「『アイアンマン』シリーズ完結! DIYでテロリストをやっつけろ!」アイアンマン3 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
『アイアンマン』シリーズ完結! DIYでテロリストをやっつけろ!
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第7作にして、大富豪トニー・スタークの活躍を描く『アイアンマン』シリーズの第3作。
マンダリンという男に率いられているテロ組織”テン・リングス”。活発に行動する彼らの背後には、トニー・スタークに恨みを持つ、ある人物の影があった…。
○キャスト
トニー・スターク/アイアンマン…ロバート・ダウニー・Jr。
ペッパー・ポッツ…グウィネス・パルトロー。
ローディ・ローズ/アイアン・パトリオット…ドン・チードル。
ハッピー・ホーガン…ジョン・ファブロー(兼製作総指揮)。
J.A.R.V.I.S.(声)…ポール・ベタニー。
ブルース・バナー/ハルク…マーク・ラファロ。
新たなキャストとして、政府公認のシンクタンク「A.I.M.」の創設者、アルドリッチ・キリアンを演じるのは『メメント』『英国王のスピーチ』の、名優ガイ・ピアース。
製作はケヴィン・ファイギ。
製作総指揮はスタン・リー。
監督がジョン・ファブローからシェーン・ブラックに交代。それもあってか、前2作とは作品のカラーが違う。
アイアンマンというヒーローを描くというよりは、「トニー・スターク」という個人を強く描き出そうとしている。
今作では『アベンジャーズ』(2012)でキャップに突っ込まれていた「スーツを脱いだ状態のトニーはヒーローじゃないタダのオッさん」という点を深く追究している。
これには今後もまだまだ続く『アベンジャーズ』シリーズのために、トニーというキャラクターをここらで再定義しておこうという意志を感じた。
お話としてははっきり言って無茶苦茶。細かいツッコミポイントは腐るほどある。
特にクライマックス、ダイジェストのような形でトニーの心臓の破片を取り除いたところは、流石にマジかと思った。簡単に取れるんだそれ💦
アイアンマンのスーツを全て爆破するのも、新しい自分へと生まれ変わるための儀式のようなものなのだと解釈は出来るたのだが、「いやいや、新たなる脅威が襲ってきたときのために取っておいた方がいいんじゃないのそれ?」とか思っちゃった。
ペッパーの件とか本当にマジか!?と思った。「飛び降りろ!必ず手を掴んでやる!」という展開はお約束として定番ですが、まさかその手を掴めないという裏切りをしてくるとは…。
この後、めちゃくちゃ強くなったペッパーが無双し始めた時には、思わず吹き出してしまった。
この先ペッパーは超人という設定でいくのかなとおもきや、特に描写もなく彼女の治療に成功したという展開にはずっこけ。この辺り、ギャグなのか本気なのか全然わからんっ!
話の筋は無茶苦茶です。しかしこの映画には脳裏に焼き付くような印象的なシーンが数多く存在しています。
スーパーヒーロー映画で最も大切なことは、やはりヒーローがヒーローらしく活躍するアクションシーン!
その点で言うと、あの飛行機からのスカイダイビングシーンは本当に素晴らしかった!
こういうダイレクトな人命救助シーンがあると、ヒーロー映画を観ているという感じがして盛り上がる!!
最終決戦でのアイアンマンスーツ大集合も絵面のインパクトがすごい!王道な演出ってやっぱり大事だなぁと思いました。
過去2作に比べコメディ要素の増えた今作ですが、ギャグの切れ味は素晴らしかったと思います。何気ないやりとりにクスッとさせられるところも多かった。
ラスボスかと思われたマンダリンがまさかあんな奴だとは!あの裏切りは意外だったなー。
原作を完全に無視しているので人によっては怒っちゃうかもしれないけど、自分としてはこういうバカバカしさは大好きです❤️
物語の整合性より迫力ある映像やアクションの面白さを重視しているところに80〜90'sのアクション映画スピリットを感じた。
本作の監督/脚本を務めたシェーン・ブラックは『リーサル・ウェポン』(1987)や『ラスト・アクション・ヒーロー』(1993)の脚本を書いていた人。しかも本人は『プレデター』に出演しているという、まさに80〜90'sアクションの申し子。彼が作るんだったらそりゃこういう映画になるわな。
一時期は勢いを失っていたバカっぽいアクション映画が、ヒーロー映画という皮を被って巨大資本で作られる。こういうの、なかなか感慨深いものがありますねぇ。
とにかく本作はギャグが楽しい!アクションが楽しい!キャラが楽しい!という三拍子揃った楽しい映画。
トニーがDIY精神全開でテロリストに闘いを挑む姿には、往年のアクション映画ファンの心も熱く燃えることでしょう!🔥