「トニー・スタークは帰ってくる」アイアンマン3 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
トニー・スタークは帰ってくる
一番最初に予告を観た時「えっ?うそっ暗っ」てなったんですよ。何だかダークな雰囲気纏い過ぎてて。
俺らがアイアンマンに求めてるノリってダークさシリアスさじゃなくてオフビートな感覚だったりする訳じゃないですか(俺らって括っちゃいましたけども)。
「嗚呼~楽しみっちゃ楽しみだけどこの暗さで行かれると正直キツいな~」と思いつつ映画館に足を運びましたが。ましたが。
何という予告詐欺!俺らのアイアンマン健在!
相変わらずの軽口叩き!ふざけた態度!だけど超の付く天才!やっぱ俺らのトニー・スタークだぜ!いぇあ!
ですた。安心してくださいね。
で今回のアイアンマン、あれですかね。
1、2と大きく違うのは今回は完全独立志向を目指したなって感じでしょうか。
余りにも今までがシールド、ニック・フューリー、コールソン、アベンジャーズ、てキーワードが出過ぎてアイアンマン単体というより、アベンジャーズに向けたプロジェクト方面での動きが強かったですからね。作品自体がね。
2なんか特にそれが顕著で、アベンジャーズメンバーのブラックウィドウの活躍の方がトニーより大きかったし。
アベンジャーズを経てからの3で、一旦プロジェクトも落ち着いたし、多分今作はアベンジャーズ絡みを封じてもいいだろって方針だったんじゃないかと。
これは正解だったかもしれんです。
勿論、彼らの存在を“無かった事”には出来ないから、その手の話題やキーワードは出てくる。でも出されるとスタークは過剰に嫌悪するし「あのアベンジャーズの一件がトラウマになってる」って設定を付けたのは秀逸。メンバー不在も納得というかね(出てはもらいたかったけど)。
これでやっとアイアンマン単体での純粋な活躍が楽しめるというか、スターク・インダストリーズ周囲に物語が向けられるというか。
うん、3で初めて純度の高いアイアンマンワールドを堪能できましたね。
トニー・スターク個人の葛藤に初めて真正面から眼差しが向けられてるというか。
俺のスーツがアイアンマンじゃない。俺こそがアイアンマンだ、という。
納得の3部作。
さよなら、アイアンマン。
PS.エンドロール後のおまけが冒頭と繋がってるのが秀逸でしたw