劇場公開日 2015年8月1日

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「倒す気あるの?」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0倒す気あるの?

2015年8月1日
iPhoneアプリから投稿

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を鑑賞。
大人気同名漫画の実写版である。
監督は「ローレライ」や「日本沈没」の樋口真嗣。

100年以上前に突如現れた巨人に人類の大半が喰われ、文明は崩壊。それ以降人類は3重の巨大な防壁を立て、その中で平和に暮らしていた。
エレン(三浦春馬)はそんな巨人に怯えながらの平穏な生活に嫌気が差し、壁の外に出てみようと画策する。
そんな時、超巨大な巨人が現れ外壁の一部を破壊。そこから無数の巨人が侵入。人々は無残にも喰われ、断末魔の叫び声が響きわたる。
それから2年、巨人を退治すべく調査隊を結成。
エレンも志願し、仲間のアルミン(本郷奏多)と共に巨人に立ち向かう。

さて、前置きが長くなったが、私は原作漫画を読んでいない。かなりのヒット作品との事なので私のように未読なのは少数派かも知れないが、原作とはかなり異なると聞いていた為、敢えて原作は読まずに鑑賞してみる事にした。

何と言うか、ツッコミどころが多過ぎる。
そもそも100年以上出現しなかった巨人が何のキッカケもなしに現れる事自体不自然だし、巨人に対抗していくにしても危機感が全く感じられないのはどういう事か。いきなり巨人が現れ、今まで隣にいた人間が喰われていく。そんな精神的にも耐えられないであろう局面にも関わらずどこかヒトゴトなのか余裕が感じられるのだ。とある夫婦など夜の営みを始めてしまう始末。死の恐怖に直面したら私なら役には立つまい。

そもそもこの手の作品では観客に恐怖が伝わらなければ、その後の展開にも決して説得力が生まれない。
巨人も夜には眠るのだそうだが、それなら寝込みを襲うのが定石。巨人を倒すにしても作戦らしいのものなく、創意工夫が全く感じられないので、本当に倒す気があるのかと問いたくなる。

今作は前後編の前編なので物語は途中で終了。
作品の出来に関しては最終的な判断は出来ない。
後編では巻き返してくれるのであろうが前編がこれでは心配は尽きない。

確かに良い所で終わるので続きは気にはなるのだが。

えのきち