劇場公開日 2014年7月5日

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「真実の愛を求めて」マレフィセント 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真実の愛を求めて

2014年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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ディズニーアニメーション「眠れる森の美女」をベースにして、アンジェリーナ・ジョリー主演で実写リメイクした本作品は、我々が知っている物語とは一味も二味も違う。
オリジナルでも史上最強の悪役と言われる邪悪な妖精マレフィセントの視点で描かれる本作品のテーマは「真実の愛」。
平和な王国で純粋で心優しい妖精だったマレフィセントが人間の男性と恋をし、そこに「真実の愛」があると信じていたのに手酷く裏切られ、そのことに端を発した愛憎劇が、ダーク・ファンタジーを織り交ぜながらドラマチックに展開していく。
この天国から地獄に突き落とされた妖精を、アンジェリーナ・ジョリーが感情豊かに表現していく。
彼女を裏切り傷付けた男は、その功により隣国の王になるのだが、彼女はその男に対して復讐する為、彼の生まれたばかりの娘に呪いを掛ける。
このリメイク版がオリジナルと際立って違うのは、ここからの展開。
呪いを掛けた加害者であるマレフィセント、その被害者であるオーロラ姫との不思議な関係。
この関係性の進展と変化こそが、この作品の「肝」だと思う。
その場がパッと明るくなるような天真爛漫な美少女オーロラ姫をエル・ファニングが魅力一杯に演じている。
この作品の魅力の大半は、タイプの違うこの二人の美人女優、アンジェリーナ・ジョリーとエル・ファニングの演技のハーモニーにある。
そして「アバター」、「アリス・イン・ワンダーランド」、「オズはじまりの戦い」のプロダクション・デザイナーだったロバート・ストロング監督が作り出す本作品の世界観は、これらの作品同様、ファンタジーロマン溢れるものとなっている。
アンジェリーナ・ジョリーは女優業を控えて、監督業に力を入れたいとのことだが、素敵な作品にはどんどん出て、我々にその魅力を披露して欲しい!

玉川上水の亀