コンテイジョンのレビュー・感想・評価
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フィクションが現実になる時
"コンテイジョン"、直訳で「接触感染」
この言葉が昨今の大混乱を起こしていると考えると、やはり恐ろしいです。
この世界情勢の中で「リアルだ」と話題を呼んでいる本作。
確かに想像以上にリアルでした!
この映画が作られたのは2011年なので、時系列で言うと豚インフルが大流行した後に作られた映画ということですね。
パンデミックで世界中の様子を描いていており、そこで繰り広げられる登場人物達の群像劇で描かれているため、主人公に相当する人物は複数います。
マット・デイモン演じる、妻が感染したことでパンデミックに巻き込まれる夫。
ローレンス・フィッシュバーン演じる、ウイルスの原因を究明しようとするCDCの医師。
ジュード・ロウ演じる、ウイルスの陰謀論を唱えるジャーナリスト。
マリオン・コティヤール演じる、香港に派遣されたWHOの疫学者。
以上の4人の視点から、ストーリーが展開されていきます。
その一人一人の行動がそれぞれの役割が解りやすく与えられていて、ストーリーが全くごちゃごちゃになっていませんでした。
マット・デイモンは我々一般人視点の人物で、彼の視点から市民の行動が描かれているのが面白いです。
また、ローレンス・フィッシュバーンはウイルスの原因を探り、マリオン・コティヤールはウイルスの出所を突き止めていきます。
そして、ジュード・ロウはブログに「これで病気が治る」というデマを拡散し、市民から英雄視されながらも大混乱を引き起こしてしまいます。厄介なキャラクターですが、こういう人が実際にいると思うと非常に興味深いです。
また、グウィネス・パルトロー演じるマット・デイモンの妻がウイルス感染し発症した際の状況があまりにもリアルで、凄く怖かったです。
凄いのは、パンデミックになった後の人々が起こす行動と感染が広がるプロセスのリアルさですね。
パンデミックによって混乱が生まれ、人々が落ち着いた行動が取れなくなるのもリアルです。
アメリカでも日本でも昨今のコロナによって買いだめが起きていて、アメリカでは銃等がそれに合っているので「なんで?」とは思ってたのですが、原因がこの映画を観て理解できました。
本当に恐ろしいです…
後半の方で、病院の現状が出てくるのですが、先日ニュースで見たニューヨークの医療現場と全く一緒で驚きました!
劇中でこれだけの出来事が現実に起きているので、予見したと言われるのも無理はありません。
ただ!
時代の流れによる性なのかいくつかおかしな点もありまして、そこで個人的にマイナスになってしまいました。
※これから話すのはあくまで一個人の意見なので、正確かどうかは解りません。
まず、劇中で設定されてるウイルスの強さです。
数時間で亡くなるぐらいの強さを持つウイルスがパンデミックを引き起こすのが個人的に引っ掛かりました。
昨今の新型コロナ然り、豚インフル然り、世界中で大流行した感染力が強力なウイルスの殆どは毒素(症状の重さ)がさほど強くありません。
これだけ致死率や毒素が強いとかえって狭い地域にとどまってしまい、パンデミックは起こらないと思うので、少し症状を強くし過ぎてると思いました。
また、「接触感染」を描いていながら、「距離をあける」という行為をしないのも不自然です。
大混乱を起こしてる市民ならまだしも、テレビのスタジオでも近い距離で対談していたので、そこには「ちゃんと離れろよ!」と思ってしまいました。
ただ、そこは今よりも解ってなかった所も多いと思うので不自然な点が見られるのも仕方無いのかなと感じます。
それを踏まえても、この映画のリアルさには絶賛したいです!
この映画を観てますます、自分達が今何をすべきか、どうすれば混乱は防げるのかという事を考えさせられました。
なかなか大変な状況でフラストレーションも溜まりますが、まず自分は今出来ることをこれからもやっていこうと思います。
だからこそ、このレビューを見てる皆さんもどうかお大事に!
今こそ観るべき作品
シュミレーション
不本意にも本年度に脚光を浴びた作品。
未知のウィルスによるパンデミックを描いてる。現在のコロナウィルスが猛威をふるう世界との近似値は不明だが、よく出来てた。
WHOでの活動もワクチンの開発も、それを届けるのも生産するのも、当たり前だが人間がやってる。僕らは結果だけを手にする。
感謝しなくてはいけないと強く思う。
「人は1人では生きていけない」ってのと「人が3人集まれば戦争が起きる」って言葉の意味をぼんやりと考える。
自分の見識が全てではなく、憶測は憶測でしかないのだという事を強く心に留めておくべきだ。
勿論、劇中で行われている事と実際の事には差異があるのは当然で、ドラマチックに語られる部分も多分にあるだろう。だけど、やはり…今の現状を反映してしまい目を離せない。
感染が拡大していく様が、ほんとに静かで…この辺は凄くリアルを感じてしまう。
またBGMが良くて困る。
感染の経路については、劇中ではとんでもない感染力であり、おおよそ都市部では防ぎようが見つからない。
潜伏期間が3日とかなりスピーディーで、発症から死亡までが4日くらいと悪魔のようなウィルスである。
大事な人も隣人も、あっという間に死んでいく。この現象を疑似体験できただけでも、今コレを観た価値があるとも考える。
劇中では様々な予測が描かれる。
ワクチンが出来上がるまでの世界は、相当危険なようだ。街も人も荒廃していく。
病院の待合室は人で溢れ返り、飛沫感染が疑われる中怒号が乱れ飛んでたり、流通が滞り食糧が供給されなかったり…それを奪い合うシーンがあったり、地獄絵図だ。
また、映画だからある程度のリアリズムをもって話が展開されていくから説得力もある。
悲しいかな、現実にもその兆しはある。
マスクを買う為に薬局に長蛇の列が出来上がったり、争奪戦が起こったり。
薬局の店員からの悲鳴は毎日のようにネットにあげられる。
まだ劇中の世界観からしてみれば序章にも至ってないのだけれど。
ワクチンを政治利用する背景があったり、ネットの真偽を問うてみたり。
ネットを鵜呑みにする怖さと、公式発表を鵜呑みにする怖さは、ほぼ同レベルだ。
たった1人を起点に何百万人が死んでいく世界。どおしても「今」とリンクする。
…この作品は近しい未来なのか、それとも、作り話として映画史に埋もれていくのか。
全ては僕らにかかってる。
作品はワクチンの流通をもって幕が閉じる。
よく出来てるなぁと思うのは、そのワクチンを摂取した後の危険性にも言及してる事だ。
その危険を隠蔽して金儲けに動いてるってのは飛躍もあるかなとは思うけど、後遺症までは分からない。
早急で緊急な案件だからだ。
「今」をとるか「未来」をとるか。
今が無くなれば未来もないから、今をとるしかないのだけれど、それが故に抱え込む時限爆弾みたいものはあるのかなぁとも思う。
凄い怖い映画で…今だからこそ、その怖さは増幅される。
ウィルスと共に感染が拡大されていく不安こそが世界を混沌の底に突き落とすと思われる。
失った人は戻ってはこないけれども、生きてさえいれば取り戻せるものは多い。
乗り越えた先を暗示するラストだった。
のだけれど、その後に語られる「1日目」に戦慄する。
疑似体験のまま終わってくれと切に願うが…ウィルスによるパンデミックは繰り返されるのであろうな、とも思う。
この時期に観るべき作品
いま、観るべき作品
まさに今。
予言なのか?ってくらいまさに今起きている状況が映画になっていました。
ネットでランキングがやたらと上位に上がっていたので、気になり見てみたのですが、なるほどなとなりました。
奥様が突然発作を起こし、病院に運ばれてすぐに
亡くなってしまい、先生に亡くなりました。と言われたあとなのに
【妻と話せるか?】って言ってるシーンが、そりゃそうなるよな。ってすごい思いました。
さっきまで話してた人が何の病気でもなかったはずの人が、突然亡くなったら受け止められるわけがありませんよね。
今現在コロナによりたくさんの人が亡くなって、たくさんの人が感染して、苦しみ、いろいろな状況が起きておりますが、こう言った映画は昔からあるのに、いざなるなんて思って生きてなかったです。
本当にいま、現在の状況を見るような映画でした。
面白いのか?と聞かれたら面白いというより、今とリンクしているから見ていられた作品でした。
一つ一つにいまを重ねてみてしまう部分があるから見れた作品でした。
列に並ぶ際は3メートル感覚開けてください!とか、本当にそうなるなんて。
実際に自分の身近で起こっている事態を映画で見ると、また違う感覚で作品を見ることになるんだなと思いました。
ラストのシーンで、コウモリが食べたバナナを豚が食べて、その豚を人間が持ち帰り、調理の際に豚に触り、その手のまま人間に触り、その触られた手でご飯を食べるという流れが冒頭の2日目のシーンに繋がっていました。
こうして人は、日常に置ける何かに触れると言う何気ない動作からウイルスに感染するんだなと思うと、やはり手洗いうがいってかなり大事ですね。
フィクションだけどリアル
本映画で伝えたい事をざっくりまとめ(ネタバレは無し)
・こういう時は人や物への接触を極力避けましょう
・手洗いはしましょう
・顔を触るのを避けましょう
・念のため、防犯もしっかりしときましょう(日本はまだ比較的大丈夫だろうけど)
・誰が発信した情報かをしっかり確認しましょう
あとは、一応フィクションだから状況に応じて考えて対策しようって感じで。
今観るべき映画である事は間違いない。
この映画にはハッキリとした"主人公"はいない。
色んな立場での視点を見れるのも良い点。
感染の被害にあった者
感染を防ぐ為に奔走する者
感染源を調査する者
治療薬を作ろうとする者
国民に伝える立場の者
混乱に乗じて稼ごうとする者
このような考えで動いてくれる(動いてしまう)人がこの世にはいることを忘れてはいけない。
フィクションだけど、リアルであっても
全然あり得る話。
今だから!
ブロガーが、、、
話題になっていたので鑑賞しました。
失礼ながら知らない映画でしたが、こういう状況になってみるとリアルでよく出来ていると感心しながら見ていました。
フェイクニュースを流して稼いだブロガーが、日本のワイドショーで稼ぎまくっているコメンテーターとかぶってしまいます。
ウィルス感染のスピードも怖いですが、情報の拡散スピードの怖さを感じる映画でした。
今観ないでいつ観るの
新型コロナウイルスの爆発的な広まりに戸惑いを隠せない2020春にこの映画を知った。
公開当時はあまり評判にならず、それほど評価もされていなかったと聞くが本当に映画の世界が現実になるという事を体験しているのが9年経った今だ。
誤情報、パニックや集団感染。
とにかく触るな、手を洗えと映画の中ですでに言っていた事だったのだ。
「なんか最近この映画が話題になってるな」と思ってこのレビューを見てくれているあなたに今すぐ伝えたいのは
レビューなんてどうでもいいからこの映画を観てくれ。
そして共に考えよう。これからをどうしたらいいのか。
ラストシーンは鳥肌。
私にも、貴方にも起こりうる事だ。
追記
医療現場の人間が発生初期に危険性をどれだけ訴えても深刻に取り合ってもらえない様子や、正体がわからないものに対して軽視してしまう感覚は本当にリアル。日本では略奪や暴動は起きないだろうけど買い占めやパニックはある。
以下ネタバレ含む
3回目にてようやく「アンダーソン社」の因果応報を理解した…
ここは大変映画的。フィクションだと感じさせる安心要素かもしれない。(そうかな?)
コロナ真っ只中に何かの参考になるか鑑賞! 見る前と価値観は変わらず...
こんなことになるなんて・・・
物を捨てられない&ズボラなので、重くて使ってないのに取ってあったJTBのカレンダー。
4月だから表紙と3か月分剥がして使おうかと初めて広げてみましたところ・・・
1月―ハワイ島(アメリカ)
2月―アルベロベッロ(イタリア)
3月―コルドバ(スペイン)、でした。
どれも人の手が入って素晴らしい景観を作っている写真です。いずれもとても美しい。そして、コロナの被害が甚大な国々です。ここの人々はどうしているだろう。
数日前はこういう意識でしたが、もう本当に他人ごとではないです。
さて映画の話です。まさに今観るべき映画。自分達が発生のきっかけを作った新種のウイルスに自分で感染し、知らぬ間に多くの人にも感染させていく。とても怖い。現実世界がこんな状況だから、触った所がアップになる度ドキリとしました。「関係ねー!」と言ってる人たち(流石にもう居ない?)にこそ観て欲しいです。
純粋に作品として考えても、こういうクールな描き方は好みです。まだちょっと足りないと思う所とか、あの人が不倫ってどうよ?とか、黒人が少ないんじゃないかとかはありますが。
剥がしたカレンダーは捨てにくくなってしまったので、終息した美しい街並みをテレビで見るまで畳んで取っておきます。
確かにコロナウィルスパンデミックを予言していたような…
①一番興味深かったのはWHO調査員のマリオン・コティアールが第一感染者を突き止めていくところ。こんな風に調べていくんだ、勉強になった。現実のコロナウィルスはまだ出所は分かっていないけど。②スティーブン・ソダーバーグの演出は淡々としていて変に悲壮感を煽ったりせずに、逆にワクチンが出来て良かった良かったという終わり方でないのも良かった。③情報に煽られて人々がパニックを起こし買い占めやに殺到するところは現実に起こったし、外出禁止令(出すのが少し遅い気はするが)や接触禁止の為家に閉じ籠る様はいま私たちが実際やっていることで現実味たっぷり。④ただ群像劇としては登場人物たちの選び方やキャラクター設定や描きかたには少々疑問。⑤人間が本来タッチすべきでない領域まで開拓すれば遅かれ早かれ未知のウィルスに遭遇するのは避けられないことだし、グローバル化であっという間に世界に拡散することも後追いだか当然の成り行きであったわけだ。
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