「きっちり前作越え! 天才同士の戦術対決」シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
きっちり前作越え! 天才同士の戦術対決
世間のイメージとは真逆に見えて、実は割と原作に忠実な
ガイ・リッチー版ホームズ、待ってましたの続編公開!
今回は原作ファンにはお馴染みの、
悪の天才モリアーティ教授が満を持して登場。
前作の仇役ブラックウッド卿が雑魚に思えるほどの、極悪非道の知能犯だ。
知略でホームズを出し抜き、肉体的・精神的にもホームズを叩きのめす。
続編の敵としてこれ以上は望めないという位の強敵だった。
(シューベルトの『鱒』を聴いて、あんなに戦慄した事はないです)
ホームズ&ワトソンの夫婦漫才にも磨きがかかり(?)、
結婚前夜のドンチャン騒ぎや最悪のハネムーンで笑わせる。
いっつもイガミ合ってるクセしてコンビネーションは完璧。
相変わらず熱い友情を感じさせる2人ですねえ。
そのぶん女性陣は完全にないがしろだけどね……。
そしてアクション。
開巻早々からリッチー版ホームズお得意の知略格闘が炸裂して思わずニヤリ。
スロー&クイックの使い方にかけては、やはりガイ・リッチーが随一ですねぇ。
また、前作では長めのアクションシーンにおける演出のキレがイマイチに感じられたが、
今回その点は不満ナシ!
アクション三倍増し・テンポもかなり軽快だ。
なかでも中盤のラストを飾る、針葉樹帯でのアクションシーンがまぁ凄い! 凄すぎる!!!
流れる木々が生み出す疾走感!
超スローで飛び交う火花・弾丸・砲弾・木片・爆風!
ここは是非、大スクリーンで観て確かめてほしい!
そしてラスト、戦術の天才同士が繰り広げる“シャドウゲーム”にも唸った。
本作の最後を飾るに相応しい、見事な対決でしたよ。
アクションが増えた分、ミステリ要素は前作以上に薄いが、
ホームズ達が“知的瞬発力”を発揮するシーンは満載なので
気にはならないかな。
だが残念なのは、やはり原作でお馴染みのあのキャラが退場してしまう事。
あれは本当に残念。悲しくなってしまったなあ。
シャーロッキアン(原作マニア)の方々は激怒するんじゃないかしら……。
続編で再登場ってのはムリ?
ヒロインの女占い師やドイツの殺し屋の存在感が中途半端なのも勿体無い。
ま、その2人については、ホームズの兄マイクロフトの登場と
カタカタ召使いスタンリー(爆)に免じて許す!
4.5判定は少し高すぎるかもだが、
エンタメとしてきっちり前作を越えてるという意味でこの判定。
3作目も期待していいよね?
<2012/3/10鑑賞>