「アートの倫理。」ヴィオレッタ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
アートの倫理。
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母親がぶっ飛んでいると娘もつくづく大変だわと思う。
私はその悪趣味ロリ写真集(失礼)のことは知らなかったけれど、
これはアートです!と自信を持っていう母親と、初めこそ由と
思って言われるままに撮影に臨んだ少女との関係性が危うく、
これは一筋縄ではいかないな~と考えてしまった。可哀想とか
そんな言葉も似つかわしくない。娘は娘で当時12歳?とはいえ、
フルヌードで大股広げることの恥辱感は既に心得ていたと思う。
母親と一緒にいられることが嬉しくて堪らなかったのだろう、
次第にエスカレートしていく母親の要求が限界を超えるまでは。
世界にセンセーションを巻き起こしたという写真集の内容は、
それが「娘」であることを除けば、芸術性は高いのだそうだ。
ただ娘に大きな心の傷を遺したことに違いはない。といっても
訴訟のため?に今作を監督してしまう現在のエヴァご本人とは、
良くも悪くも母親と一体のようなところがある気がしてならない。
どこかで母親のように世間で崇められたい、人気者になりたい、
ささやかな少女の欲望が「モデル」という極彩色に染まっていく。
これが子供?と思えるほどの妖艶さを備えたA・ヴァルトロメイ
のとるポーズに悩殺されてしまう男性も多いんじゃないだろうか。
少女から女に成長する過程をよく分かっている母親だから撮れた
といっても過言でない作品が残るだけにモヤモヤしてしまうのだ。
(だけどやっぱり私は自分の子供にはできないよ、あんなことは)
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