「孝行したい時に親はなし」幸せへのキセキ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
孝行したい時に親はなし
邦題の「キセキ」は=軌跡に掛けてあるんでしょうね。
ネタバレです、
予想とは違う映画でした。
これ、
シングルファーザーが、動物たちと賑やかにわちゃわちゃする、有りがちな『子連れのハッピーコメディ』なのかと思っていたので。
まだたった半年前に、妻を、そして母親を亡くした、残された家族の『悼み』のどん底の物語だったんですね。
いやー、参ったよ。
お父さんのマット・デイモンは、突如双肩にのしかかったシングルファーザーとしての責任の重さから、彼は始終わめき散らして息子に辛くあたり、
その息子はずっとうつむいて涙を流しているし。
(息子は動物園も、そこで張り切る父親のお節介も堪らなく嫌なのだ)。
幼い娘は と言えば、そんな父親に気をつかって健気に笑うが、その眼は悲しみに沈んでいて・・
暗中模索の苦悩の中で、
we bought a zoo =原題私たちは動物園を買ったのです。
気を紛らわせたいし、子どもたちにも悲しみから立ち直ってもらいたい ― そんな願いからの父親の突発的な買い物。
しゃしゃり出ないヨハスカとエル・ファニング。女優たちの出番は抑制されている。色気を出して彼女たちをメインには使わないことで⇒母親を失った遺族にしっかりとスポットライトが当たり続ける、優れた演出。
監督は何が主題なのか、見失うことはしない。
あと、
目立たないけれどマット・デイモンのお兄さんダンカンが、付かず離れずの反対・忠告・傾聴・寄り添いを見せていて、脇役としてはトップクラスの素晴らしい演技だったと思います。
そして
3人のグリーフ・ケアに、老衰して死が間近のトラが静かに寄り添う・・
「彼女の問いに返事をちゃんとしてきただろうか」
「20秒だけ勇気を出して恥を忍べば素晴らしいことが起こる」
・後悔先に立たず、と、
・孝行したい時に親(妻)はなし
の諺(ことわざ)が3人、特に反目していた息子と父親の間に温かい渦を巻くんだなぁ・・
「ママはあたしの心の中に、そしてパパの肩にいるの」。
子役にはやられた。
男の子の叫び「僕を助けてよ」と、あの悲しみの目、最後に見せる微笑みと。
男の子の子育ては難しい。
「僕を助けてよ」の叫びは父親の叫びでもあったのだよ。
みんなで叫んだ。悲しみを共有し合った。
そしてリトルドムでの奇跡。
きりんさん
初めまして
昨年に共感&コメントをくださっていたのですね。
先程、気が付いて・・・
大変失礼致しました。
ありがとうございます。
マットさんの出演作品は
ハードアクションものが多いですが
シングルファーザー役 印象的でした。
劇中のセリフは 印象に残りますね。
スカヨハちゃんやエルちゃんも
可愛かったです(#^.^#)
邦題の「キセキ」は=軌跡
なるほどと思いました。
ステキなレビューをありがとうございます。
勇気を出して好きな人に愛を伝えたい気持ちが湧いてきました。実話を元にしたストーリーでした。熊のバスター!!
息子さん、男の子の訴えかけるような瞳、妹の女の子の純真さ、音楽にも惹き込まれた映画でした。
きりんさん
初めまして(^^)/
共感&コメントをありがとうございました。
そうですよね、セリフも印象的で
スカヨハとエル・ファニングも綺麗でした。
子役の女の子の素直な可愛さも良かったですね。
マットさんもGood演技でございました。(#^.^#)
今晩は
私、この作品は結構前に映画館で観たのですが、好きなんですよ。
マット・デイモンもスカーレット・ヨハンソンも、動物好きの飼育員及び動物園経営者を抑制した演技で魅せているし。
今作の原作は読んだことはないのですが、薄ーいパンフレットは当時読み込みましたね。
何より、シガー・ロスを率いるヨンシーの世界一美しい声、メロディが今作の抑制した抒情性を引き出していました。
嵐の後、折れた樹を乗り越えて多くのお客さんが、動物園が開くのを待っていて、その後動物園に向かうシーンは今でも覚えています。
良い作品は、何時までも記憶に残りますね。
それを、思い出させてくれたきりんさんに、感謝です。
きりんさんへ
この映画、好きなんですよ。ラスト、実はボロ泣きしてしまいまして。Why Not って言うのは分かってたんですけどね。もう、ボロボロになってしまいましたw
Blu-rayの「特典」はとても良かった。
この映画の陰の主役であったヨンシー氏のサウンドトラックについて、その収録シーンと監督との長いインタビューがあげられている。
人間の心の深層の、複雑な痛みや祈り、そして暗さや希望を表す、これは見事なサウンドトラックだ。
僕は鑑賞半ばでこの音楽の特異性に気づいたが、やはりこのアーティストにしてこの映画あり。
監督が惚れ込んでいる様が、こちらとしても理解できる。
Blu-rayでの再鑑賞をオススメします。