「ハートウォーミング・コメディ」我が家のおバカで愛しいアニキ うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ハートウォーミング・コメディ
豪華、脇役?スター集結で撮り上げた小品。このメンツで面白くならない訳がない。
ゾーイ・デシャネル、エリザベス・バンクスほか、「どこかで見たことあるな」と思わせる役者さんが出演しています。特に、コメディ映画ファンの人にはたまらない豪華俳優そろい踏みです。
これといった主役級のスターが出ていないことと、コメディというジャンルが災いして、日本では未公開になった模様。
主役のポール・ラッドも、主演作がほとんどないのですが、納得の表現力、『フ・レ・ン・ズ』でフィービーの恋人役だった人ですね。
お人好しすぎて家族に迷惑ばかりかけているネッドは、家族からもお荷物扱い。行くあてもなく、妹達の家を転々とします。
この妹達がそれぞれに問題を抱えており、行く先々で招かれざる客のネッドはそれぞれのトラブルをさらにややこしくしてしまう。
子供や動物に好かれ、初対面の人でも簡単に心を開く性格で、嘘がつけないから損ばかりしています。
お互いの秘密を共有しろとばかりに、日常の何気ない瞬間にパートナーの秘密をばらしてしまったりするので、秘密をばらされる妹達は大迷惑を被ります。
でも、それって、本来きちんと報告なりして、筋を通しておくべきことばかりで、ネッドは何の悪気もないんですよね。
そんな難しい役どころを、これ以上ないハマり役で、ポール・ラッドが好演しています。
この映画の魅力は、「信頼してしまえば、そこから何かが始まるさ」というメッセージに溢れていること。それを、暗くならずに、かと言って、はしゃがずに上手に人間関係を描けていることです。
そして、豪華脇役陣が、実力をいかんなく発揮し、それぞれのキャラクターを短い登場時間で的確に表現しています。
90分でよくこれだけの内容をまとめたなと感心しました。
最後まで、ひと息に観れますよ。