「私の時間を無駄にするな」TIME タイム ぽめらにあんさんの映画レビュー(感想・評価)
私の時間を無駄にするな
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貧困層の主人公は、ひょんなことから富裕層の男をギャングたちから助け、彼が持つ膨大な時間の寿命を授けられる。
富裕層の男が主人公に残した遺言が「わたしの時間を無駄にするな」
映画を見終わった今、そのメッセージは観客へ向けたメッセージであったと分かる。
いわゆるSF・B級映画なのでツッコミどころが盛りだくさんである。しかし、B級映画はそのツッコミどころが逆に観客を楽しませてくれる、あるいは物語のつじつまの合わない加減を迫力のアクション映像という力技でねじ伏せるなどどこかしら「誉める点」があるはずだ。しかし…この映画にはそれがない。
膨大な時間(財産)を手にした主人公の敵は時間を搾取する体制をつくった富裕層ですが、富裕層は「リスクを負わなければ何百年とある寿命を全うできるため、リスクは拾わない、走りもしない」ため、緊迫感はない。
そして一番の問題は「人から人への時間の受け渡し方・取り方」。右腕を重ねて、それが上になれば相手の時間を吸い、下になれば相手に時間を与える、というもの。
クライマックス、主人公と彼を痛めつける敵とが雌雄を決する対決は…まさかの腕相撲(もどき)…。これでは盛り上がることはあるまい。
おそらくこの映画の設定なら、低予算でも藤子不二雄先生の方がよっぽど上手に料理できたのではないだろうか。
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