リンカーン 秘密の書のレビュー・感想・評価
全47件中、41~47件目を表示
ダークさはほどほど、予想外に面白かったです
ダークで重苦しい展開を想像していたのですが、ダークさはほどほど。予想外と言ってはなんですが面白かった。観て良かったです。 19世紀の史実に奇想天外な設定をうまく取り入れ、バトルもチェイスもスピード感があって、なかなかの見応えでした。 話自体は大人っぽさがあまり感じられず、なんとなく日本のスーパーヒーロー物っぽいと思いました。でも最近気になる俳優さんたちが頑張っていて、気がつけばけっこう見入っていました。 ベンジャミン・ウォーカー演じるリンカーンがもうちょっと個性が強くてもいいような気もするけど、著名人すぎるしね、仕方ないところでしょうか。 それと、リンカーン夫人役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドがとっても可愛いかった、衣装がとてもよく映えてました。
なんとも中途半端な…
だいたい、ティムールべクマンベトフってそんな話題になる監督さん?バートンはいろいろ有名だけど…。
母親をヴァンパイアに殺されてリンカーンは復讐に目覚めるわけだけど、斧だけで強くなりすぎ。だって、所詮はただの人間。なのに、いとも簡単にヴァンパイアを矢継ぎ早に殺す強さは逆にヴァンパイアの存在意義低下しちゃう。
ヴァンパイアもいろんな面で中途半端。リンカーンを自分の巣窟に呼び込みながらあっさり逃げられちゃうし…。最後女同士の対決ももう少しガッツリ取っ組み合いさせればもっと盛り上がったのにな〜。
前編映像もスロー再生多用したり、キラキラ映像処理したりでとてもスタイリッシュな出来上がり。けど、映像綺麗すぎて迫力減。
あと、残念なことにベンジャミンウォーカーにあまり魅力を感じませんでした。
あのリンカーンがバンパイアハンターだっただなんて・・・
「人民の、人民による、人民のための政治」。 南北戦争の激戦地、ゲティズバーグでのリンカーンの演説の有名な言葉だ。 その有名な言葉は知っていても、リンカーンについては、「5ドル紙幣のお方」くらいしか知らなかった。 で、少しだけリンカーンの生涯について調べてみた。 貧しい農民の子だったこと。 幼くして、母を亡くしたこと。 独学で弁護士になったこと。 奴隷制度に反対であったこと。 劇場で暗殺さえたこと。など。 リンカーンについて割と忠実に描いていた。 史実に基づき、実際にあった出来事や背景をうまく使って、現実味をだしていた。 ただ一つ、バンパイアハンターだったということを除いて。 何とまあ・・・一体、誰がこんな奇想天外な発想をしたのだろう。 ヒントは何だったのだろう??? それが一番気になるところ。 で、作品。 リンカーンを演じたベンジャミン・ウォーカー。 年を重ねる毎に、ご本人にそっくりになってくる。 メイクの技術だろうが、現実味があって良かった。 でも、何と言うか・・・リンカーンが持つ(と私は思っている)カリスマ性のようなものは、感じられなかった。 それが、残念。 ドミニク・クーパーとスピードを演じたジミ・シンプソン。 お二人とも、ステキだった。 リンカーンの武器が斧というのも、好感が持てる。 ただし、そこは、凝ったものだったけど。 3Dで見せるアクションは、スケールが大きく、迫力満点。 特に、クライマックスの大橋梁のシーンは、ハラハラドキドキ感がハンパなく、とても楽しめた。 この最後のアクションシーンとラストで、少し加点。 南北戦争から150年ほど。 「声をかくす人」「リンカーン」と見比べて、楽しみたいと思っている。
主人公が弱い・・・
流されるだけに見える主人公がキャラクターとして弱い。 短絡的すぎて応援できず。 意外とアクションが少なめで拍子抜け。 「ウォンテッド」より「ナイトウォッチ」寄り。 "ヴァンパイアの浸食に対抗するアメリカの戦い" として観れば、やや面白いが、 印象に強く残るほどではない。 リンカーンの史実をうまいこと活かして、 荒唐無稽を彩ってはいたものの、それだけ。 3D効果も低い。
テンポはよかったけれど。
映画の予告を観てみたい、と思っていた映画だった。 でも、予告で観たいと思っていた映画の2本に1本はいまいちなことが多い。 特に派手なものほどその傾向が強い気がする。 今回の映画は、正直、まあまあ。 飽きはしなかったけれど、わざわざリンカーンにしなくても、という感じだった。あまり、メジャーな俳優もでていないし。 唯一、メアリ・エリザベス・ウィンステッドはよかったけれど。
ここまで歴史を茶化して良かったのか!
エイブラハム リンカーン(1809-1865)は、日本人に最も親しまれているアメリカ大統領ではないだろうか。ワシントンを旅行した人は 必ずワシントンDCの記念館で、どでかい彼の椅子に座った銅像を見物させられるだろうし、リンカーンと言われて、すぐに眉の太い ヒゲ顔の暗い、憂鬱そうな怖い顔を思い浮かべるだろう。歴代アメリカ大統領のなかで 顔と名前が一致する人はそれほど居ない。顔写真をみて名前を挙げるというゲームをしたら ジェファーソン、マッカーシー、トルーマンなど すぐには思い浮かばない。GHQのマッカーサーでさえ あのレイバンのサングラスがなかったら 顔を見ても分からない人のほうが多いだろう。
それだけリンカーンが日本で知られているのは、何故だろう。
小学校低学年の教科書で、リンカーンと桜の樹のエピソードがあった。幼いエイブラハムが父親に斧をもらって、嬉しくてつい父親の大事にしていた桜の樹を切ってしまった。隠しておきたかったが、勇気を出して父親に事実を告げ謝罪した。父親は彼を叱らずに 自分の過ちを認めた彼の勇気を褒めた。という美談だ。小学校で先生が得意そうに 生徒にこれで説教するのを聞きながら、なんか陳腐な話しだと、子供ながらに冷笑していた。この頃に桜の樹がケンタッキーに生育していたとも思えない。作り話だ。
また 彼の有名な演説 オブピープル、バイピープル、フォーピープルを知らない人は居ないだろう。奴隷制拡張に反対し、アメリカ合衆国を二分し、議会の承認なしに 独力で南北戦争を指揮した。同時に、インデアンを保留地に追い込み、民族浄化ともいえる大虐殺を指揮した。そして、南軍のロバート リー将軍が降伏し、南北戦争が終結した直後に 暗殺された。
彼のいうピープル(人民)のなかにアフリカンアメリカン(黒人)も、インデアンも入っていない。奴隷制は終息したが、選挙権などの基本的人権は全く認めていない。もともとリンカーンは 黒人が白人と同じ対等な人間とは思っていなかった。まして、インデアンに至っては、抹殺すべき人類の敵だと考えていた。
しかし、いま彼は「奴隷解放の父」と呼ばれ、アメリカフロンテイア精神の代表者、パイオニア(開拓者)の代表者として尊敬されている。丸木小屋で育ち、無学の両親のもとで、斧で樹を切ることに長けていた。独学で学問をして 弁護士となり、大統領にまで登りつめたことは偉業に違いない。
さて、映画だ。
ストーリーは
第16代目アメリカ大統領エイブラハム リンカーンの本業は 吸血鬼狩りだった。夜な夜なリンカーンは斧を振り回して吸血鬼を退治していた。そして、ついに吸血鬼との全面戦争、南北戦争に突入する。南部アメリカに、はびこっていた吸血鬼は アメリカ征服を企んでいたため、北部の人間との全面戦争を避けられなかったのだ。奴隷解放は、吸血鬼の食料源を断つために必要だった。厳しい戦争を勝ち抜いて、ついにアメリカは人民の、人民による、人民のための国家を建設することができました。
というお話。
ここまでアメリカの現代史を茶化すことができる、ということに、まずびっくりした。この小説「バンパイヤーハンター リンカーン」(2010年)が人気小説になり、それをテイム バートンが映画にしてしまう というのも、すごい。カザクスタン出身のロシア人が監督して、奇才テイム バートンが製作すると、立派な作品になってしまう、ということも驚きだ。
リンカーンが振り回す斧で吸血鬼がぶっちぎれて 血肉が吹き飛ぶという予告を読んでいたので、怖くなったらすぐに映画館を出るつもりで最初から端の席で脅えていた。しかし、映画が始まったとたんにストーリーに引き込まれて、とてもおもしろくかった。
リンカーンンが斧ひとつで、バットマンと、スパイダーマンと、アイアンマンと、ハルクと スーパーマンを足したくらいの活躍をする。そんな彼が家に帰れば 無名の好青年。妻メアリーとのロマンスも感動的だ。
印象に残った大スペクタクルは二つ。
ひとつは 暴れ馬が200頭くらい暴走するシーンだ。馬に飛び乗って逃げる瀕死の吸血鬼をリンカーンが追う。臨場感いっぱいの馬の群れのなかで、飛び乗って、振り落とされたり、馬から馬へと乗り移ったりしながら、片手で斧を振りかざして戦う一騎打ちのシーンが迫力がすごくて 手に汗を握る。
もうひとつは、列車で武器を満載して南部戦線に向かうリンカーンたちを、吸血鬼が襲い、橋が崩れ落ち、列車が火に包まれるシーン。橋が落ち、列車が次々と谷底に落ち、リンカーンらが乗った車両は落ちても、済んでのところで助かるに決まっているのだけど、いつもハラハラする。
また着飾った吸血鬼たちが、屋敷で晩餐会を開催している。モーツアルトの曲に合わせて 人々は優雅に踊り、飲み、楽しんでいる。シャンデリアにシャンパンに、贅沢なお客たちの衣装。そこで、突然、屋敷主が 「皆様、お食事の支度ができました。」と言ったとたんに 吸血鬼たちが ダンスで手を組んでいた相手の咽喉笛にガブリと食らいつく。実におもしろい。
アメリカ版ブラックユーモア健全 ということか。すっかりおもしろくて、リンカーンの活躍に感動すらしてしまった。吸血鬼を、東電にあてはめて見ることもできる。斧ひとつで退治してくれる 日本版リンカーンが居ないだけだ。
全47件中、41~47件目を表示