「オズが小津に。」オズ はじまりの戦い ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
オズが小津に。
へ?今度はS・ライミが小津(変換されちゃう)オズを撮るの!?って
けっこう驚いたのは少し前、実際に観てみると、スパイダーマンで、
あれだけ楽しませてくれた監督なんだな~とさすがに実感できる。
何でも監督が原版の大ファンだったそうで、なるほど、冒頭のシーン
(モノクロ小→カラー大)など、ほぼ同じ観せ方をしてましたねぇ。
かの名女優J・ガーランドの出世作は、これが1939年?とは思えない
出色の出来で、けっこう面白い。今作の前後に、ぜひどーぞ。
さて今回は小津(じゃない)オズが、偉大なる魔法使いと呼ばれるまで
のペテン劇(オイ!)ともいえるコメディ&ファンタジーになっていて、
随所に笑いが散りばめてあるものの、感動させるところはしっかりと。
さすがライミ先生、抜かりがないですねぇ。
ただ幾分ダークな味付けも忘れていない監督(本来はホラーなんだし)、
魔女の化け具合(可哀想なM・クニス^^;)なんか、お見事に気持ち悪い。
しかしあの、爪で黒板引っ掻いた時に出るあの音!いやですねぇぇぇ。
あそこで子供が喜ぶか嫌がるか(皆不快だと思うけど)、といいながら
今作はあまり子供向けではないかもしれないなぁー。
J・フランコ、もう楽しくて仕方ありません!って感じの演じっぷり。
女たらしですぐ金に目がくらむお調子者、でもどこか憎めない、
愛橋たっぷりの奇術師を飄々と演じている。しかし魔法の国に迷い込み
勘違いされてついに本領を発揮する!っていう話、やたら多いのよね。
こういう主人公に限って、本来単純でいいヤツだったりするのもおんなじ。
前半はけっこうダラダラとしてるなぁ~と思った展開も、後半の対決は
かなりの面白さ!あの仕掛けなんて、映画好きには堪らないわぁー。
でもあれで魔女を騙せるんなら、西と東は頭悪いってことにならない?
どう見ても南の魔女グリンダはお姫様顔だもんね~。M・ウィリアムズ。
役得?かどうかは分かりませんが、皆さんお綺麗でした、魔女連合の。
だけどそんな皆さんを差し置いて、一気にヒロインの座を奪っちゃうのは、
なんといっても陶器の少女、でしょうかねぇ。愛らしいうえに表情豊か。
これが現実の世界では、車いすに乗った少女だったことは明らか。
あの時魔法で治してあげられなかったオズが、接着剤で繋いであげる
ところなんか、良かったですねぇ。やはりこういうところがないとね~。
まぁそんなこんなの楽しいファンタジー(私は2Dで観ましたけど)は、
内容的には普通なんだけど、映像とその魅せ方が巧かった気がします。
これで興行がよければ続編が作られて、今度はドロシーが出るのかしら。
(原版のドロシー役もいろいろあってガーランドに。またモメたりしてね^^;)