「この夏に絶好のロマンチックで、胸キュン映画で、音楽もファッションも良いですよ!」ワン・デイ 23年のラブストーリー Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
この夏に絶好のロマンチックで、胸キュン映画で、音楽もファッションも良いですよ!
いよいよ、日本は広い地域でそろそろ梅雨入りです。そんな悪天候続きのジメジメシーズンも、気持ちの良い映画を観れば、きっとあなたの心は晴天に変わるはず!
6月の花嫁を夢見る、そんな若い女性にお薦めの1本がこれ「ワン・デイ」23年のラブストーリーです!いえいえ若い人達にばかりにお薦めと言う訳でもありません!23年と言えば後2年足すと25年です。
結婚した人達にとっては、銀婚式までもう1歩という月日の流れですよね。そんな人生の悲喜こもごもを知り尽くしたご夫妻が、2人だけで忘れかけていた、ご自分達の出会った頃の初々しさを再び想い起こし、楽しむ為に久し振りに御夫婦で映画館へデートしに行くのにもとってもお薦めの本作です。
この映画では、88年にエマとデクスターが大学の卒業式で初めて言葉を交わすところから始まるのですが、その時代と言えば、アメリカばかりでなく、日本でも爆発的大ヒットを記録したラブコメ「恋人たちの予感」が公開されたのが89年ですから、丁度時代的にはレイト80’Sと言う時代からスタートする話ですが、今銀婚式をお祝いしそうな人達には懐かしく思い出せそうな時代だと思いますし、今若い10代20代の人達には、御両親の青春時代になるかも知れませんが、この物語を観ていると、この20年間の音楽シーンと、ファッションの移り変わりが観れるのもこの映画の大きな見所の一つです。
「恋人たちの予感」のサリーとハリーの物語は二人の出会いから11年後のゴールイン迄の11年間の二人の歩みをノーラ・エフロンの軽妙なタッチのシナリオで、コミカルに笑いと共に見せてくれています。ロブ・ライナー監督の代表作でもありますね。
さて話が横に逸れましたが、本作「ワン・デイ」はエマとデクスターの23年間に及ぶ2人のそれぞれの人生と、その生き様が克明に描かれて行きます。愛する男女でありながらも親友でいる事を約束した2人の友情は何時まで続くのでしょうか?それはみなさん観てのお楽しみと言うところです。
前半は毎年、毎年2人が出会う7月15日を順次描いているので、切れ切れでテンポが良くない個所も正直ありましたが、段々と物語が時間経過と共に、2人の人生の身の上に起こる出来事が複雑さを増していくのに従って、その様を観る私達観客にも、彼ら2人と友情で結ばれていく様な錯覚を憶える作品でもあります。エマとデクスターは共にお互いに、お互いを最も必要な存在としていながら、それを知っているが故に、2人の距離を近付けると、今迄積み上げて来た友情を崩壊させる事になり、互いを失う事を恐れ、素直に愛し合う事が出来ない、その2人を見守る事しか出来ない私の心は、早くゴール・インして欲しいと只ひたすら願う気持ちがピークへと達してゆく。愛しているからこそ、自分の素直な気持ちに忠実に成れずに、友情関係を築く努力をしてゆく2人を観るのは本当に切な過ぎるのだ!そんな時先日観た映画「幸せへのキセキ」のベンジャミンのセリフが頭を掠める。
「20秒間だけの勇気を持って本心を告げるのだ」と!今年観た映画の中で最も、切なくプラトニックでロマンチックな映画だった!まるで七夕の乙姫様達を観ているようだった。
是非、大切な人と御一緒に、この映画を観て2人の中を深めて欲しいものだ!