「映画としてはイマイチだけど…」ウォーリアー CBさんの映画レビュー(感想・評価)
映画としてはイマイチだけど…
映画としてはイマイチだけど、なんだか記憶に残りそうな作品。
オクタゴンで闘う総合格闘技の映画って、俳優がやるのはめちゃくちゃ難しそう(下手っぴに見えるというか、素人臭さもろ出しになっちゃいそう)という先入観だったが、それはなかった。表情のアップ。激しく動くカメラワークでスピード感を出して、パンチキック含め技のひとつひとつは動きが激しくてなんだかよくわからないという撮り方は、成功していたと思う。少なくとも俺は、それらしく観ることができた。
とはいえ、ラウンドの短さ感や、総合格闘技好きの人はガッカリな感じなんだろうなあという感じは、しょうがないんじゃないかなあ。
父と二人の息子、兄とその妻、弟と彼が守りたい人といった関係もなるほどね〜と思った。よく考えたな。
惜しいのは、それらと二人が格闘技する理由がそれほど深く結びついてない点。
金がいる。格闘技は得意だ。だから、やる。それだけで、それ以上のものがないんだよなあ。
ただ、ボクシングを含む格闘技は、それでいいのかもな。腕に自信があるから、それで稼ぐ。当たり前なのかも。俺がそれにピンとこないのは、腕に自信があったことがないからなのかもしれない…
と反省してみたものの、やはりその点で求心力を欠いた映画なことは否めない。同じ破綻の瀬戸際にいても、昼の明るさの下に描かれる兄と、常に夜の暗さの下に描かれる弟といった対比を初め、やりたいことはわかるのに、どうにもとっ散らかってる感が半端ない。結果として、「何が言いたかったの?」だわ。
でもきっと、俺の心には残る。殴りあってる感じがちゃんとする映像だったから。ただその点だけに尽きるが。
おまけ1
2011年といえば、サブプライムローンが破綻して2年。ある日、家を取られる人が続出した中で、この映画に親近感を得た人も多かったのかもね。
おまけ2
あ、気づいたら、1111レビュー目だ。なんか縁起がいいかな。皆さんと、楽しくコメントやり取りしてるうちに、こんなところまで来た。みなさんへの感謝と共に、自分が誇らしいわ。