「辛口な人間賛歌」ファミリー・ツリー mayoneさんの映画レビュー(感想・評価)
辛口な人間賛歌
友達とふと思い立ち、レイトショーで見てきました。
私は、結構レビューとか見る人なので、この映画も単なる感動ものではないと思って見に行ったけど、予想以上にヘビーでびっくり。
内容のヘビーさとハワイの風景の穏やかさがなんともアンバランス。
風景に感動はしても、描かれる人間関係のドロドロさに対する緊張感が勝って結局はそれどころじゃないみたいになります。
そんなヘビーな内容の中でほっとするのは、子供たちの純粋さ。
そしてジョージクルーニー演じるマット・キングのいい人っぷり。
17歳のアレクサンドラの女優さんは素晴らしく瑞々しい。思春期の潔癖さ、母親を失うことへの不安や悲しみ、そんな中でも妹、友人、父親を思いやる優しさが混在し、とてもリアルな存在感です。
妹のスコッティはちょっと生意気な小学生を完全に好演。あのおおらかな感じの体型からしてハワイの子っぽい。存在自体が最高に愛らしくて、ずっと目で追ってしまいます。
そして、マット・キングがほんとにキチンとした人なんだよね。仕事でも、家族でも、対人関係でも、正しくあろうとする人で、すごく好感が持てます。
そういう人が妻の裏切りを知り、妻の死と直面し、ちょっとうろたえた姿を見せても誰も責められない。
そして、今まであまり向き合ってこれなかった子供たちと向き合うことで、自分のルーツを次の世代に伝えることの大切さに気づいたり。
ある程度いろいろな経験をしてきた大人の男性が、苦い経験を乗り越え、人生の深みを増す姿をそっと見守ることになる映画だと思う。
人生の節目節目で感じることは人それぞれ。それを生かすも殺すもその人次第。マット・キングという人は自分に降りかかった出来事から逃げず、目をそらさずに真正面から受け止め、自分らしい答えを出していく。
それはすごく勇気がいることで、それを成し遂げる人を主役に据えているあたり、ドロドロな人間関係を描いても、やっぱりこの映画は人間賛歌だと思うのです。
mayoneさま
お久しぶりですね、レビューに戻って来て下さりとっても感激です!またまた、映画のある楽しい感動生活を沢山楽しめそうですね、映画ファンが大勢いるって私も嬉しくなるな~!
私も「ファミリー・ツリー」観ましたが、mayoneさんのレビュー気に入りましたよ!
羨ましいな的確な表現の文章を書かれるので、読み易くて、しかもポイントが上手く捉えられていて、私には新たな発見も有る!
また、お好きな映画の感動を時間がお有りでしたら、レビューアップしていって下さいね!楽しみに読ませて頂きます!!
ちなみに、私は、JDの「エデンの東」好きで20回位観た事ありますよ。
好きな映画に出会うと何度も繰り返し観たくなるmayoneさんのその気持ち共感です!