「見事な邦題。」崖っぷちの男 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
見事な邦題。
久しぶりに、なんて巧い邦題だろうと感心してしまったv
今時崖っぷちに立つのは二時間サスペンスの犯人くらいだと
思ってたので、とっても嬉しい配慮(爆)
正確には崖じゃないけど^^;ホテルの窓の縁棚に乗っかって、
ずーっと演技してるんだもんなぁ!ワーシントンってば。
しかしどうして最近、高所恐怖症を泣かせる高層系が多いの?
かくいうワーシントンもかなりの恐怖症だったらしく…。
しかもまさかあんな高いところに高額保険のかかった俳優を
立たせるわけないよなぁ~と思ってたら、立たせてたんだと!
本当にルーズベルトホテルの縁棚に降りて、撮影したのだ。
マジ!?すっごい勇気…というか仕事とはいえ、それにしても
あんなところに何時間も立っていれば、目が慣れてくる…って?
いやいや、ワーシントン、私ゃ~ダメですわ。観ても慣れない。
…というわけで、
物語の緊迫感以上に、高所の恐ろしさが突き抜けて^^;まぁ~
怖いこと、怖いこと。おかげで最後まで飽きませんでしたが。
そもそも自殺なんてする顔してないよ(ゴメン)ワーシントン。
タイタンの時と同じようなチョイ伸びクルクル頭でスーツ着て、
何やらやらかそうというのがすでに冒頭から全身に出ている。
縁棚に立ってからは、交渉人のE・バンクスと掛け合いが続き、
そこで彼の素性と目的が徐々に明らかになっていくが…。
アイデアは面白い。その後の展開も(手放しで褒められないけど)
凝ってるし変わっている。登場人物の少なさや、レパートリーの
足りないところを発想の転換で巧みにかわしているのが分かる。
物語的に込み入った話ではないため、ネタがバレてからは長い。
弟のJ・ベルとその彼女が侵入してからは、もうほとんどが運任せ。
思えばワーシントンを主人公に据えたあたりからもう…(ゴメンね)
緻密な頭脳映画じゃないよね?というのが分かる(でも一年か~)
しかし最近の泥棒モノはやたらハイテク尽くしで現場には行かない
とか、観ていて全然面白くないもんだから、今作は結構楽しめた。
ドジを踏んだり、ミスを犯したり、そうこうしながらしまいには…
エ、そうしちゃうの!?と、アナログな肉体思考派らしく〆る彼。
E・ハリスは歳とったなぁ~。でも楽しそうに今回も演じている。
こいつ頭良さそうで結構バカだよな、なんて思わせる愛橋もあり。
私的にいちばん気に入ったのは死んだ「お父ちゃん」なんだけど^^;
それが誰だったのか、まったく気の利いたラストの大団円なのだ。
観終えてもう一度、冒頭部分から確かめたくなった。
縁棚に立ったのは二名だけど、思えば全員崖っぷちだったのよね。
ホント巧いわ、このタイトル。
(J・ベル、ずいぶん顔が変わったよなぁ。色白なのは変わらないけど)