「監督交代がすべて。」アイアンマン3 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
監督交代がすべて。
初日の一発目に見ました。前2作の大大大ファンですが、今作にはがっかりしました。監督が代わったからなのか、ブラックユーモアたっぷりのスターク節が少なかった事でスタークの良さが半減。アベンジャーズの戦いがフラッシュバックしたりとスターク自身が葛藤している様子でしたが、何に悩んでるのかわかりづらかったです。アベンジャーズメンバーが登場しないのも何となく説明が不足しているように感じました。せめてシールド長官だけでも登場させ、軽い説明と繋がりを加えた方が良かったのでは?スタークの大ピンチにシールドが1人も顔を出さないのはおかしい!
良かったと思うのはベンキングスレーの存在感というか、悪のオーラ。さすがはアカデミー賞俳優だと思いましたが、実はただの替え玉というか下っ端だったので、変に観客の期待を煽っただけでベンキングスレーじゃなくてもイイじゃん!って思いました。
あと、前2作の良さは敵の"リアル感"や"こんなヤツ居そう感"ではないでしょうか。しかしガイピアース演じる今作の敵の力は漫画的に飛躍していて、ただの化け物映画みたいになってしまったのが残念です。尤も、技術対技術という構図では前2作と変わらないのですが。
悪いところばかりじゃなかったですよ。スタークに吸い付いてくる新型スーツはかっこ良かったし、エンドロール後の旧友との打ち上げシーンもありましたし、ファンにとっては嬉しい限りでした。30体くらいのスーツを呼び寄せて戦う最終戦は迫力もスピード感も最高でした。ただし、ペッパーが高い所から火の海に落ちたにも関わらずスタークは意外と打ちひしがれていないように見えた。積もり積もった怒りや憤りを爆発させてスターク大暴れ、ってので良かったのでは?
公開前は悪役キングスレーの名が一人歩きしていた感が少なからずあったとはいえ、「さらばアイアンマン」の謳い文句もあながち間違いなかったですよね。アベンジャーズ2の制作が決まってるので復活するのでしょうが、スターク邸跡地からジャービスを回収するシーンでそれを匂わせているのは旨いなと思いました。
結局盛大に打ち上げたアベンジャーズのあとですから夏季オリンピックのあとに神奈川県大会を見るような感覚でした。マーベル好きの方にはオススメですが、前回アベンジャーズで一旦リセットし、アイアンマン3からソー2、キャプテン2、アベンジャーズ2という流れを第2章とする楽しみ方がいいのではないでしょうか。