「苦しい」KOTOKO 高岡 正和さんの映画レビュー(感想・評価)
苦しい
苦しい。
生きることはあまりに苦しい。
言葉ではなく、それを人と映像と音楽で見事に表現してしまっている。
そしてそれは圧倒的なリアルである。
どっちが作りモノの世界なのか、何が本当か、そんなことに答えはない。
「逃げ恥」が好きな僕に見えているこの世界もリアルだし、
彼女たちの瞳に映るその世界もまたリアルだ。
キラキラした装飾で飾り付けられた部屋も、どこか遠い地で行われている戦争も、家族での団欒も、どんなに暴力をふるってもそばに居続けてくれる人も、いい母を演じるのも。そして流れる赤い血も。真っ白な世界も。
だけど、それでも人生は「生きろ」と言う。
だとしたら、たとえ狂気の沙汰だと思われようと、
世界がひとつになって見えるもの、
この世界に命をつなぎとめるための何かと、
出会うために生きてゆきたい。
とはいえ決して観ることをお勧めはしない、でも素晴らしい映画だと思う。
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