J・エドガーのレビュー・感想・評価
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情報は力 〜 僕を ”エドガー” と母はそう呼ぶ
8代ものアメリカ大統領に仕えた初代FBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーをレオナルド・ディカプリオが演じる。青年期から亡くなる迄の風貌の変化も見どころか。ディカプリオは感情表現が巧い。
J・エドガーの右腕クライド・トルソンをアーミー・ハマーが演じる。立ち居振る舞いのスマートなクライドに目を留める J・エドガー。二人の関係性が時々で変化していく様をリアルに描く。
時に厳しく諭す母親アニーをジュディ・デンチが、生涯秘書として支えたヘレン・ガンディをナオミ・ワッツが演じる。
アダム・ドライバーが給油所スタッフとして出演。エンドロールでCAST96名が連なる名前の79番目の記載でした。
自身の半生が映画で赤裸々に描かれるとは夢にも思ってもいなかったでしょう。
ー 教養と健康な身体、そして何よりも忠誠心だ
ー 機密ファイル
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕)
作品としては良かった
レオナルドディカプリオ扮する司法省に勤めるジョンエドガーフーバーは過激派共産主義者と闘っていた。
母親役にはジュディデンチ、秘書役にはナオミワッツとお気に入り揃いだ。監督はクリントイーストウッドなのに画面が暗めだったね。
ジョンはFBI長官として護るために盗聴を行ったが司法省長官からは疎ましがられたんだけど、時間軸が行ったり来たりでちょっとややこしかったな。でも責務を全うするために権限を拡大させて批判を浴びていた事もあったんだね。作品としては良かったが、人間性には色々あった事が示されていたな。
ディカプリオの老け顔が、リアル
後20年もしたらおそらくあんな顔になるのかな?その時に見比べたいものだ。
FBI初代長官の半生。どのあたりまでが実像かわからないが、映画では、マザコン同性愛者であり、なかなかのワンマン。でも歴代8人の大統領に支えてきた強者。
同性愛者といっても、最初MSガンディをデートに誘ったり、女性に興味がないわけでも無さそう。
でもガンディさん、最後までミスと呼ばれていたってことは結婚もせずエドガーに支えていたってこと?愛していたんでしょうね。それ以上に尊敬と敬意があったんでしょう。最後エドガーの願い通り、悲しむよりまず証拠をテキパキと処理するところがすごい。
ディカプリオはやはり上手いし、監督もやはりすごいね。
老人メイクの技術は凄かった
FBI産みの親であるJ・エドガー・フーヴァーの半生を描く物語。
有力者の個人情報を収拾し脅迫に使っていた・・・というJ・フーヴァー。当然、私的に余り良い印象を持っていない人物。そんな彼を主役としてどのように描くのか、興味深く鑑賞。
映画はFBIの話と、トルソンとの愛憎劇の二本立て。
フーヴァーが同性愛者であったエピソードは初耳でしたが、それ程興味があるわけでなく、FBI・・・特に、個人情報の収拾と脅迫、ケネディ兄弟との確執やケネディ大統領暗殺時の対応・・・そんなエピソードが殆ど語られない内容に失望を感じました。
ディカプリオの迫力ある演技等は見所に感じましたが、それだけ。
映画としての評価は厳しめです。
イーストウッドのらしさが色濃く出た作品
FBI長官に50年にわたって君臨し続けたJ・エドガー・フーバーの生涯を描く。
凄まじいほど倒錯した人間。
司法省の役人時代から理想的な国家の建国を主眼に、共産主義や犯罪者を徹底的かつ独善的に排除する。
情報の収集・整理・体系化や論理武装に天才的な才能を発揮する一方で、折々の有力な政治家たちのスキャンダラスな情報までをも収集し、躊躇なく強請の道具として活用、誰も手出しのできない、絶対的な権力を長年にわたって堅持した。
他方、強烈なマザー・コンプレックスを抱え、女性恐怖症のキライがあり、同性愛者であり、恐らくは先天的に吃音を持つ。そのくせ、ナルシシズムが病的に強く、注目を集めるためだけに、口述で伝記を書かせたり、著名人との会食をしばしばセットしたり、虚言も吐く。
しかしながら、イーストウッドとディカプリオが見事だなーと思うのが、この倒錯がひとりの人間として、適切に調和している点。
人間は神でもロボットでもないのだから、絶対的に善でもなく、絶対的に悪でもない。けれど、個としては一貫して調和しているという、誰しもが(程度の差はあれ)持つ”揺らぎ”を絶妙に描ききっている。
さすがに、老齢の特殊メイクは若干無理があったものの、イーストウッドのらしさが色濃く出た作品。
【FBIを作り上げた男の虚勢と見栄と尋常ではない努力。終生明かされなかった同性愛者としての生き様を描いた作品。フーバーを演じたディカプリオの24歳から、晩年容色が衰えて行く様を演じきった姿も凄い。】
■1919年。パーマー司法長官宅の爆破事件を受け、共産主義の過激派を国外追放する特別捜査チームのトップに就任したフーバー。
24歳という若さで大役を任された彼はごく限られた人物だけでチームを編成し、人権侵害すれすれの手口で国家反逆者を追い詰めていく。
◆感想
・フーバーの24歳から晩年までを、その間に米国で起こった様々な事件、リンドバーグの息子の誘拐事件、ケネディ大統領の暗殺、キング牧師のノーベル平和賞受賞などを絡めて描いた作品。
・フーバーの功績としては、今作にも描かれているように今では当たり前の”指紋採取”から始まる科学的捜査方法を導入した事が良く分かる。
・一方、今作で力点を置いて描かれるのは、フーバーの性的嗜好であろう。若きクライド・トルソン(アーミー・ハマー)との出会い。そして、彼を右腕にしながらFBI長官の座に君臨しつつ、私生活ではクライドとの交流により、人間性を保っていた事が分かる。
・又、母(ジュディ・デンチ)を慕いながら、母からの吃音克服や、同性愛を否定される中、苦しみ足掻く姿は、何とも言えずに鑑賞した。あの反動が、皆の前での高圧的態度として表れていた事は直ぐに分かる。
・今作でフーバーを演じた、レオナルド・ディカプリオの24歳の才気煥発の時代から、晩年容色が衰えて行く様を演じきった姿も凄い。
<巷間で有名な有力者達の個人ファイルを作成し、一時期は影の大統領とも呼ばれた男の最期の姿は哀しい。
一人、ベッドの脇で息絶えて居る姿。
救いは、彼の身体にそっとシーツを掛けた、同じく老いたクライド・トルソンの姿であろう。
後年、J・エドガーの評価は、地位を乱用しての個人ファイル作成の事実が明るみに出て、問題視されたが、彼が生涯を賭けて現在のFBIの基礎を作った事は事実である。
その事は、賞賛に値すると私は思う。
後は、残された者たち、引き継ぐ者たちがFBIを正しく、国家を守るための組織として運営して行くことに尽きるであろう。>
リーダー論
革命家って、ある強い信念のために常人には捨てられない何かを犠牲にしているんだろうなと感じた作品。一方で、その信念が拠り所というか、それがないと立っていられないのかなという脆さも感じた。
弱さやコンプレックス、周囲からのプレッシャーをその信念で抑制することで、自分を保っているいるように見えて、この人物自体はあまり好きになれないけれど、不器用で人間らしさを感じて嫌いにもなれない。
何かを劇的に変えるには、人を強制する何かが必要で、例えば罰則であったらその逆の報酬であったり。+のものの価値観は多様で、負の何かの方がシンプルでわかりやすい。この人物は、恐怖を与えることで人々を強制していくが、それに相対した方々の心労はお察しするも科学的な根拠に基づく捜査の礎を築いたことの功績は非常に大きい。
FBIを作った男
ジョン・エドガー・フーバー、フーバーFBI初代長官はテロや暴動、凶悪犯罪に対処する為、科学的捜査手法を使った広域かつ強力な警察組織を作った近代警察の多大な貢献者であることは間違いないだろう。勿論、目的の為には手段を選ばない権謀術数ぶりは褒められたものではない。
肝心の秘密の個人ファイルは秘書の手によって破棄されてしまっているので真贋のほどは解らないが、権力者が官僚を私的利用する方が当たり前の時代に官僚の方が大統領や司法長官を牛耳るなんて大した策士ですね。
映画では踏み込んでなかったがニクソンは対立候補の弱みをフーバーに調べさせて選挙運動に使っていたらしい、結局使い捨てにされるのは官僚の宿命なのだが、フーバーの真似をして盗聴で失脚するのも因果応報と言えなくもない。
同性愛者かどうかも噂の範疇らしいが脚本のダスティン・ランス・ブラック自身がカミングアウトしている人だけに妙に事細かに描いていましたね。
個人的には秘書を務めたヘレン・ギャンディとの仲が不可解、何故、あんなにフーバーにつくしたのだろうか、真相を知りたいが皆亡くなられてしまったのでこれまた闇の中。
実話好きのクリント・イーストウッド監督だからそれなりにリサーチはしていると思われるがFBIを作った鉄の男が実はマザコンでバイセクシュアルという、一皮むけば実に人間臭いという解釈も興味深かった。
実録なので勉強してから観ましょう
日本人が田中角栄をよく知っている以上にアメリカ人には超有名なひとなので、リンドバーク事件、デリンジャー、カポネ、キング牧師とか50-70年代の歴代大統領などの時代背景や功罪などを少し勉強してから観た方が興味深いです。
映画としては、まずデュカ君の大熱演は二重丸。壮年期と老年期が交互に出ますが、つなぎがあまりよくないので予備知識のない日本人には少しわかりづらいかもしれません。
しかしフーバー選手がホモだったとはしらなかった。アメリカ人には常識なんでしょうけど。
映画館に金を払い
観なくてよかったよ。途中から頭の中には
ダウンタウンの老人コントが浮かぶ始末w
無理にメイクで老化させんでも良かったの
とちゃいまっか(^^)
因みにフーバーそのものをこの映画に基づき
評価すると、人一倍コンプレックを持っていた
偏執狂が人一倍の労力で自らがされると
嫌なことを組織仕立てでやり切った。と言うことかなぁ。と◎
もうこんな人物は出てこんで欲しいねw
FBI長官であろうと、人間がしっかりとしたたかに生きるには愛と同志が要る
8代の大統領に仕えたFBI初代長官J・エドガー・フーバー(1895〜1972、1924〜1972まで長官職)の生涯を、ファイリング術体得、科学的捜査機関としてのFBI組織の創設、長期間権力維持の方法、秘書ヘレン・ギャンディとの長期の同志的関係、母親との濃厚な関係性、副長官クライド・トルソンとの恋愛関係等、多面的に描いた映画。
長所も短所も、善も悪もそのまま、一人の歴史的人物の真実の姿を、出来るだけ描こうとするイーストウッド監督の姿勢に敬意を覚えた。同時に、一つの分野の米国史にもなっていて、大変に興味深かった。
クリント・イーストウッド監督による2011年公開の米国映画。脚本はダスティン・ランス・・ブラック(2008年ミルクでアカデミー脚本賞、同性愛者であることをカミングアウト)、撮影がトム・スターン(硫黄島の手紙等撮影で知られる)、音楽がクリント・イーストウッド。配給はワーナー。
主演がレオナルド・ディカプリオ、他ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス、デュディ・デンチらが出演。
秘書ヘレン・ギャンディを演じたナオミ・ワッツの抑えた、しかし計算し尽くされた演技が素晴らしいと思えた。プロフェッショナルとしての彼女の上司への忠誠心や思い遣り、そして葛藤、同志としての共感が感じられた。イーストウッドによる背景のピアノが奏でる音楽も良い。
主演レオナルド・ディカプリオは写真で見る実在のフーバにそっくりで驚いたが、そっくりにすることに演技の主眼を置いた印象で今ひとつ。また、クライド・トルソン演じたアーミー・ハマーも、老年期のメイキャップ及び動作障害の演技が不自然で感心せず。
ただ、吃りをそして弱さを克服しようと自身を叱咤激励しながらの科学的捜査機関構築の奮闘努力。ゲイを悪とみなし決して許さない古くて強い母の下、紆余曲折はありながら長期に渡り二人の深い愛を継続させた。その物語・描写には、リアリティと人間がしっかり生きるには愛が重要との強いメッセージ性が感じられた。
本作は2011年の公開 911から10年目の節目に製作されたのだ そこに意味がある 本作のテーマとメッセージがあると思う
本作のテーマは一体何だったのだろうか?
本作のメッセージとは何だったのだろうか?
なぜこの人物の映画が製作されたのだろうか?
なぜ2011年に?
その疑問がぐるぐると答えを求めて頭の中でのた打ち回って、結局エンドロールを迎えてしまった
ホモセクシャルがテーマ?
陰謀史観の裏米国史がテーマ?
それはフリルだ
そんなものではない
エドガーの伝記?
それはその通りかもしれないが
それでもない
もどかしい
自分なりに思うのはこうだ
J. エドガー・フーヴァー
FBI長官を29歳から77歳まで48年間務めた男
1924年から1972年までといってもピンと来ない
しかし大正13年から昭和47年までと書くとその異常さ、恐ろしさが実感される
世界を見渡せば国王とかの事例はあろう
民間企業のオーナー社長ならいくらでも事例があろう
日本でも市長や知事が4選、5選され16年、20年も在任している例もある
そうなると、まるでその土地のお殿様にでもなったように勘違いしている人物もでてしまう
彼はその2倍、3倍もの期間を在任したのだ
しかも彼は国家元首たる大統領から単に任命されるだけの官吏にすぎないのにだ
どんな権力でも長期在任すれば嫌でも腐敗する
法律で定められて与えてられている権力以上のことができるようになってしまう
それを腐敗というのだ
贈収賄だけが腐敗ではない
公器の組織を私物化することが腐敗なのだ
最初は正義感と理想に燃えた若きリーダーも、いつしかかわってしまうものだ
何十年という時間はかわってしまうのに十分な時間だ
それも同じ組織のトップに座り続けたなら、よどんでしまうのは当然だ
正義の人もいつしか変わってしまう
それが本作の一つ目のテーマだろう
二つ目のテーマは、911後のFBI の在り方だ
2001年9月11日、未曽有の大惨事の同時多発テロが発生した
FBI を始め米国の情報機関、治安機関はこれを未然に防ぐことができなかった
FBI は単なる全米に捜査権が及ぶ警察ではない
日本の公安警察や戦前の特高警察のような、テロリストや思想犯の取締を行う方が本業に近い
つまりFBI の敗北だったのだ
FBI に取ってパール・ハーバーのようなものだ
そして本作は2011年の公開
911から10年目の節目に製作されたのだ
そこに意味がある
本作のテーマとメッセージがあると思う
911を防げなかった反省は、まるで本作のエドガーが共産主義者を徹底的にマークしたように、イスラム過激派と目される人物を法律の裏付けもなく盗聴や家宅捜査、拘束が行われたのだ
容疑者となればグアンタナモに送り拷問まで加えたというようにFBIを変えてしまった
エドガーの共産主義者狩りの相似形が繰り返されていたのだ
正気を失っていたのかも知れない
そして10年が経過した
本作公開の半年前の2011年5月、
911の首謀者として、FBIが最重要指名手配していたウサマ・ビン・ラディンが米軍特殊部隊の急襲によって殺害された
これで一応の片は付いたのだ
正気に帰る時だ
テロ対策が全てに優先する!、911の首謀者を必ず捕まえるのだ!と、法の範囲を遥かに超えて捜査するようなことは、そろそろ終わりにしなければならない
人は誰しも皆、人に知られたくない秘密を持つ
私生活の全てをガラス張りにして何一つ困ることはないという人物は極めてまれだろう
このエドガーにしても本作のように秘密を抱えていたのだ
彼は絶対に知られたくない秘密を抱える人間だからこそ、人の秘密を握った時にもつパワーを知ってしまった
捜査機関として、人間の秘密を収集し蓄積する組織を作り上げた時、それが持つ恐るべきパワーを知ったのだ
しかしその力がいつしか暴走していき、彼の信じる正義を超えていってしまった
それが本作の物語のあらましだ
つまり911で始まった、野放図で無制限なテロ対策は、本作のエドガーの秘密ファイルようなものだ
そんなものは、そろそろ止めなければならない
さもないと21世紀にまたもエドガーを生むことになる
それは米国最大最強の捜査機関が腐敗するということと同じ意味なのだ
正義と法
正気に帰る時が来た
それが本作のテーマであり、メッセージであったのだ
そして今、本作から更に10年が過ぎた
2021年8月
テロ戦争でアフガニスタンに侵攻した米国は、2011年にビン・ラディンを殺害しても、テロの温床を放置してアフガニスタンから引き上げも出来ず、ずるずると10年も米軍はこの地に駐留を続けて、終わりのないゲリラ戦を続けてきた
そしてバイデン大統領はこんなことは終わらさなければならないとアフガニスタンからの撤退を表明した
それが2011年7月8日のこと
そうして8月16日私達は大混乱のカブール空港のニュースを視た
エドガーの呪いなのかも知れない
緊張感あふれる静謐な作品。ディカプリオやるやん。
正義と法の限界をテーマにしてきたイーストウッド。
だいたい私刑の執行が結末だった。
今回は権力側の立場にあるFBI。なぜ?って思ってたのだが、作品を観て納得。
FBIはそもそも、法や政治から独立した、こんなにも鋭い機関だったのか。
J・エドガー・フーバーのそれは独善的で独裁的で卑怯ですらあるけれど、彼は死ぬまで、彼なりの正義を徹底的に貫こうとした。
その姿勢はイーストウッドが過去作で表現してきたそれと完全に一致している。
そして、フーバーの人物描写が秀逸。
ディカプリオやるやん。
厳格な母親、厳しいルールを息子にも押し付け、そのおかげで彼は出世していく。
コンプレックスを抱えながらもそれを厳しく律され、厳格な人生を歩もうとするフーバー。
周囲に糾弾されながらも長年FBIの長官でい続けられたのは彼自身の努力の賜物だろう。
そして、秘書のギャンディやトルソンといった側近もまた彼に仕え続けた、というエピソードは
彼が仕えるにたる魅力的な人物だったことに他ならない。
トルソンとの関係の描き方なんかは、ほんとに上品だなと感心してしまった。
やりすぎない人物描写がホントたまらない。愛情の深さもじんと感じさせる。
にしても、アメリカの政治や歴史をあまり知らない自分の知識不足が悔やまれる。
コンテキストを知らないと楽しめない笑いや感情が、この作品にはいっぱい詰まっている。
全編を通して、静謐な印象。
暗めなライティングが緊張感や不穏な空気を醸し出してて、気がひきしまった。
ある程度、客観的な人物評伝
とりま、二重の意味で観づらい。終始、光度を抑えた「暗い画面が多い」のと、「しょっちゅう、現在と過去を行き来するストーリー」の合わせ技で、鑑賞中の集中力が削がれた。特に後者のストーリー、時間軸転換が多用されている(けど、過去が現在の答え合わせになってない)のと、フーヴァーの人生を説明するには、尺が足らんかったのか、明らかに説明不足感が否めず、わざわざフーヴァー本人のwikiを確認せな、全容を理解できない。
ただ、一方でフーヴァーの同性愛の部分や、母親への依存を扱っていたりとか、結構、踏み込んでる映画。後、フーヴァーが政敵の追い落としのため、敵のスキャンダルを捏造する部分や、自分の功績を嘘で盛ったりする部分を描いたりと、主人公を、「アメリカ的ヒーロー」として扱ってなくて、その辺は悪くなかったかな。
といっても、クリント・イーストウッドが監督やし、そんな「結末丸見え」の「寒い映画」には、ならんかったやろうけど。やろうけど、個人的に、フーヴァーに興味がなかったんで、つまらん映画(映画観ても湧かん)。まあ、「ある程度、客観的な人物評伝かな」くらいの感想。
近代化の立役者
WW1の頃は現場検証や証拠にさほど重きが置かれていなかったようだ。事件現場の証拠品をべたべた素手で触るようなリテラシーだったらしい。
j.エドガーによって指紋のデータベース化が行われ、科学捜査が一気に進んだらしい。という功績の人物の伝記だ。初めて知る人だった。
功績についての伝記だがけっこうセクシャル的なことまでオープンだ。リリーのすべてやイミテーション・ゲームでもあったけど、理解のない時代のマイノリティって生きづらくてしんどかっただろうなあと思う。
ナンパしたガンディでの図書館デートで、自身の立案したファイリング術を披露するシーンは微笑ましかった。
陰謀史観
クリント・イーストウッドは、あくまでも事実を基に忠実に映画化したのでしょうか。
ジェイソン・エドガーの若いときの淡い恋愛や、強い信念に基づく正義感ぶり、そして避けては通れない同性愛者という公然の秘密に切り込んだ内容に、普通だったら驚きの展開となるのでしょうが、あくまでも淡々と進行していきます。
国家規模の陰謀に、FBIも絡んでいるという展開を匂わせつつも、そこには深入りしません。
それでも、やはりFBIって、かぎりなく黒に近い組織なんだろうな、と思わせる内容でした。。あくまでも、感動はありません。
そういう意味では、「これ、映画化する意味あったのかな?」というのが正直な感想です。
2015.6.15
難しいかな。
前から見たいなって思って借りたけど内容は難しかった。言える事は特殊メイクが凄いです。ディカプリオが若い頃から晩年まで演じています。(声は吹替えの方が上手かったかな)ラストはラブストーリでしたね。
最終的にラブストーリーだったのは意外
最初は話がどこへ向かうのかよくわからなくて困惑したけど、
その構造がわかりはじめるとのめり込めた。
「何かを大きなことを成し遂げる人は、恐ろしくバランスが悪い」
ということを再確認してしまった。
いったい何を言いたいのだろう、この映画は。
FBIの創設者であり、約半世紀にわたってアメリカの権力の頂点に君臨し続けた男、フーバー長官の記録です。
彼が副長官とホモ関係であることも、大統領たちの恥部を握って脅迫して権力を維持し続けていたことも、有名な事実ではありますが、知らない人はまったく知らない話でしょう。
なにせ昔の人の話ですからねぇ……。
そこで、知ってる人にも知らない人にもストーリーを楽しませようとして、イーストウッド監督は、それはそれは苦労しています。
監督のご苦労は認めます。
ですが、その苦労のために貴重な上映時間をかなり浪費してしまっており、彼がFBIを掌握した部分も、FBIを通して米国の権力を裏側から完全に牛耳っていたという点も、あるいは彼を止めようとして動いていたケネディー大統領兄弟との対決というドラマも、まったく食い足りません。
FBIってのは、全米あわせて1万人規模の人員を擁するきわめて強力な捜査機関のはずですが、映画からは数十人規模の組織じみた貧弱感が漂って来て、チープな感じが否めませんでした。
従ってストーリーだけなら1点でも不思議ではない作品でした。
この映画で評価できる点は、特殊メークです。
人間の半世紀分をそれぞれ同一の俳優が演じるのですが、老人になってもまったく違和感を感じさせないメークが施されています。
どアップにしても、なお違和感がないのです。
この特殊メーク術は、これぞハリウッドの底力と感じました。
というわけで、長尺の映画ですが、特殊メークの勉強をしたい人と、よほど時間を潰す必要がある人以外にはお勧めできません。
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