「ブラピ映画という感じ」ワールド・ウォー Z ソラリスの海さんの映画レビュー(感想・評価)
ブラピ映画という感じ
ブラッド・ピット主演のパニックムービー(ゾンビもの)である。
一昔前は「ゾンビ」映画は、スプラッター系のイメージが強く、マニア向けのジャンルに近かった。
しかし、最近はやはり、ウイルス感染を原因とするストーリーのものが多く、世界終末の原因の一つとなっている。
この感染するということが、「アウトブレイク」(空気感染)的には恐ろしいのだが、ゾンビものでは、噛まれたりすることで感染する。
この映画では、国連の元職員である主人公(ブラピ)が、第一義的には家族を守るために、ひいては世界を救うために、原因究明のために危険な現地に赴く。
そして、彼は襲われたり、決して生還できないような状況の中を、諦めずに、さらに原因と対策を求めて突き進んでいく。
私自身は、スプラッター系は好きではないが、やはりストーリー設定として、どうなっていくのか(どう脱出するのか、どう解決するのか)を中心に鑑賞している。
そうした代表的なゾンビ作品としては、何と言ってもシリーズとなった、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「バイオハザード」だ。ここでは、主人公アリスの超人的な力が見どころにもなっている。
最近、私が同様に鑑賞している作品が「ウォーキング・デッド」である。
これはアメリカのTVシリーズだが、シーズン3まで日本でDVD化されている。
この「ウォーキング・デッド」は、非常にリアルティーがある作り方がされている。ゾンビの歩く姿も、まったく演技っぽくない。
また、ゾンビをやっつけるときの様子も当然暴力的なシーンになるが、残虐シーンを意図しての演出ではないことがわかる。サバイバル映画としての描き方で、人間ドラマにしてある。
また、同じような設定で描かれているものに、日本のビックコミック・スピリッツで連載中の「アイ・アム・ア・ヒーロー」(花沢健吾著)がある。
これらゾンビものに共通することは、噛まれると死亡し、その後死体が動き出すようになる。この動きは、脳幹の活動によるもので、意志を伴わない本能による活動である。食べようとする本能で襲うわけである。
したがって、倒す方法は、既に死んでいる肉体の部分を攻撃しても無駄で、脳を破壊するしかない。
話が横に逸れたが、この「ワールド・ウォー・Z」の感想としては、危機一髪が続くスリリングな展開。そして、最後には、ブラット・ピットの自己犠牲の行動から、他の作品の物マネでない、解決法が見出されるオチがある点が(なるほどねと言う感じに)非常にユニークであった。
劇場スクリーンの迫力の中で、ハラハラとしながら観た甲斐があったし、DVDになってからは、もっとよく確かめながら鑑賞したいと思った作品である。