「素晴らしいアンサンブル(・∀・)イイネ!!」鍵泥棒のメソッド 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしいアンサンブル(・∀・)イイネ!!
「メソッド」とは、役柄の内面に注目して、感情を追体験することを目指して、よりリアルに演技をすることを目的とするメソッド演技法こと「スタニスラフスキー理論」のことなんだけど・・・
堺雅人と香川照之が入れ替わって、それぞれの人生を追体験する様はまさに「メソッド」(・∀・)イイ!!
35才の売れない役者桜井は、自殺をしようとしても失敗してしまい、仕方なくなけなしの金で銭湯に行く。
そこで殺し屋(と思われたが実は便利屋)のコンドウが石鹸に足を滑らせて頭を打って記憶をなくす。
その倒れてる近藤のロッカーの鍵を自分のと入れ換えてコンドウに成りすます。
コンドウも記憶をなくして桜井の家に行き、自分は35才で役者を目指してて・・・と、完全に2人の人生が入れ替わる。
そして1ヶ月以内に結婚相手を作って1ヶ月の交際を経て結婚しようと考えて「突然ですが、私結婚します!!」と堂々と宣言する編集長の香苗がたまたま父親の見舞いに来てた病院で記憶を亡くした近藤と知り合って・・・
香苗はバイトを募集する時に「健康で努力家ならOK」という条件を出すが、つまりこれは本人の好みのタイプの性格ってことね(゚∀゚)アヒャ
何もかも予定通りに行動する香苗と、非常に几帳面で何でもメモを取るコンドウは徐々に接近し、コンドウの身の回りの世話を甲斐甲斐しくする香苗は「結婚してください」と切り出す。
広末この役で全く笑顔を見せないのもまた緊張感があって(・∀・)イイ!!
何より常に予定通りに動く「無機的」「機械的」な性格が良く表現できてる。
人生が入れ替わった桜井は、金も車も家も手に入れるが何もかもうまくいかない。
一方のコンドウは売れない役者の生活を送っていても、彼女もできるし仕事も舞い込んでくるし・・・
この「努力家」っていう言葉の重さ、この2人の対照的な姿を観ると本当に良く分かるな~(*´・д・)*´。_。)ゥミュ
香苗が1ヵ月後に結婚すると宣言したのは、余命いくばくもない父親に自分の晴れ姿化を見せたいという一心から。・゚・(ノД`)・゚・。
あえなく父親は亡くなってしまい、葬儀に参列したコンドウは父親の大好きだったベートーヴェンの弦奏四重楽奏を聞いてるうちに記憶が戻る。
それは自分にとっても思い入れがある曲だった(・∀・)
そこから話は怒涛の展開に移り、最後桜井が自分の身を助けるのは自分が努力して身に付けた「メソッド」という何とも見事な落ち( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
冒頭でコンドウこと山崎は誰かを射殺したと思わせて、実は殺したふりをして逃がしていたわけね。
社長の女を演じた森口瑤子もイイネ♪d('∀'o)
いかにも社長の情婦という佇まいがあるし、水商売っぽいプロの女性の色気が感じられるし(゚∀゚)アヒャ
子供のおもちゃやギター、絵が金になるという香苗の見立ててそれを盗ませて、警察に空き巣が入ってますと電話ヽ( ´ー`)ノ
つまり「努力して身に付けた演技力」が本物となって身を助けた。
何でもそうだけど「努力」ってのは大事なんだな~と改めて思い知らされました(;・∀・)
伏線回収も見事だし、人間模様の描き方もキャスティングも大変素晴らしいワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
堺雅人の「いい年だけど若作り」という衣装と佇まい、そして挙動不審なところはほんとにリアル。
香川照之も持ち前のハイテンション演技を抑えて、ここぞと言う時にそのお得意の暑苦しい演技を見せるのもまた(・∀・)イイ!!
桜井の下の階に住んでる猫好きな女を、エンドロール直前の大落ちに持ってくるか~~~~Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
感心しまくりです(・∀・)イイネ!!
とにかく無駄なシーンや話は一切なく、役者もそれぞれの持ち味を生かしながら見事なアンサンブル(∩´∀`)∩ワーイ
そして「努力しないと報われない」というきつい教訓もある(;´Д`)
お勧めですよ(゚д゚)イーヨイイヨー