ファミリー・ツリーのレビュー・感想・評価
全62件中、21~40件目を表示
完璧過ぎる
笑えて怒れて泣けてしかもスリリング
これ以上ない完璧な映画でした。
アレクサンダー・ペイン恐るべし。
この監督と同時代に生きてて幸せだと思えました。
冒頭の皮肉ナレーションで勝負あり。
ラッセ・ハレストレムやジェイソン・ライトマンなどヒューマンドラマ系で好きな監督はたくさんいますがアレクサンダー・ペインだけは別格すぐる。
なんだろう。
なんだろう。他の皆さんのレビュー見ると自分って変なのかなって思います。
この作品はあんまり響かなかった。ハワイらしい雰囲気はあったし、ゆっくり進むところもあってよかったけれど、なんとも言えない。それにお母さんが気に入らなかったから、もう何とも言えない。
1つだけよかったのは、シャイリーンの演技力。とくにパパからママの病気のことをプールで聞くシーン。あれには驚きました。
こんな娘は嫌だ
総合:70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
娘たちはどうしようもない方向に育っているし、娘がつれてくる男もちゃらいし、義父は責めてくるばかりだし、妻はあの状態で秘密が出てくるしで、ジョージ・クルーニー演じるマットの生活はもう無茶苦茶。
でもはっきりと描かれていないけれど、これって結局、彼自身が家族を顧みなかったから招いた状況なんだよな。ここで彼は初めて自分が軽視してきたものに向き合うが、時既に遅し。いろんなことで右往左往する彼の姿が滑稽に描かれる。最初に登場したときは嫌な印象しかなかった娘たちも、右往左往の後にはなんとなくまとまりが出てきたように思える。
だが土地の件は物語の大枠に関係ないし蛇足でしょう。
あとからじわじわと
観た当初はうーむ。いいんだけど、という感じ。
でも何度も見直すと、ジョージクルーニーの心情が痛く伝わってきて、ああ、共感はできないけど、それは私がまだ若いからなんだと。
妻の浮気を知って、橋のそばでひとりなくジョージ。妻を罵り、でも返事はもちろんない。義父にはさんざん罵られ、でも耐える。
きっとよくなるよという言葉に ありがとうと答え、そのあと皆に妻の状態を説明し、、、
ひとり芝生にへたり込み崩れる彼。
終盤のシーンの、ジョージの「さようなら、私の苦しみ」のところが忘れられない。
10代20代のひとはあと10年後に観よう!というレビューを書いていた方がいましたが本当に正しいかも。ハワイの優しい雰囲気と音楽にも助けられる。
家族の絆
普通の家庭だと思う。夫は仕事中心、子育てが一段落した妻は、夫のことはほっといて自分の趣味に…。(浮気は言語道断ですが)子供たちもちょっとワルだったり、難しい年頃だったり、どこにでもある家族の姿です。ある日突然、妻の事故に直面し、自分の家庭内での立場にびっくりして、あわてふためくジョージクルーニーがコミカルでいいです。ラストも普通の親子の雰囲気が自然で、優しい気持ちになります。
難しい問題...でも単純なストーリー
ずっと見たかったのですが何だかんだで先伸ばしにしてしまっていた作品をようやく鑑賞!
ストーリーはテンポがよく単純で分かりやすい。 よくまとめられ分かりやすく作られています。 なのであまり言い過ぎるとネタバレになってしまいます 笑
キャラも一人一人が濃くて皆愛着を持てる人たちばかりでした。
全体的に二時間でも見飽きず、万人受けする作品でしたね!
最後のシーンは個人的に大大大好きです!
少し切ないくすっとほのぼのする映画
妻に浮気された親父が大切なものをみつけるストーリー。
なぜか長女の友達が一緒に行動するところがユーモアがありいい味を出していた。浮気の事実を知り衝動的にドン臭く走りだす姿が秀逸だった。浮気相手にささやかな仕返しでキスするシーンが共感できた。
浮気した妻は昏睡状態で問い詰めることも文句を言うことも出来ず、もどかしい、恨み切れない。ジョージは真相を知りたい気持ちと、妻の気持ちを汲んで浮気相手に見舞いに来てもらうために彼を捜索する。やっぱり愛してたんだと思う。娘とも絆か深まりほのぼのする作品だった。
お父さんは大変です…
ハワイが舞台と言ってもそんないい事ばかりじゃないよ、という語りから始まる本作。
植物状態の妻の不倫やグレかけた娘等、お父さんが大変なことと対峙してゆく様に同じ父親としてシンパシーを感じます…走るお父さんの無様さとかね。
最後の場面は正にお父さんにとっての「救い」の象徴なのでしょうね。
市川崑監督の「幸福」を思い出しました。
しかし、土地を売る売らないの話、いるか〜?
ハワイの空の下、中年男のトホホが悲しくて、可笑しくて
事故で意識不明になった妻の秘密発覚、先祖伝来の土地問題。
主人公マットと共に難問に立ち向かうのは、食べ物の好き嫌いもよく知らない距離感の娘達。
ハワイの空の下、中年男のトホホが悲しくて、可笑しくて、しみじみ切なくて。心に沁み込んできました。
観てよかったです。
キャラクターがしっかりとした重みをもってスクリーンの中で生きていると感じました。
家族のピンチに招へい(?)された娘のボーイフレンド。 なんでこの人?と思ったけど、客観性を与える彼の存在はなかなか効いてました。なんか、身がきっちり詰まってるような青年で印象的でした。
途方にくれ人生を見つめ直す中年男をペーソスたっぷりに演じたジョージ・クルーニ、スクリーンのアップは、年を重ねてますます見応えがありました。
ハワイアン中心にした音楽がとても心地よかったです。
今日をちゃんと生きたかな?自分に訊いてみたけど。まあまあってところね、悪くないかな。
何となく捨てかねている家族の古着、キルトに仕立ててみようかな。
ほろ苦ハワイ
設定だけだとなかなかシビア
ハワイっていつも太陽がキラキラしてて、海が青くてきれいな花が咲いてる南国!ってイメージですが
この映画では大きな問題を抱えた家族をやさしくゆったりと包み込んでます
多分場所やキャラクターが違えばもっと修羅場になりそうですしf(^^;
物語は淡々と進みますが、だから主人公家族の会話もゆっくり心に染みてきます
何か最近家族とあんまり話してないかも…とか
嫌なことはたくさんあるけど、許すことも大事だな…とか
あと、やはり大事な人ともいつかは別れやすれ違いがあり、それでも少しずつ受け入れなければならないんだなぁ…とか
ちょっと今心がささくれ立ってたのですが、少し穏やかになれた気がします
こういう映画はなかなかないですね
そして音楽もいい
娘役が中々の好演。
ジョージ・クルーニーの人間味あふれる父親と家族を描いた本作。
見終わった感想はハワイってロケーションに助けられている(笑)
と言うよりも人間関係のドタバタ問題劇と広大な
ハワイの大自然との対比をさせたかったのでしょうかね多分。
ストーリーとしては盛り上がる箇所は多少はあるものの、
そのままの普通のお話でラストに。
ただその中で娘さん役の二人が中々どうして
いい演技をしてくれていました。
特にお姉さん役の彼女の演技は複雑な心境や
内面をうまく演じていて素晴らしかったです。
勿論ジョージ・クルーニーの演技も素晴らしいですが、
今回は彼女達の方が圧倒的に良いと感じました。
時にシビアに時にシニカルに…家族と人生
ハワイで暮らすある家族の話。
憧れや羨ましさを覚えるが、実はこの家族、バラバラ。
一家の大黒柱マットは先祖代々受け継いで来た雄大な土地を売却する決断を迫られ、いつしか家族をないがしろに。
そうこうしている内に妻は知らぬ間に浮気をしており、さらにボート事故で昏睡状態に。
突然父一人娘二人になるが、多感な年頃の娘にお手上げ。
こんなに問題が山積みになったら、正直逃げ出したくなる。
てんてこ舞いのジョージ・クルーニーがハマり役。
それでもマットは不器用ながら向き合う。
そして家族はまた一つになる。
美しいハワイの景色に癒され、時にシビアに時にシニカルに人生を見つめる。
アレクサンダー・ペインの手腕が冴える、上質の人間ドラマ。
素直になれない家族
ジョージ・クルーニーが普段とは打って変わって普通のおっさんを演じている。2人の年頃の娘に振り回され、昏睡状態の妻にまで振り回される。みんな問題を抱えて、よくよく考えると重い話ばかりなのになぜか暗い気分にならない。リアルさを追求した脚本と自然体の演技が生み出した賜物だろう。
マットは妻が不倫をしていたことを知り、衝撃と怒りを覚える。その事実を教えられた後に思わず家を飛び出してしまうシーンは秀逸だ。そして昏睡状態の妻のそばで悪態をつく。だが相手は何も喋らない。「やり場のない怒り」とはまさにこのことだろう。自分はそんなことをしているのに、長女が妻をなじるとマットはきつくしかる。父親としての威厳を保ちたいがために取った行動がとても哀れに見える。そんなマットと反発しながらも、娘たちは少しずつ家族としての絆を取り戻していく。これら一連のシーンはジョージ・クルーニーの繊細な演技と、長女を演じたシェイリーン・ウッドリーの大胆な演技のおかげだ。
アレクサンダー・ペインは台詞のないシーンが得意だ。(例えば「アバウト・シュミット」で最後に主人公が涙を流すシーンなど。)今回も彼の力は思う存分発揮されている。詳しくは書かないが、多くの重要なシーンで登場人物たちは無言である。これが観客の感動を呼び起こすのだ。まったくわざとらしくなく、純粋に心を揺さぶられるシーンはなかなかのものだ。
主人公たち以外の登場人物も際だったキャラクターばかりで見ていて全く飽きることがない。そして様々な出来事を通すことで観客は初めてタイトルが意味することを理解するだろう。笑いあり、涙ありとはまさにこのことだ。
(2012年6月9日鑑賞)
故郷の記憶は家族の記憶
鑑賞から一月ほど経ってしまいましたがひとつ。
エンタメ作品のレビューは割かし楽に書けるのだけど、
ドラマ作品の場合はじっくり考える時間が無いと文章にまとめるのが難儀ですね〜。僕だけか。
ま、それはさておき。
妻に浮気された夫の哀愁漂うバタバタ走り、
母の浮気調査で父との絆を深めてゆく長女、
言動はマセててもやっぱり現実を理解し切れない次女、
デリカシーゼロだが(笑)根は善人の娘の彼氏……
ハタから見たらちょっぴり情けなくて、ヘンで、笑えるけど、
哀しみを共有し、人生の大きな変化に適応しようと必死に頑張る家族3人(+α)。
彼等を優しく包むハワイの緩やかな空気が心地良い。
原題『Descendants』とは“末裔”“伝来物”という意味らしい。
主人公が所有するハワイの土地や、家族の事を指していたのかな。
終盤で土地を売らない事を決めた主人公だが、家族の絆を再認識する内、
彼等と過ごした想い出の地を壊されたくないという気持ちに変わっていったんだろう。
ただ、主人公がその考えに至る経緯が説明不足かなぁ。そこだけが本作への不満点。
なので鑑賞直後は、
「もっと家族の記憶にまつわるアイテムが登場すれば良かったのに」などと考えていたのだが——
(家族の想い出の木とか出てくるのかとタイトルから予想していた)
観て1ヶ月経った今思い返すと、それは随分野暮な考えだったと感じる。
家族の記憶が宿っていたのは具体的なアイテムでは無かった。
人の情けなさもみっともなさもゆったり受け入れてくれるハワイの優しい空気、
この映画が描いてきた土地の空気そのものに、家族の記憶は宿っている。
アイスを頬張りながら皆でテレビを眺めたソファ。
波上を滑るサーファーを一緒にぼんやり眺めた砂浜。
月日をかけて、家族の記憶はそんな些細な場所に宿っていって、
やがてそれらの場所をぐるりと包む故郷それ自体が、家族の記憶になるのかも知れない。
先祖が故郷を守り継いできた理由だって、ひとえにその記憶を守りたかっただけなのかも。
僕の職場の先輩が、少し寂しげに語った言葉をふっと思い出した。
「自分の生まれ故郷って呼べる場所がある人は幸せですよ。
私は小さな頃からあちこち引っ越してたんで、故郷と呼べる故郷が無い。」
故郷と呼べる場所を持つ人は幸せ。幸せな記憶が根付く土壌があるから。
……たまには故郷と御先祖に感謝しなくちゃね。
<2012/6/3鑑賞>
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