「けっこう皆観てる」ウォーリアー MAK0さんの映画レビュー(感想・評価)
けっこう皆観てる
イイ映画だよなあ、これ。
日本じゃ格闘技はすっかりマイナーになってしまって、UFCで闘う事がいかに凄い事なのかピンと来ない人も多いだろう。
けど、だからといってキャストがアカデミー賞ノミネートまでされた作品を未公開のまま4年も無視してるなんて絶対に間違ってる。マッドマックスのヒットが無かったらこのままずっとDVD化も無かったかも知れない。ジャンルなんて関係無く、映画ファンなら観るべき映画だ。
本当に日本の配給会社は腐ってる。
実際、たとえ膝十字固めが分からなくてもニック・ノルティの演技を観るだけでも価値がある。カメラも素晴らしいし。
蛇足だが、劇中ニック・ノルティが白鯨の朗読テープを何度も繰り返し聴いているのはそれが喪失の物語だからだ。
モビー・ディックの復讐に取り憑かれたエイハブは手足を失い命を失い、果てに船と仲間の命も失う。
自分をエイハブに重ねて、それでも自分はこうはならないという戒めのために。何度も何度も。
タフガイ役の多いニック・ノルティだからこそ、あの哀愁が出せたと思う。
この作品に限らず、公開されない傑作はきっと沢山有るんだろう。この作品はまだ幸運なのかも知れない。
今夜もBDの再生ボタンを押しながら、この幸運に感謝する。
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