劇場公開日 2012年2月25日

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ヤング≒アダルト : インタビュー

2012年2月20日更新
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シャーリーズ・セロン インタビュー
「今後も退屈な大人にはなりたくない」

新作「ヤング≒アダルト」(2月25日公開)でシャーリーズ・セロンが演じるのは、大人になりきれない身勝手なヒロインだ。かつて街一番の美少女として持てはやされたバツイチ女は、久々に戻った故郷で錦を飾るどころかとんでもない騒動を巻き起こすことになる。「JUNO ジュノ」の脚本家&監督コンビによる新作に、「崖から飛び降りる」気分で挑んだというシャーリーズ・セロンに、ニューヨークで取材した。(取材・文・撮影:小西未来)

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奇抜でありながら、どこか共感して しまうヒロインを見事に快演
奇抜でありながら、どこか共感して しまうヒロインを見事に快演

──ジェイソン・ライトマン監督に自ら出演を志願したそうですね。

「これまでのキャリアで学んだ一番大きなレッスンは、たとえ素晴らしい脚本があっても、自分をインスパイアしてくれる監督がいないと意味がないということなの。監督と相性が大事で、仕事に向かう姿勢という面で、ジェイソンほど自分と似ていると思った監督はいない。ある場面の撮影で、彼がたった2テイクだけでオーケーだと言っても、私はその言葉を100%信頼することができる。彼の才能を信頼しているし、なにより映画のキャラクターや役者を大事にすることを最優先してくれる監督だからね」

──なかなか大人になれない主人公を演じていますが、あなたが大人になったと確信したのはいつですか?

「いつだろう? そういう変化って、些細なものだと思うの。あったとしても、自分では気づいていない。この映画において主人公が直面する状況や問題っていうのは、30代中盤から後半の多くの女性が直面するものだと思う。ありきたりと言ってもいい。でも、この映画が面白いのは、主人公はそうした問題に、16歳の女の子のような方法で対処にあたるっていう点なの。主人公は永遠の16歳で、大人に成長しなくても務まる職業についている。大人になるということは、人生で起きるさまざまな事柄に適切な手法で対処することだと思うんだけど、主人公はそれができない。で、私自身も大人とは思っていない。もちろん年齢的にはそうだけど。ただ、自分は大人だっていうととても退屈だし、かといって大人じゃないって言うと、36歳なのに16歳の服を着たがる不気味な人とも思われそうで。だから、大人か大人じゃないか、という質問にはどう答えても勝ち目はない。ただ、今後も退屈な大人にはなりたくないなとは思う」

──主人公はファストフードを食べることで癒されますが、あなたはいかがですか?

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「生まれ育った南アフリカにはファストフードがなかったの。ウィンピーっていうチェーンくらいしかなくて、両親はたまに日曜日に連れていってくれた。だから、92年の冬にニューヨークに移住したときに食べたマクドナルドの感動は凄まじかった。天国だと思ったわ(笑)」

──(笑)。

「この映画が素敵だなって思うのは、女性と食べものとのエモーショナルな関係が初めてちゃんと描かれていることだと思う。女性の多くは、食べものを単なる栄養源以上のものとみなしている。そこには深い感情的な結びつきがあるの。映画では滑稽に描かれているけれど、本質を突いていると思う。とにかく、私はあらゆる食べものが大好きよ(笑)」

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