルを触る。
脱獄囚にベタベタ触られたら結構怖いと思うんだけど、それで恋に落ちてしまうアデル。
もうこの時点で「ありえねー!」と言ってしまいたくなる。
またフランクは隠れている最中だというのに結構外に出て家の修繕やらキャッチボールやらしてる。
人目につきますよマジで。
最終日のグダグダ感も異常。全員馬鹿なのか?
国境越えなきゃいけないんだからもっと計画を練れよ!
子供を勝手にフラフラ出歩かせるなよ!
金を下ろすのももっとうまくやれよ!
フランク鍵閉めとけよ!ババァが入ってきてんじゃねぇか!!
やたらと「近親相姦」というワードが出てきたり、ヘンリーがガールフレンドに母親の彼氏を追い出せと言われたり、「情報提供者に1万ドル」という新聞の見出しが強調されたりしていたので、「あ、これは母親を取られたくない息子が最後の最後でフランクを裏切るな…😏」とか思ってましたけど、そんなサスペンスフルな展開にはならず、良い話風な感じに着地。
毒にも薬にもならない感じの映画でしたが、ケイト・ウィンスレットの魅力が爆発しているので一見の価値はある💥
ピーター・パーカーやJ・ジョナ・ジェイムソンやフィル・コールソンやサノスが出てきますが、マーベル・コミックスとはなんの関係もありません🤣