マクダルのカンフーようちえん : インタビュー
香港発アニメで声優初挑戦の鈴木福くん、将来の夢は仮面ライダー
テレビドラマ「マルモのおきて」で、魅力的な演技とキュートなダンスを披露し、瞬く間にお茶の間を虜(とりこ)にした人気子役・鈴木福くん。映画「ちょんまげぷりん」ではメインキャストに抜てきされ、人気アニメを実写化したテレビドラマの劇場版「映画 妖怪人間ベム」の公開が、今冬に控えている。小さい体からあふれだす元気、天真爛漫な笑顔は、声優に挑戦した香港発のアニメ映画「マクダルのカンフーようちえん」でも、いかんなく発揮されている。観客を癒す福くんの魅力は、どこから生まれるのだろうか。(取材・文・写真/編集部)
おっちょこちょいでありながら、どこか憎めない子ブタ・マクダルの成長を追った「マクダルのカンフーようちえん」。シリーズ初となる日本、香港、中国の合作で、子ブタが最愛の母(ミセス・マク)のため、武術の名門幼稚園で修業に励む姿を、シュールなギャグを織り交ぜながら描く。
映画やテレビドラマで元気いっぱいな姿を見せてくれる福くんは、おっとりしたマクダル役で長編アニメの本格的な声優に初挑戦。昨年秋に行ったアフレコは、慣れないこともあったが「楽しかった! ニコニコしながら、いつもよりゆーっくりしゃべった」と持ち前の元気で挑んだようだ。完成した作品を家族で見たときも、1番楽しんでいたそうで「最初に、マクダルが『18代目の子孫ってなあに?』って質問するところが面白かった」と満面の笑みをのぞかせた。
主人公マクダルは、ユニークなセリフとほのぼのとした雰囲気で、香港で根強い人気を誇る。周囲を明るくするキャラクターは、世代を超えて愛されている福くんとどこか似ている。「マクダルはかわいくて、面白くて、おバカで。(授業で使わないから)消しゴムもピッカピカのままで、アリも踏めなくて、力持ち。おバカなところは似ているかな」。
今作は、コメディ要素をふんだんに盛り込みながらも、最大のキーワードは親子の愛情だ。愛情表現のひとつとして、マクダルとミセス・マクは大好物のチキンを断食する。好きなものを我慢し、愛する家族に食べてほしいと互いを思いやる気持ちが凝縮された同シーンを通じて、母の愛に触れた福くんは「(チキンの)『あげる』『いらない』というやり取りが印象的。『僕はチキンがだーい好き。ママもチキンがだーい好き。だいだいだーい好きなママと、だいだいだーい好きなチキン』っていうセリフが、頭のなかに残ってる。『ママの幸せはそれだけなんだ』って聞くとジーンとくる」。
ミセス・マクの言葉に対し、マクダルが発した「これからはもう、大好きなチキンは食べません」というセリフは、福くんの1番のお気に入りのセリフだ。マクダルと福くんの気持ちがシンクロし、リアリティあふれる言葉となって、スクリーンに映る。マクダルと同じく、家族と離れ離れに状況に置かれたらと問われると、「絶対ヤダ! お父さんと妹ともだって離れたくないもん」ときっぱりと語った。
しかし、マクダルと自らを重ねて見ることはないと、役者としての顔ものぞかせる。劇中に登場するキャラクターは、自分とは離れた存在であり「“マクダル”を見てるっていう感じ。僕が声をやっているけれど、あんまりそういうことは気にしない。ドラマでもそうだけど、福というよりは、そのキャラクターだって思って見てる」。多忙な毎日でも、家族がともにいてくれることで、「辛い」「やりたくない」と感じたことは「1回もない! 楽しいからやりたい!」と頼もしい表情をのぞかせた。
役者、声優と活動の幅を広げる福くんの将来の夢は、ずばり「仮面ライダー」だ。「戦うのが好き! 仮面ライダーになる人にも、戦うライダーにもなりたい」と、イメージトレーニングしている戦闘ポーズを、力いっぱい実演してくれた。役者としてもさまざまな役に挑みたいそうで「飛行機の運転手さん(パイロット)! あと、バイクが好きだからバイクに乗る人もやってみたい!」と男の子らしい夢を膨らませていた。