「警察が来たら逃げる!」コーマン帝国 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
警察が来たら逃げる!
低予算、速撮り、基本は1テイク!100万ドル以上の映画なんて意味がないという主張ものもと、赤字になった映画はたった1本だけという、アメリカB級映画を語るには欠かせない存在のロジャー・コーマン。彼の素顔、神髄に迫る貴重なドキュメンタリー映画。
とにかく彼のもとから巣立っていった監督、俳優は有名人ばかり。ロン・ハワード、マーティンスコセッシ、ポール・W・S・アンダーソン、ジョー・ダンテ、ジョナサン・デミ、ジャック・ニコルソン、ピーター・フォンダ、ロバート・デ・ニーロ等々、数えきれないくらいコーマン学校から巣立っていったのだ。
常に観客のことを考え、何が売れるかまで考えていた。また、多い年では10本もの映画を世に送り出す。そんな彼の根底には反体制の思想がある。何かに抵抗しなければ観客は喜ばないのだと・・・。
そんな売れっ子であるはずの彼が唯一赤字を出した「Intruder」。60年代初期に南部に行って撮影し、黒人差別の問題を訴えた作品なのだが、公民権運動の前でもあるし、社会派映画としては時が熟していなかったのだ。
アカデミー賞功労賞を受賞するシーン、ジャック・ニコルソンンの男泣きのシーンを見てしまったら、泣けるドキュメンタリーとしても印象に残る作品となった。
コメントする