ファミリー・ツリーのレビュー・感想・評価
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期待が大きすぎたかも。
予告編を観ていて、気になりました。ジョージクルーニーがいつもとは違った役どころっていうこともあって、面白そうと思い観に行ってきました。
正直、観た感想は、「ん~、もうちょっとだったかな。」という感じです。ストーリーが急展開する場面が多すぎて、ちょっと感動するタイミングを見失いました。何回か感動する場面もありましたが、もっとストーリーに入り込みたかった。そういう映画だと思っていたので。それと、もっとハワイの素敵な景色や海が見れると、期待していたのでちょっと残念でした。お家で鑑賞でも良かったかも。
やわらかいユーモアに包まれて。
マットは、ハワイに住む弁護士。
それを聞いただけで、裕福で、何一つ不自由のない楽園的生活を送っているのだろうな~と私などは想像する。
そんな彼に起こる妻の突然の事故。
妻は昏睡状態に陥ってしまう。
仕事を口実に、面倒なこと一切を妻に押し付けてきたマットは、困り果てる。
私はここで、私の夫もそうなるだろうな~と、感慨深く思ってしまう。
折しも、先祖から受け継いだ土地の売却話や、それに関わる大勢の親戚達の利害。
妻の不倫疑惑。
高校生の長女と10歳の次女とは、今まできちんと関わり合ってこなかった代償で、彼女達は反抗的である。
ぎこちないやり取りで、なんとか関係修復を試みるが・・・。
表向きの立派な顔とは裏腹な、自信喪失の内面との、ギャップがとても良い。
ジョージ・クルーニーが、とても良い。
妻の両親、特に父親、長女がつれてくるヘンなボーイフレンド、従兄弟たち、友人たち。
そんな登場人物が、一癖あり、二癖あり、話を楽しく盛り上げてくれる。
ハワイの美しい海、山、自然。
でも、人間はどこに居ても、普通に悩んでいるんだな。
悩んで、悩んで、転んでも、立ち上がって、人間って捨てたものじゃないよね。
ラストの、キルトから覗く足の裏がとても良い。
家族って。。なんだろう
この地球のどこかで、
どこにでもあるような日常の中に、
様々なドラマが展開している。。
家族って、何だろう。。?
それぞれの立場で、考え、悩み、生きている。
時には、突然思いもよらない事が起こる事も。。
家族って、悩ましくて、愛おしい。
心の中は、見えないから、本当に大事な事はきっと、たくさん見逃している。
みんな本当は、愛でつながっている。
そう信じられる。。
素敵なストーリーでした。
ジョージ クルーニーの演技は素晴らしかった!
娘達も、友達の男の子も、ビミョーな演技を自然に素敵に見せてくれた。
最後のシーンがすごく好き!
またハワイに行きたくなった。
祖先から引き継いだものの大切さを感じる
小学生の次女の好き嫌いが分からず、高校生の長女とは感情のもつれからまともに会話ができない父親マットの奮闘を描く。
妻の浮気の真相究明と、祖先から受け継いだ広大な土地の売却という2つの筋書きが絡みあう。
妻のプライベートを知る人間はそこらじゅうに住んでいる。
土地の処分については、マットが全権を握っているものの、多くの従兄弟たちの意見を束ねる必要がある。その親戚は、オアフ島だけでなくハワイの島々に散っている。
どこに行っても知人と出くわすハワイという世間は狭いのだと実感する。
何も隠し事ができない、日本の田舎村のようなところだ。
仕事一本だったマットが、妻の事故と土地売却を機に、改めて人との繋がりを深めていく。
とりわけ、二人の娘との距離が縮まっていく過程が、ほどよい距離感を持って描かれる。
家族に金魚の糞のように付いて歩くシドが面白い。長女のボーイフレンドなのだが、口が達者で、人の気持ちを逆なでするいけ好かない少年だ。あまりの言動にキレたマットの「こいつはバカだ!!」に、よくぞ言ったと拍手したくなるぐらい生理的嫌悪を覚えるヤツだ。ところが、こいつがマットと娘や他の人達の間でクッションの働きをしていく。マットや観客のシドを見る目の変化を、ゆるやかに人間関係の修復に活かした脚色が上手い。
感情のスレ違いやもつれがあろうとも、この世に生を賜った証を、人は親から子へ、子から孫へと引き継いでいく。
なにを思っていたのか、その真実が明かされないまま昏睡するマットの妻エリザベス。彼女もまた、次代へ血を残した家系の一員である。二人の娘は彼女が生きた証なのだ。
なるほど予告篇のあのカットはここだったのかと納得するラストシーン。
二人の娘の真ん中で、まだまだ落ち着かずしっくりしない父親の様子が微笑ましい、いいラストだ。
将来、長女がシドと結婚したいと言い出したらマットはどんな顔をするのだろう?
まだまだキング家は前途多難なのだ。そうやって家系は引き継がれていく。
誠実な登場人物
中年男の苦悩を描いているような映画で、そんなのにお金を払うのもいかがなものかと思いながらも見に行ったら、自分にも身近な問題が語られており、非常にのめりこんで見た。
妻の浮気相手がどんな嫌な人間だろうと思っていると普通の家庭を愛する気のいいおじさんで、拍子抜けした。しかも彼は何でもペラペラしゃべる正直者だった。その上、彼の奥さんが非常に魅力的な上出来な人物だった。問題から目をそらすことなく、正面から向き合おうという姿勢が大変素晴らしく感動的だったんだけど、現実はそこまで上出来な人物ばかりじゃないだろうと思った。
また、実際彼らはハワイの王族の家系で超大金持ち、主人公は弁護士でもあり、ガンを患っていると冒頭で語っていた割りにジョギングまでして健康体にしか見えなかった。そんな暮らしをしていて苦悩とはちゃんちゃらおかしいと思わなくもなかった。
悩んで悩んで…… 受け継ぐって大変
妻はこん睡状態で、娘たちは手に負えない。
義父には責められるし、娘の男友達はいけすかない。
いとこたちは土地を売れというが、地域の人には売るなと言われる……
そのうえ、妻の浮気が発覚。
代々受け継いできたものと、
今抱えている大事な家族。
どうやって守っていこう。
と悩み続けるわけで。。。
ハワイの穏やかな雰囲気で語られるからこそ
感情移入がしやすくなってるし
なんだか救われた感がでてる。
“受け継ぐ・受け継いでいく”って
ものすごいエネルギーが必要なんですね。
男のみっともなさを真正面から描ける監督!
「アバウト・シュミット」では定年退職した父親を、「サイドウェイ」では今一歩踏み出せない中年男を描いてきたアレクサンダー・ペイン監督が、今度は妻に不倫された父親を描いてみせた。おろおろして、どうしていいかわからない、かっこ悪いおとうさんだ。それをハリウッドの伊達男ジョージ・クルーニーが演じているところがおもしろい。残念ながら、アカデミー賞は逃したが、こんな父親役を演じる年になったのかとしみじみ思った。前2作はロード・ムービーだったので、今作もそうなのかなと思ったら、ロード部分は少なくて、娘二人との格闘の部分が多かった。どの作品も観ている間は「あ~ぁ、しょうもないなぁ」と思うのに、観終わった後は時間が経つにつれ、どんどん心に沁みこんでくるのが不思議だ。「仕方ないよな」とか「そういう事もある」と思えてきて、監督の主人公に対する暖かい気持ちがスクリーンのこちら側にも伝わってくるからだ。そう、監督の作品は後から効いてくる。私が特に気に入ったシーンは3か所ある。マットが妻が不倫していたことを知って、友だちの家に駆け込むシーン。動揺が伝わってきた。昏睡状態の妻に文句を言うシーン。言わずにはいられない気持ちがわかった。3人でビデオを観ているシーンだ。再生された家族がそこにあった。よかったと思った。この映画も後から来そうだ。
家族再生物語
第69回ゴールデングローブ賞で作品賞 (ドラマ部門)と主演男優賞 (ドラマ部門)を受賞。第84回アカデミー賞では、作品賞・主演男優賞・監督賞・編集賞にノミネート、脚色賞を受賞。
何か、物凄くドラマがあって、急転直下と言う物語では無いですが、バラバラになっていた一つの家族が、困難を経て(たぶん)まとまって行くという話が、非常に共感を覚えます。
いつもダンディーで、カッコ良い役のジョージ・クルーニーが、ちょっと情けなく、カッコ悪いお父さんを演じています。でもそれが、生活感あふれる、魅力的な人物になっています。それが、なんか良い。結局のところ、イケメンはイケメンで、ダンディーはダンディーですね(笑)。
よく分からないのが、シドの位置づけ。娘のアレクサンドラが大人になりつつあると言うところを示す目的なのかもしれませんが、ずーっと一緒に行動する必要はあるんですかね?最初に出て、アレクサンドラにも彼氏が居るんだと言う事を示しただけでも良いのではないかと思いましたが・・・?
原題の『The Descendants』は、“子孫”と言う意味。そういう意味では、邦題の『ファミリー・ツリー』もニュアンスを近づけて付けたものと思いますが、示している所は違うのかな。原題の『The Descendants』だと、先祖代々土地を受け継いできて、そして、それがのちの子孫たちにも受け継がれていく。それが、ハワイでどういう意味を持つのか、日本人の私にはわかりませんが、物語の最後のマットの決断を見る限り、何か重い意味を持つんでしょうね。
一つの家族の再生の物語。中々、いい映画でした。
ずっと家族でいよう。
「ハワイ暮らしというだけで、あなた方はそんなに気楽な生活だと思うのか?」
的な、冒頭に主人公がそんな問い掛けモノローグを始めます。
どこで暮らそうと人生の辛辣さは大差ないぜ?て感じの。
そのモノローグ後、まあ、こっちもそれを覚悟して本腰観賞に臨む訳です。
んで、印象はなんつーか、まあ「ハワイ暮らしも気楽じゃない」かもしれないけども?
それでもハワイに救われてるな。
ハワイの情景に癒されてるな。
なかなかにヘビーな状況が、ハワイで少しソフトになってるな。
何故か全編、どことなくユーモラスだぞ。
ハワイ暮らし、羨ましいぜ?という。
そうなんですよね。
主人公達の身の回りで起こっている重ったい出来事が、ハワイ演出でかなり軽やかに表現されてる。
舞台がハワイであるが故の?弊害(というと語弊があるけど)。
壮大でのどかな自然風景ってのはね、もう卑怯ですよ。
それだけで癒し。
それに音楽。
どんな切迫したシーンでも、ハワイアンミュージック、ウクレレののどかな調べをチョイスするもんだから、どのシークエンスも重苦しさに寄らない。
ガハハハ!と笑う陽気さは内在しないけど、深刻に偏らない絶妙なライト感。
クスリと行くかどうかの、微妙なラインのユーモア。
じわじわ来る温かさ、切なさ、優しさ。
これは近年稀に見る傑作なのかもしれないぞ?そんなこと感じながら、余韻の残るラストまできっちり堪能。
エモーショナルを激しく掻き立てる、煽る演出じゃないのが、とても好印象でした。
これは映画館で観て正解だったなぁ。
レンタル待ちで自宅観賞だと余計な雑念入って、また違った印象持ったかもしれない。
オールタイムベスト級ですね。
さわやかな佳作
不倫や植物人間を扱ったテーマは重いけど、演出は軽快。ジョージ・クルーニー演じるどこか気弱な父親と生意気な娘2人の絆をコミカルに描いている。
脇役も魅力的。特にシド役の青年は絵に書いたようなチャラ男でウケる(笑)
なかなかこの題材でハッピーエンドは厳しいと思ってた所へ、この映画はラストも実にうまく締めている。ハワイアンの美しい音楽も手伝って素直に泣けるさわやかな佳作。
ハワイという非日常のリゾート空間でホームドラマをドラマを包み込むと、既視感たっぷりの日常が新鮮に見えてくるから不思議です。
『サイドウェイ』も傑作でしたが、リゾートを上手く隠し味にする舞台とした人間模様を描かせるとアレクサンダー監督の手腕が冴えます。
たいした事件が起こる訳でもなく、妻の事故をきっかけに家族の絆が深まるという典型的なホームドラマのパターンとしては既視感たっぷりの作品。けれどもハワイという非日常のリゾート空間でホームドラマをドラマを包み込むと、既視感たっぷりの日常が新鮮に見えてくるから不思議です。主人公のマットは、そんなハワイに対する幻想を抱いていた独りでした。先祖伝来の土地であるハワイに移住すれば、毎日がパラダイスでサーフィン三昧だと。ところが誰もが羨むハワイ暮らしも、住んでしまえば、他と変わらぬ多忙な日常があり、マッドは一度もサーフィンを楽しむことはなかったのでした。
そんな出だしから始まる本作は、傍目にはどこか浮世離れしたハワイ暮らしに見えるのに、都会と変わらないバラバラにこころが離れてしまった家族模様が描かれるというミスマッチの面白さが上手く表現されているのです。
ミスマッチの面白さをさらに巧みな脚本がもり立てていきます。本作最大のヤマ場は、妻の浮気。仕事人間だったマットは、妻と会話する時間すら惜しんだ結果、妻が浮気していることにも気がつかずにいました。娘から知らされて、相手の男を突き止めたのは、いいのですが、問題は落し所。予想外の顛末で、妻の浮気をさばく気持ちを一発でおさめるエピソードを挿入。見ている観客もすっきりした気分でラストにつないでいった展開はなかなかのものでした。
そして前評判の高かったクリーニーの演技は、想像以上で驚きました。『スーパー・チューズデイ』を見たばっかりだったので、あのダンディでカリスマのあるスターが、普通のダメなおっさんに大変身しているではありませんか。にわか仕立てに伊達男が、娘たちになじられるダメパパを演じても、普通は凄く違和感を感じてしまうことでしょう。でも今回のクルーニーは、全く違和感ないぐらいの「冴えなさ」なんですね。
仏教でも、一番の神通力は漏神通力といって、市中で超能力者と見破れなく、その神通力やカリスマ性を完全に押さえ込んで普通に暮らす力を身につけることが、最も難しいとされています。
クリーニーほどのカリスマが、凡人に成りきるということは、かなり難しく、少しでも油断すると、かっこいい所作や顔つきが滲み出てしまいがちなものです。それを微塵にも感じさせないというのは、凄いことです。
そんなクリーニーのダメパパぶりに強烈な突っ込みを喰らわす長女アレックスの役どころも新鮮でした。当初は、凄く親に反抗的な態度で登場するアレックスの母親の事故と死の予告を聞いて時見せる複雑な悲しみ方の演技には、感動しました。演じているシャイリーンはきっと大女優になっていくことでしょう。アレックスが見せる悲しみと怒りの複雑な表情と反抗的な態度は、彼女が母親の浮気現場を目撃したという告白で、イメージが一変しました。単なる不良ではなく、愛していた母親が、よりにも寄ってクリスマスという大事な日に家族を裏切って浮気に走ったこと。そして、それを誰にも語ることができず、むずっと小さな胸を痛めていたこと。そんなアレックスの苦しみに触れるとき、なんて純粋な心を持った少女なんだろうとこころ打たれました。
アレックスが苦しい身のうちを語れずじまいに終わるほど、マットは家庭を放り投げて、仕事に打ち込んでいたのでした、10歳の次女スコッティとは3歳の時から話したこともないという徹底ぶり。だからいきなりスコッティの子育てにかかわらず得なくなったマットの狼狽ぶりは傑作。おもわず笑ってしまうシーンが続出でした。
そんな崩壊していた家族の距離感が、徐々に変わっていく描写が素敵です。浮気相手のスピアーなる人物が滞在しているカウアイ島へ向かうところでは、ちょっとしたロードムービー仕立てになっているのですが、一緒に行動し触れあう中でマッドと娘たちの違和感がなくなり、普通の親子の見えるように変わっていたのです。
そしてラストのワンショットでは、仲のいい親子関係が、ちょっとした動作でシンボリック描かれて、見ている方も後味よく見終えることが出来ました。家族の気持ちの変化を鳴り物入りにせず自然な流れの中で描かれているところにとても共感します。
ところで本作にはマッドの頭を悩ますもう一つの大きな問題として、一族が所有するカウアイ島の広大な土地の処分問題がありました。アメリカの土地制度は詳しくありませんが、信託されている権利はあと7年で無効となる設定。不動産に詳しい弁護士をしていたマッドが代表となって、一族の意見をとりまとめて最終決定を下す責任者となっていたのでした。本編スタートして、なんで土地問題という伏線を用意していたのか謎でした。
ところが後半、妻の浮気相手のスピアーが不動産業者であり、マッドたちの土地売却に関わっていたことが発覚。マッドの土地売却の最終決断を微妙に悩ませるという絡ませ方に、そうきたか!と納得しました。マッドの「スピアーは妻を愛していなかった」とスピアーの妻に告げるひと言が意味深です。(スピアーが接近してきた目的を考えてみましょう)
マッドの最終決定は、カウアイ島の自然に触れ家族への愛やつながりを強調するもの。その辺に、自らを左翼といってはばからない人権・環境派のクルーニーの面目躍如たるこだわりを感じました。
それにしても浮気相手の滞在先に討ち入りするという生々しい話。本来はドロドロとした愛憎が蠢くところなのに、ハワイの美しい風景と、軽やかなウクレレのサントラが軽妙なタッチのコメディに昇華させてしまう(^^ゞまるで魔法にかけられたように、観客もすっきりこころの浄化になっちゃう、素敵なヒューマンドラマでした。
作品評価として、もし『アーチスト』の公開が来年だったら、今年の作品賞は本作が取っていてもおかしくないくらいの傑作です。普段SFしか見ない人でも、本作で癒されてください。
永遠から見れば
アメリカで観ました。
他者を許すということは自分を幸せにするということにつながる。
愚かなことをする人生もある。
それも永遠の旅の中で
この人生で出会い愛したという事実があること自体が
奇跡であり軌跡だと深く見つめれば
存在したこと、生まれてきたことに感謝できる。
自分も愛するひとたちも
生まれてきてくれてありがとう。
離婚をしたひと
離婚を考えているひと
恋愛に傷ついたひと
家族をなくしたひと
そして、今、最高に幸せな人
見てみるのもいいかもしれません。
でも、見なくてもいいかもしれません。
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