「中味薄っ」マレフィセント ミントユさんの映画レビュー(感想・評価)
中味薄っ
どうも共感できなかった。
「真実の愛」がこの映画のテーマなら、マレフィセントには私憤を自ら封じる成長が欲しかったから。
それは例えば、マレフィセントとオーロラ姫の父親との確執。
彼は憎しみの対象でも愛おしいオーロラの父親。
王様としても父親としても失格の男と戦って、自分を護ろうとしたら相手が死んでしまったのだから仕方ない、というのではあまりに単純。前半での感情から何の進歩もない。
そうなったことへの悔恨も反省も一切なく、次のシーンでは絶対的ハッピーエンドへ。しかも自分の国で。一体人間界ではそれが本当にハッピーエンドなのかは描かれずに、どうも独りよがりな世界統一。
そしてオーロラよ。父親を殺したマレフィセントをそんなに一点の曇りもない笑顔で迎えるのか。
自分の父親の道を狂わせたと女と誤解して心を閉ざすならまだ共感できた。
マレフィセントと知り合ったばかりに欲望に目が眩み、道を誤り怯えながら生き続け死んでいった、惨めで孤独な父親への愛は?憐れみは?
人の心には相反する感情が同居する。
一度でも愛した者に裏切られた時の憎しみと未練。
一度も愛された経験はないのに血が繋がっていること故の怨みと憧憬。
真実の愛は負の感情を超越した先にあるのでは?
そんな起伏がマレフィセントとオーロラにもっと描かれればもう少し深いお話になったろうに残念。
星はマレフィセントの怖っ!ていう特殊メイクに。ホンモノの頬骨かと思ったよ。霧立つ森で姿を現した時の立ちのぼるオーラは見事でした。
すみません、とても興味深いレビューをされていたので、思わずコメントしたくなってしまいました(>_<)
私とはこの映画に対する印象が真逆だったので、、、
確かにミントユさんのおっしゃっている意見を見ましたら、オーロラ姫の実の父親を殺すのはどうかとも考えられましたが、映画の途中であの王様は、長年育児を妖精たちに任せっきりにし、それでもせっかく自分に会いに来た実の娘に対し、愛情を向けるどころか彼女を部屋に閉じ込めてしまいましたよね?
それで、オーロラ姫はとても深く傷ついたと思うのですが。。(>_<)
そんな実の父親よりも、自分の本当の母親ではないにしろ、いつも自分を見守ってくれたマレフィセントの方に愛情を感じるのは当然かなと思いました。
なおかつ自分を実の娘のように可愛がってくれた、マレフィセントの大事な翼を奪った父親の傲慢かつ短絡的な犯行にも、きっと憤りを感じたはずです。
もし自分がオーロラ姫の立場だったら、そんな意味の分からない父親なら逆にいらないかもって思うかなと思いました。
もちろん世の中に素晴らしい父親はたくさん居ると思いますし、そうであってほしいと思いますが、佐世保の事件のように、15歳の実の娘を自らの再婚の為に自分の戸籍から抜いてしまうような気の狂った父親というのも実際にいますので、やはりそこは母親の愛情というのが一番子供にとって大事になってくるのではないかなと思いました。
クサい話ですが、私は同じ女性として、マレフィセントの強さと美しさ、そして母性にとても感動しました。
かつてはお互い愛し合っていたにも関わらず、自らの欲望によって、その愛を裏切った最低最悪な男。
私だったら何が何でもそんな男は絶対に許しません。
ですが、そんな男の子供でも、やっぱり子供は子供。
オーロラ姫には何の罪もありません。
そういった過去の愛憎を抜きにしても、オーロラ姫を可愛がったマレフィセントは、非常に女性として、母として、魅力的で暖かい人だと思いました。
う〜ん、一つの映画をとっても、感想というのは皆さん千差万別なので、すごく興味深くて、おもしろいですね(^^)
それこそみんな違ってみんないい。といったところでしょうか。
長々とすみません。。σ(^_^;)