「傷は治らない」アイアンマン3 saitofjさんの映画レビュー(感想・評価)
傷は治らない
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スタッフロールが始まった第一印象は、何か物足りない。
ストーリーもアクションも十分だが。
今回のアイアンマンは、ぶっちゃけかっこ悪く弱い。
トニーの相棒は、まだまだ生まれたての”息子”。
序盤の激戦で、既にぼろぼろの状態になる。
終始ごまかしごまかし動かす。
”大軍”達も敵の戦闘員に、ボロボロ壊される。
トニーもボロボロ脱ぎ換えて、ボロボロ壊される。
もちろん過去のスーツも圧倒的な強さでは無かったが
圧倒的なケレン味があった。
カンコンガンコン音を立て、ドヤ顔でポーズを決める。
私達は、そのポーズに満足する。
近作のアイアンマンは顔が無い。
スーツの顔は映し出されるのだが、それはトニーのドヤ顔ではない。
あくまでもスーツのお面として描かれている。
トニーの顔は、トニーのまま描かれる。
序盤の激戦で負った傷は、最後まで癒えることなく、
生身のトニーの顔に刻まれたまま。
今作では、さらにその傷を増やしていく。
ヒーローのお約束の復活劇も用意されているが
その舞台は、スーツではなくホームセンターである。
スタッフロール後、その理由がトニーの一言に集約されていることを知る。
ヒーローの幕引きとしては王道かつケレン味たっぷりであったため
それが分かっただけで、安易な自分には凄く満足出来てしまった。
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