コンテイジョンのレビュー・感想・評価
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ソダーバーグ監督の切り口。
未知のウィルスが突然現れたら・・・。現代に警鐘を鳴らすストーリー。大事にならなければ注目を浴びず、誰も知らないところで感染が世界に広がって行く恐怖。自然現象なのかテロなのか、一部の要人は疑心暗鬼に囚われる。公明正大に事実を追い対策を練ろうとする機関のスタッフは迫害や邪魔を受ける。これらをドキュメント・タッチで豪華キャストを使い描いていくソダバーグ監督。とても見応えのあるストーリー展開で最後まで画面から眼が離せない。
やはり人類の敵はエイリアンより未知のウィルスなのだと実感する。
あなたの隣の人の咳、大丈夫?
映画やマンガの世界の話と思っていませんか?
豪華キャストを配しているのに見せ場が少なくもったいない!
この映画は、私的には、少しばかり淡泊し過ぎていた気がするんだよね。
俳優たちも顔ぶれは揃っているのだもの、もう少しパンチが効いた、濃い味付けみたいに
見せ場がそれぞれ有っても良かった気がする。
勿論、映画が描いているのは、見えないミクロレベルの正体不明の細菌感染の恐怖と言う事で、これ位静かに単調過ぎる位単調に描いて行った方がむしろ、現実味の有る恐怖を演出出来るのかも知れないと計算されて出来たのが、本作品なのかもしれないが、全体から受ける感じが、今回のこの映像を観ていると、低予算のTV映画タイプのタッチにしか見えなかったのだよね。TVの2時間ドラマでこれは良いのかなって、感じがとうとうラストのエンディングタイトル迄ぬぐい切れずに終わってしまい消化不良を起こした様な感じだった。
本編らしい醍醐味が不足していて迫力不足だね、拍子抜けした様に感じるのは、自分がこの豪華キャストと言う事で、作品自体に過度の期待が自然に膨らんでしまった分だけ、単調に思えてしまったのだろうか?
例えば、アメリカでは、こんな事態が起きたなら、もっと一般市民はパニクリ、暴動が各地で起こり始めるだろうし、TVのニュース中継をズーっと見せられている、そう、そんな感触だね。本来映画って、観客は今、現実に自分の生活に起こっている事の様に錯覚してしまう位に感情移入出来る作品でないと映画を観た気がしない。
接触感染で起こる恐怖なら、もっと人と人がこの見えない細菌と言う敵に確実に追い詰められていく恐怖に怯える中で、人々の心はきっと心細くなり、誰かと繋がっていたいと思う気持ちが募るわけだから、そんな状況であれば、人はその恐怖を和らげる為に、例えば、家族とハグしあいたいと思う気持ちが募るのが自然の事だが、でも、そこで人と接触する事は、自分の死を招く事に成るかも知れないし、逆に愛する人に対して細菌感染させてしまう事は、自分が愛する人間を死に追いやるリスクを拡大させる事になると言う気持ちと行動を一緒に出来ない、心と身体の感覚的に一致出来ないで、相い反するする中で、体験する恐怖と孤独、寂しさみたいな感覚的恐怖が微妙に足りない感じだったのだ。
マット・デイモン演じるジョンは娘が恋人と接触するのをひたすら引き離そうとするシーンは確かにあるのだが、そして最後には若い二人がワクチンを摂取出来た後に再開し、ダンスする二人を静かに見守る父の姿は確かにあるものの、何だかね~弱いのだよね~
ファーストシーン空港で、何だか咳き込むところから、どんどん世界各地の人口表示のテロップと共に、香港・ロンドン・ミネソタ・東京・アトランタ・シカゴ・サンフランシスコ・広東省と体調不良で倒れ込んで死に至る人々を淡々と追って行く過程は、これから何が起こってしまうのだろうかと言う期待と恐怖を煽っておきながらこれは無いよなと言う結末を迎える。しかし、現実には、今、鳥インフルや、毎年流行するインフルエンザが政治目的で、或いは世界の急速な人口増加に対する何者かによる、人工的に画策された、人口減少を試みる計画された、秘密裏に行われている、国際的な政策なのかと言う違う形の恐怖が現実の生活にもあるのだ!本当の敵は何?本当の敵は誰?この事の方が更に恐怖だ。
手洗い、うがい
何年か前に日本でも新型インフルエンザ騒動がありウィルスの怖さを実感した記憶があるが、この作品はそんなもんじゃない相当怖いウィルスの話。
まず主演者達の豪華なこと、その豪華な俳優達の使い方にもびっくり!
マットデイモンは正義感の強い父親を演じ、グゥイネスパルトロウやケイトウィンスレットは・・・役で、ジュードロウはこれもよくわからないフリーライターと、それぞれの役どころを上手く使いわけてる辺りが監督の魅せるわざか。しかしながら、ジュードロウのフリーライターがよくわからない。
言いたい事は分かるが観客に伝わってこない。
途中の慢性感やこれが世界中で起こっているパニック感ももうひとつ。
確かにパニック感を出してるシーンもいくつかあるが、何かしっくりこない。
ただ2日目から始まる冒頭とラストは絶妙な作り、どこがウィルスの最初なのかを突き詰めていき、ラストにそれを持ってくる辺りは上手さを感じた。
まあ、この作品を観て思ったのは、いつこういうウィルスが出てきても不思議ではない事や、手洗い、うがいは大切ですと改めて思った作品でした。
ウィルス感染をリアルに静かに描いています。
演技派俳優勢揃いなのに、映画はドキュメント!
演技派俳優が勢揃いなので、それぞれどんな難しい役に挑戦しているんだろうと思いきや、ごく普通の人々だった。逆に普通の人の役って難しいかもしれない。俳優の個性が出てしまうと、現実味に欠けてしまうから。結末はわからないまま終わるのかと思ったら、最後のエンディングロ-ルでちゃんと結末をつけていたので納得した。ウィルスを利用して、金儲けをする奴や未解決まま終わる最後とか、とにかく現実的だった。
映画としては、面白いとはいいがたいが、上手く作った映画だなと思った。
エンターテイメントというより、仮想ドキュメント
マット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、アンナ・ジャコビー=ヘロン、ローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、マリオン・コティヤール、チン・ハン。
**
観終わった後、自分の顔を触るのが気になった。
人々がパニックになり、買占めだけではなく、奪い合いが起こり、暴動的になる様子は表現されていたが、それでも比較的淡々と事態が進行し、ものすごいことが起こっているという感じではなかった。
荒れてはいたけど、みんな意外と落ち着いていたし、ドキュメントタッチというか、実際だったらこうだろうなという感じだった。
映画では直ちにWHOに連絡が行き、CDCも臨戦態勢に入ったわけだが、
本当に最初の数人であのような体制が取れるのか。
また、ウィルスの分離と解析、培養、ワクチンの開発に至るプロセスは真実味があるが、本当にあの程度の期間でできるんだろうか。
また、流言の発信源はジュード・ロウだけだったが、実際には複数の発信源が複雑に絡み合い、またマスメディアも「風評加害者」になる可能性は高く、あの程度の混乱で済むかどうかはよくわからない。
とても現実的
すごく具体的でリアルな怖さ
お察ししますがどうぞよろしく
地味な印象でしたが、大規模感染の、起こりうるシナリオの一つとして興味深く、見応えありました。
感染は短期間に世界におよびます。ありがたいことにキーポイントに大物俳優がいるので、案外解りやすかった。最前線の人達の私人としての感情が切なかったです。我々一般人は、お察ししますがどうぞよろしく、と言うしかないですが。
専門用語は字幕追うのが少々忙しかったです。
ジャーナリスト気取りのブロガー演じるジュード・ロウ、ヤな奴ぶりがお見事でした。ああいう奴がいっぱい出てくるんでしょう。でも公的情報も、意図的に出てくるのをみんな知ってる、うーん。考える良い機会にはなりました。
マリオン・コティヤールは、アカデミー賞以降のしっとりした役しか見たことなかったけど、クールな演技もカッコいい、良かったです。
不確かな情報で恐慌に陥る社会の描写に福島の風評被害を連想しました。
本作はハリウッド製のパンデミックへの啓発映画の色彩が強いと思います。けれどもスタッフ、キャストの充実した技量が出来栄えを水準以上に押し上げていたと感じました。 何しろ監督が「エリン・ブロコビッチ」や「トラフィック」など社会派の秀作を手がけてきたスティーブン・ソダーバーグ、出演もアカデミー賞主演女優賞のケイト・ウィンスレット、グウィネス・パルトロウを筆頭にマット・デイモン、ジュード・ロウらの豪華な布陣ですからね。
ソダーバーグの手法は、ドキュメンタリーのように発生する事象を一歩退いた立ち位置から客観的に伝えようとします。ドラマ性は希薄になる分、描かれていく映像は、まるでそのただ中にいるかのように臨場感たっぷりに描かれます。
本作には欠かせない医療現場のシーンではセットや用語使いなどにソダーバーグ監督の細かいこだわりを感じました。
新型感染症SARSや鳥インフルエンザの記憶も新しい中、さらに強力な新ウイルス禍が起こったらという恐怖感をリアルに感じさせてくれます。そんなシミュレーションを映画で体験しておくほうが、パニックを未然に防ぐ一助となるのではないでしょうか。
物語は、香港から帰国した米国ミネソタの女性が自宅で風邪に似た症状が悪化し急死するところから始まります。彼女と旅先で接触のあった人々もロンドン、東京などで帰国後、次々急死します。アトランタにある疾病予防センターが調査に着手し、医師(ウィンスレット)をミネソタへ派遣します。感染拡大の中、原因はコウモリと豚のウイルスが混ざった新種ウイルスと解明されるのです。
ワクチン開発が次々と失敗する困難ななかで、やや後半は展開を急いだせいか、唐突にワクチンの開発に成功したような感じがしました。
ところで本作が凡庸なパニック映画と一線を画すのは、ウイルス以上に恐ろしい、不確かな情報で恐慌に陥る社会の描写です。
グロテスクな感染の描写は少なく、パンデミックにおびえる人々の心理を描くのに時間を割かれているのが特徴です。
その軸となるのがフリーランスのジャーナリスト・アランの存在。彼がブログ上で発信した不確かな情報により、人々はパニック状態に陥ってしまう設定が織り込まれていきます。しかもアランは、単なる「火付け人」ではありませんでした。とある薬草がウイルスが効果的という風評を勝手に流して、投資会社と組んで一攫千金を狙うというしたたかさだったのです。そのためにアメリカ疾病予防センター(CDC)と世界保健機構(WHO)が開発したワクチンに対して不信感を煽り、ワクチン接種を拒むことさえアランは呼びかけてしまうのです。いま日本でも原発事故による風評被害が深刻ですが、アランのようなネット上でカリスマ予言者と化してゆくジャーナリストや俳優の存在が、被災地の復興を映画のように妨害していると思います。なんか共通点を見る思いでした。
結局アランはインサイダー取引が露見して逮捕されるのですが、彼を信奉しているネットのシンパの募金活動であっという間に保釈されてしまいます。
娑婆に戻って、取材対象の一般市民に政府を信用するなと呼びかけるアランの存在が不気味でした。そんな汚れ役をロウが好演しています。
ネット社会ならではの新たな風評パニックに踏み込んだ点で、本作は新たな問題提起を銀幕で起こした点を評価してと思います。
新ウイルスの発生原因として社会、経済のグローバル化を暗示するラストシーン。冒頭は感染2日目から謎解きが始まり、ラストで感染初日の原因がどこからはじまったのかネタバレに繋がる構成は、より強く衝撃を感じました。僅かな偶然の連鎖から大感染が始まるという点で、公衆衛生の必要性が、見る者の心にしっかりと刻まれることでしょう。
但し社会派クールな描写というルックの割には、ウィルスが開発される過程や、疾病予防センタのエリス・チーヴァー博士が自分用のウィルスをオフィスの清掃スタッフの子供に分けてあげるシーンなど、結構グッとくるヒューマンなシークエンスも織り込まれていてよかったです。
感染が汗腺を刺激する。
友人がどうしても観たい!というので早めに付き合いで観たら、
あ~こっちの方が凄かったな(汗)と手に汗握ったリアルな作品。
テーマは「感染」なんだけど、未知のウィルスの感染と、人間が
飛ばす(デマを含めた)情報感染の恐ろしさと顛末を描いている。
ま~さすがにソダーバーグだけあって、とても冷徹な映像で^^;
淡々と倒れていく人々を映し出し、あっという間に感染を広げる。
もう、とにかく未知のウィルスなので感染源が分からない。
なんか見え隠れする会社名…ファイル…に目を奪われるのだが、
これがどういう位置づけになるのかは最後まで覚えておくといい。
まずはグウィネスが倒れる…。二日後に死亡。すぐに開頭される。
なんて生々しい!(怖)だけど本当にこうするんだろうなと考える。
夫のマットは何が何だか分からない。そのうち今度は息子が発症。
なのに自分だけ発症しない。もしや?自分に抗体があるのでは?
ナースに進言するも無下に扱われる。おそらく誰もがこういった
状況下ではパニックになる。そこをあてこんだ?カリスマブロガーの
ロウは根拠のないデマを飛ばし始める。一斉に火がつきパニック、
各地で暴動、略奪、買い占め、と都市の機能が破壊されていく…。
一方でウィルスの感染源を突き止めようと尽力するWHO、CDCの
調査だが、調査員が感染したりする中でワクチンの開発も進まない。
見えないウィルス源と先行に対する不安で真っ暗な状態になるが…
こういった未知のウィルスに対するワクチンの開発には、おそらく
このくらいはかかるのだろう…といったところもリアルだった。
例え開発されたとして、それがすぐに大量に出回るわけではないし、
実証試験が何度も為されたものではない。
開発した博士が、死にゆく(間に合わなかった)父親に経過を告げる
シーンには涙が出た。発症しなかったケージの中のマウスにも。。
人類がこういった不幸に見舞われるには何か原因があるんだろうか。
今作では架空のウィルスだが、実際にこういうケースが何年か毎に
家畜や人類を襲ってくる。流行病では済まない殺傷力の強さに慄き、
いま、周辺にいる、どの、誰の、息が咳がくしゃみが唾液が…なんて
疑い始めたらもう外へも出られなくなる。見えない恐怖が蔓延する。
物語はまず(感染)2日目から始まる。
ラストになって1日目が映し出される…。これが、まぁなんというか。。
(当たり前だが)え、こんなことで?と思えてしまうところがまた怖い。
静かに淡々と(咳払いさえできない)観るしかない緊張度満点の作品。
(ねぇマットの身体、もっと調べようよー!あ、変な意味じゃなくて^^;)
編集の妙
実際に起こりそうで怖い。
ラストで「あー、おおー、そうかー」と感嘆。演出が巧いなー、と。
この映画、豪華キャストのアンサンブルで、どっちかっていうと内容よりそっちで期待されて観に行かれた方も多いと思うんですけど、“そっち”を敢えて前面に押し出してないのに好感持てましたし、何より各国で巻き起こるパニック、人間模様のコンパクトな捉え方、日常に侵食する行き場のない非日常の恐怖を本当巧いこと一本に纏めてるな、という。
流石、安心と信頼のソダーバーグ。饒舌。
んで、それは良いんですが、世界各地に主要キャラが散らばってるので、一体誰が主人公なの!?ていうのがあって(別にそこ重要じゃないんですけど)。
強いていえば、不条理に嫁と子供喪失で実害被りまくりの可哀想な夫マット・デイモンが主人公になるんでしょうか。若しくは疾病予防管理センター博士で三流フリーライター(ジュード・ロウ)に悪評を撒き散らされるローレンス・フィッシュバーン?
まあ『誰もが当事者であって、誰もが主人公』てことなんでしょうけど。
でも、この映画の真の主役はグウィネス・パルトロウだと自分は思う訳ですね。
冒頭から「おや?」という、ちょっとした“違和感”を提示する某演出と共に登場するグウィネスさん。
その後もフェードアウトすると思いきや、ちょいちょい顔を出すグウィネスさん。
そしてラストで見事に“違和感”の答えを導き出すグウィネスさん。
いやー、グウィネスさん!素晴らしい。
自分、ソダーバーグの映画って、何か演出に洒落っ気を感じて何時も鼻に付くんですけど、今回は素直にラストまで楽しめました。
暴動なんかの描写も実際に起こりそうだったし。そのリアルさに言い知れぬ恐怖を感じましたし。
お見事でした。
冷静だからこそ現実的
ソダーバーグらしい淡々とした演出が逆に現実味があって怖い。
個人的にあまり淡々とした映画は好きじゃないんですが、これはそれゆえに面白かった。
オールスターキャストも、だからといってムダに見せ場を作ろうとかいうこともなく、いい意味で優遇されているわけじゃない。
ウィルスの致死性が100%とかだとウソっぽいけど、感染しても無事な人もいればそうでない人もいるというのが本当っぽい。
マット・デイモンが演じる父親はたまたま感染しない人だったけれど、どこかの検問で「オレは感染しないんだ」といっても通してもらえないところとか、リアリティありましたね。おそらくそうだろうと。彼は特別扱いされない、ただの一市民にすぎないのだから。
街中がプチパニックになって、スーパーの棚から商品がなくなったり…というのも現実味がある。緊急時にああなることは、日本人でも3・11で経験したばかり。
ハデな映画だと、あそこからさらに暴動が起こって街中が大パニック!とかいう展開になりそうだけど、そこまではいかない。
なにかジワジワとした怖さ。。
それにしても、潔癖症の人がみるにはつらい映画ですね。
自分はそうではないけど、映画を見た直後は、ドアノブとか触るとき、ちょっと意識してしまいました…。
人の怖さ
未知のウィルスが蔓延する恐怖を描いた映画。
”アウトブレイク”をイメージしていたが、
まったく違う映画だった。
人が世界中を飛び回る現代に
ウィルスがどのように蔓延していくか、
そして治療薬がない状態で人々がどういうパニックを起こすかを
シュミレーションした映画になっている。
近年、インフルエンザ、SARSと未知のウィルスが蔓延したことがあったが、
もっと致死率が高いウィルスが蔓延した場合、
人々は冷静に行動できるか・・・
日本人は震災時にもある程度、
冷静に秩序ある行動がとれたと思っているが、
※ニュースの内容だけなので実際はわからないが。
アメリカなどではこの映画のように、
民衆が暴徒となり無秩序状態になるのだろう。
群れをなすと、何かのきっかけで暴徒化する。
これは人間の性なのか。
なんか悲しくなる映画だった。
近い将来パンデミックが起きたら
謎のウィルスの発生。
罹患。
パンデミック。
有名俳優さんをたくさん配し、それぞれが重要な役をきっちり演じてくれている。
それぞれは良いのだけれど、一つの作品になると、良さが分散されたように思った。
マット・デイモンを、もっと中心に置く方が良かったのでは。
それと、パンデミックの話にしては、少し淡々と描きすぎたのでは。
ウィルスと共に蔓延するのは、恐怖。
そんな人々の心に起こる恐怖心理をうまく操り、根拠もない情報を流すインターネット。
それこそが、本当の恐怖かもしれない。
悪いヤツは、どこにでもいるのね。
間違った情報に惑わされないようにしなくちゃ!
それに、手洗い励行。
マット・ディモンがもったいない!
最高の俳優が出演した最低なシナリオの映画だった。
トレーラが迫力があり、俳優が良いからあのボーン・アイデンティーのような興奮を期待していたのに残念。最後の伝染経路の披露もお粗末。
潔癖症の方にはオススメしない
『たった1回の接触から始まった』は、たった1発の銃弾から始まった「バベル」(2006)によく似ている。
現代社会に於いて、ひとつの出来事は一地域の中で収まらない。地球の裏側にまで影響を及ぼす可能性がある。この点が「バベル」と同じだ。
感染率の高い未知のウイルスはあっという間に世界に広がる。交通網の数だけ広がる。目に見えず、致死率30%という恐怖が猛威をふるう。
どこぞの製薬会社からウイルスが洩れたとか、化学兵器が誤作動したとか、そういう話ではない。
もっと現実的で、今にも起こりうる自然の脅威を描いている。したがって、ウイルスの正体はすぐには分からない。感染源を探索する医師さえ倒れていく。
街では暴動が起き、少しでも効力があると噂される物を奪い合う。人々の恐怖を煽り、それさえも食い物にする輩も出現する。
たしかに、この映画のキャッチコピーにあるように『【恐怖】は、ウイルスより早く感染する』まさにその通りだ。その点では、よく描けている。
ただ、この作品を作るのに、ここまで主役級のスターが必要だろうか?
ミッチ・エムホフの役はマット・デイモンでなければいけなかったのだろうか? マリオン・コティヤールの怪しげな魅力はどこに生かされていたのだろう?
そう考えると、ブラッド・ピットやケイト・ブランシェットをはじめ世界中の役者を集めたあの映画、やっぱり「バベル」に似ている。
役に合ってたのは、疾病予防管理センター(CDC)のエリス・チーヴァー博士を演じたローレンス・フィッシュバーンと、フリー・ジャーナリストのアラン・クラムウィディを演じたジュード・ロウのふたりだけだ。
最後に感染経路が再現される。
この作品、潔癖症に方にはおススメしない。
ウイルスを侮ってはいけない
究極の状況でみなさんはどんな行動をとりますかという物語。
パニックになる人ならない人はいるが、大なり小なり利己的になる。
愛する人、守らなければならない人がいればなおさらだ。
ウイルスに感染しても発症しない人がいる。遺伝的特性か、抗体を持っているのか、基礎的健康体か。
あれだけウイルスが蔓延し、死が身近になれば死も受け入れやすいのではないだろうか。ウイルスに感染したら見苦しいあがきをする前に速効死んでいきたい。まあ、死にたくないから、帰宅したら手洗いとうがいは長年継続している。
ソダーバーグって一度引退宣言したんじゃなかった。今後数本創ったらまた引退という報道がある。周りがほっとかないんだろうから、休養にしとけば。
細菌より物語や俳優をバラまきまくっている映画
未知の殺人ウイルスが世界中に蔓延する細菌パニックは、これまでにも『アウトブレイク』『感染列島』『28日後…』etc.散々やり尽くしたネタであり、イマイチ新鮮味が無い。
『トラフィック』『オーシャンズ3部作』の奇才スティーブン・ソダーバーグが豪華なキャスト陣率いて緊迫する修羅場を表現しているが、濃厚な割に淡白な味だった。
世界各地から高級食材取り寄せて、いざ究極のラーメン作ろうとしたのに、スガキヤラーメンみたいになっちゃったね…て感じ。
勿体無い
最初の発病者のグウィネス・パルトロウやWHO調査員のケイト・ウィンスレットetc.けっこう呆気なく病死させてバンバン見捨てていく残酷なテンポはブレがない。
が故に、全体的に駆け足で進みいつの間にか感染が爆発し、いつの間にか収束している印象。
発症→感染→爆発→暴動→新薬→開発→成功→投与→収束という一連の過程を切り張りして煮込み、ポンッと器に盛られ、一丁お待ちッてテーブルにポンってなもんだ。
ネットの風評拡大やテロ疑惑etc.今時のネタをトッピングしているけど、盛り上がりは浅く、世界観をあざとくしていて逆効果。
スープに世界規模のスケール感ある充実度は乏しい。
新薬発見とネットでデマかすフリー記者のジュード・ロウ、
病死した妻から感染を免れた旦那のマット・ディモン、
批判の矢面に立たされ、アメリカ政府の生け贄となるWHO幹部のローレンス・フィッシュバーン、
ウイルス震源地の香港で調査中、組織に拉致される医療スタッフのマリオン・コティヤールetc.
一癖も二癖もある逸材揃いなのにどれもダシは薄く、味の決め手に欠ける。
故に勿体無いの一言に尽きるのだ。
まあ、麺はノビてないから喰えるけど、DVDでお代わりなんざぁ煮玉子サービスでも御免かな。
こういう心理的なパニックものの後味の悪さに慣れて“免疫”が付いてしまった自分に気付くと、無性に気だるくなる。
野暮な免疫だね…
観賞中、息が詰まり、咳をしたくても、作品が作品だけに一つもできず、息苦しくて仕方ない一時であった。
無性に葛根湯が飲みたくなった帰り道にて、短歌を一首
『隔離せど 闇(病み)に飛び火し 熱の列 地球(ほし)は咳き込む 御触令(おふれ)に悔ゐ(杭)て』
by全竜
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