「アンジー=マレフィセント以外の扱いが雑すぎる。」マレフィセント hartzaさんの映画レビュー(感想・評価)
アンジー=マレフィセント以外の扱いが雑すぎる。
私はアンジェリーナ・ジョリーが結構好きですが、この映画はダメでした。
全ての登場人物がマレフィセント=アンジーをよく見せるために出てきてる。
ステファン王は卑怯ものの矮小な悪。しかも分不相応な野心と身分に自分を見失ってる小物の悪役。なーんの内面も描かれない。アンジー=マレフィセントがあんななるほどの人物に見えない。
オーロラ姫はお人形さん。物語を動かす駒でしかない。呪いのパワーに導かれ、ふらふら~って歩いて針に刺されに地下室に行っちゃうし、 初めてあった若い男にすぐ媚びてるし、離れてて記憶にないとはいえ父親があんな奴だけど死んでるのにニコニコ。
3妖精は馬鹿。王子は単なる通りがかり。
マレフィセントの家来のカラスだけはいいけど。
王妃が気の毒過ぎる。
存在を微塵も思い出してもらえてないし、
旦那は元カノに猛烈に執着していて、死の間際でさえ自分の中の元カノと脳内会話してて、駆けつけてくれない。
旦那と元カノの揉め事に巻き込まれて、産まれたばかりの娘は取り上げられて、離ればなれ。その子は自分のこと覚えてもいない。
しかもその娘は旦那の元カノと真実の愛という絆で結ばれるって悪夢。
ステファンがマレフィセントと真実の愛のキスした後、人間の業に堕ちていくのをナレーションが一文で説明したり、マレフィセント以外が雑に扱われすぎ。
英雄と邪悪、どちらも持つものが世界を救ったとナレーションが最後にいうけど、物語的には勧善懲悪だし。
あと、いくらなんでも、マレフィセントがオーロラ姫の世話焼いたり、愛情を感じだすのも早すぎる。恨み・嫉妬と愛情の葛藤の描写はそこそこに母性全快に。
そら赤ちゃんはかわいいけど、その程度の思いなら最初から罪のない赤ん坊に呪いかけんなよ。(そういう意味ではマレフィセントも大活躍はするけど、平板なツンデレキャラとも言える。)
アンジーが自分の子供たちに、自分主演のディズニー映画を見せたくて作られた映画って感じ。
血の繋がりや運命の出会いじゃなくて、日々の一見とるにならない日常の営みが真実の愛や絆を作っていくってことなんだろうけど、養子を多く育てているアンジーのパーソナルな情報が頭をかすめる。
3Dで正解だったと思います。飛び出てくるというより奥行きが感じられたと思います。飛行や戦闘のシーンはダイナミックで圧巻だし、妖精の国は美しさを存分に感じられました。
世界観をきちんと作り上げているし、笑える場面もあり、退屈ではありませんが、嫌いです。