「これこそ庵野秀明である。」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 皆友さんの映画レビュー(感想・評価)
これこそ庵野秀明である。
先ほど見返したので、こちらのレビューも書くこととする。
実は映画館で見て苦笑して帰ってきてからすでに六年もの月日がたち、どんな映画だったか、確か「やはり庵野は庵野だったのだ」とか思った気がするのだが、などと考えながら改めて視聴した。
この作品は相当原作のエヴァンゲリオンに寄せている。
下調べし直したのだが、総監督は「これは繰り返しの物語です」と所信表明をしているだけあるほど、相当原作寄りの作品だ。
前作「破」で見られた成長と希望がへし折られる。この点に関しては何時でも同じだし、二十年以上にもわたる茶番ではあるが、別に悪いとは思えない。
しかし、前作の状況を鑑みると、あそこまで心を追っていいものかと思わされる。あまりにシンジがかわいそうである。
設定をすっとばして端的に言えば、何もわからないままシンジが攻撃され、受容され、最終的に心を折られる話なのだ。これだけ聞くと、ただの胸糞悪い映画ではないかと思うだろう。それだけではないのだが。
そして朗報だ。この映画には続きがある。どうやら最近、最終作の公開予定が決まったそうじゃないか。
ここからあと一年以上待たされるとかと思うと早く仕事をしてほしいが、目途が立ったのだからよしとしよう。
そういった総監督への応援もかねてのレビューである。まぁいい評価はつけられない。前作の方が面白かったからだ。
今作は怪奇的である。しかし四部作の三作目という仕事は完璧にこなしている作品だ。
この作品の真の評価は、最終作が来てからでないと不可能だろう。
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