「セクシー過ぎる13歳。ませすぎの7歳。」幸せへのキセキ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
セクシー過ぎる13歳。ませすぎの7歳。
8年前に見た、ハート温まる系の映画。マット・ディモンにスカーレット・ヨハンセン、ステファニー・ショスタク、未だ子供感のあるエル・ファニング。この映画のラストが好きで好きでたまらないので、感想文を書いておこうと思います。
物語は、はずみと勢いで動物園を買っちゃったコラムニストのシングルファーザーと二人の子供達と、動物園のスタッフ達が織りなす、動物園再興までのドタバタ劇。英国のコラムニスト、ベンジャミン・ミーの実体験に基づく「We bought a Zoo」が下書き。
妻を亡くし"突撃リポーター"としての生活に限界を感じていたベンジャミンは、人生を子供達と共にリスタートするため、田舎に家を買おうとしますが、その家とは、経営者が亡くなった後、閉鎖状態にあった動物園なのでした!から始まる、家族再生の物語り。
ベンジャミンは子供達を連れて街に出かけます。訪れたのは、妻のキャサリンと初めて出会ったレストラン。子供達を連れて中へ入るベンジャミンは、明るい陽の差す席が並ぶ窓際の一角で足を止め、ディランとロージーに言います。
「ここが、お前たちの物語りの始まろうとした場所さ」。
何かを思いついたベンジャミンは店の外に走り出て、大きなガラス越しに店内の子供達に大声で話しかける。
「パパがここを歩いていて…立ち止まった。そこに、その席に、今までの人生で一番の美女をみつけたから。話しかけたかったけど、いきなり見ず知らずの男から声を掛けられても相手にされないと思った。そこで20秒だけ勇気を出すことにした」。
ベンジャミンの口癖に微笑む子供達。
「店の中に入ったら怖気付いたよ。でも、まだ15秒ある」
キャサリンが座っていた席をドキマギしながら見つめるベンジャミン。子供達の方へ視線を向け、もう一度、席に向き直ると、そこには微笑むキャサリンがいた。
子供達にも亡くなった母親の姿が見えています。
「ママだ」。つぶやくディラン。
「ハーイ、ママ」。小さく声を掛けるロージー。
勇気をだしたベンジャミンの言葉は、強がりの逆説。
Why would an amazing woman like you even talk to someone like me?
「なぜ君みたいな素晴らしい女性が、俺なんかと話そうとしてるんだい?」
Why not?
「どうしてダメなの?」
「20秒の勇気」と「Why Not?」は父ベンジャミンが何かと言えば子供達に掛ける言葉。この口癖は、家族の物語りの始まりとなるものだったのよ、でお終い。
このラストは、未だにサイコーに好き!
動物園再建を宣言するベンジャミン。倒木でせき止められていた街の人達の姿を見つけたディラン。辛口の監査監が認可してくれた場面。などなど。何故か印象に残る映画で、ちょっとポッチャリなエル・ファニングと、らしさ全開のヨハンセンの姿も記憶に残る佳作でした。