「いつの次代でも演じるエマ・ワトソンは輝いていました」ワン・デイ 23年のラブストーリー 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
いつの次代でも演じるエマ・ワトソンは輝いていました
ずっとDVDは持っているのに、途中までしか見ていなかった作品でした。地元の柏キネ旬シアターでリバイバル上映されることになって見てきました。
この物語のロマンチックなところは約20年間にも渡ってプライトニックな愛情を主役のふたりが貫いたことです。その友達以上恋人未満という微妙な関係を続けるふたりの姿が、かえってみているほうをときめかせいてくれるのです。
二人が最初に出会った1987年の7月15日から、毎年の7月15日を描きつづける描き方は、途中少々ネタが尽きてマンネリ気味の時もあったけれど、最後のほうの7月15日で何年にも わたる2人の恋の行方に決着がつく過程はとってもロマンスを感じられました。
そして、ラブコメにはしばしばお約束ごとのように描かれるふたりの決定的な破局も、本作では非常に衝撃的。本当に突如ドッキリさせられました。
その分プロローグでふたりの23年間を偲ぶ回想的なシーンは、ずっと心に残る余韻を秘めたものになりました。
音楽も映像に合わせてロマンチックで、一度見るとずっと心に残る作品となることでしょう。ぜひレンタルでご覧になることをお勧めします。
それにしても2011年公開当時のヒロイン、アン・ハサウェイのかわいいこと。彼女のお大きなつぶらな瞳で魅入られると、誰だって恋に落ちるというのに、デクスターはなんで親友で我慢してしまったのか不思議です。『PK』みたいに宇宙人だったら、相手の立場をも考えて静かに身を退くことも考えられるけど、デクスターの若い頃はテレビの深夜音楽番組の司会者をやっていて、女にはやたら手が早かったのです。
そんな彼でも、エマとデートでは豹変し、一緒に旅行に出かけても、ホテルで一晩同じベッドで一夜を明かしても、一切手出しをしようとしないところが、なんとも不思議な関係でした。相手はアン・ハサウェイなんですよ!
最初の同じ大学卒業時の出会いから、勢いで一夜を共にしつつも深酒のため朝までデクスターが寝込んでしまったり、朝おきたところでいたしましょうかという流れになっても、今度は予定より早くエマの両親が訪ねてきたりで、巧みに二人が結ばれるタイミングを外していくのです。
ふたりの23年もの時間を描くのにも、演じているエマもジムも歳をとらないのですから、大変です。その間に変化していく二人の姿についても、ファッションや時代背景を巧みに変えて時間の変化を何とか描きだしていました。
しかしいつの次代でも演じるエマ・ワトソンは輝いていましたね(^。^)