「ずっと家族でいよう。」ファミリー・ツリー ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと家族でいよう。
「ハワイ暮らしというだけで、あなた方はそんなに気楽な生活だと思うのか?」
的な、冒頭に主人公がそんな問い掛けモノローグを始めます。
どこで暮らそうと人生の辛辣さは大差ないぜ?て感じの。
そのモノローグ後、まあ、こっちもそれを覚悟して本腰観賞に臨む訳です。
んで、印象はなんつーか、まあ「ハワイ暮らしも気楽じゃない」かもしれないけども?
それでもハワイに救われてるな。
ハワイの情景に癒されてるな。
なかなかにヘビーな状況が、ハワイで少しソフトになってるな。
何故か全編、どことなくユーモラスだぞ。
ハワイ暮らし、羨ましいぜ?という。
そうなんですよね。
主人公達の身の回りで起こっている重ったい出来事が、ハワイ演出でかなり軽やかに表現されてる。
舞台がハワイであるが故の?弊害(というと語弊があるけど)。
壮大でのどかな自然風景ってのはね、もう卑怯ですよ。
それだけで癒し。
それに音楽。
どんな切迫したシーンでも、ハワイアンミュージック、ウクレレののどかな調べをチョイスするもんだから、どのシークエンスも重苦しさに寄らない。
ガハハハ!と笑う陽気さは内在しないけど、深刻に偏らない絶妙なライト感。
クスリと行くかどうかの、微妙なラインのユーモア。
じわじわ来る温かさ、切なさ、優しさ。
これは近年稀に見る傑作なのかもしれないぞ?そんなこと感じながら、余韻の残るラストまできっちり堪能。
エモーショナルを激しく掻き立てる、煽る演出じゃないのが、とても好印象でした。
これは映画館で観て正解だったなぁ。
レンタル待ちで自宅観賞だと余計な雑念入って、また違った印象持ったかもしれない。
オールタイムベスト級ですね。
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