アンダーグラウンド(1995)のレビュー・感想・評価
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うわースゴイ。当事者だからこそ描けるのだろうなあ。完全部外者として...
うわースゴイ。当事者だからこそ描けるのだろうなあ。完全部外者としては、しばらくあっけに取られる&笑っていいの?と戸惑うけれど、観てるうちにおもしろくて楽しんでしまう。ラストは胸に痛い。
嫌だ。こんなの。
何も知らずに地下で生活していた方が幸せだったかな…
どれほど苦しいことか。
この世から自分の国が、自分の国の言語が、自分の国の文化がなくなる。
そして、ユーゴスラビアという国は、世の中から忘れられてしまう。
絶望だろうな。
残酷な世界
三時間と長いけれど後半は前半の伏線の回収だったり、怒涛の追い上げで三時間もの長さがあるということを忘れてしまっていた。
あまりユーゴスラビアのことは知らずに観ました。
正直見終わって一体これはなんだったんだろうかとおもったけれど、見終わってからいろいろと考えてみると、相当重たい話なんだと改めて考えさせられました。
前半はとても楽しそうで、地下生活なのに凄いなぁと思いました。
チンパンジーが戦車使ったり、楽しそうな音楽とそれに合わせて踊っていたりと、とても楽しそうでした。
でも、後半、とくにラストの一時間にかけてはとても残酷で、今までの楽しそうなのはどこにいったのかと言いたくなりました。
ラストシーンはなにも無かったような、楽しそうな姿があって、そんな楽しそうなことが続けばいいのにと思いました。
ユーゴスラビアのことをもっと知ってから観れば、もっと考えさせられるんだろうと思いました、今度は話の背景をもっと知ってからもう一度観たいと思います。
クラクラした
エネルギーに満ちていて良かった、最初の方クロとマルコの顔の区別がつかず混乱した、観終わってからあらすじを読んで、そんな話だったのか・・・、と、全然わかってなかったことに愕然とした、なんだかずっと勘違いして観ていたらしい、フィクションっぽく始まって、でも登場人物たちにすごく実在感があると思って、実際の映像も挟まれていたりして、それで映画内の現実のラインが分からなくなって、クロや他の地下の人びとは本当は死んでいて、亡霊のような存在で・・みたいに観ていたら違ったようだった。でも、フィクションが現実を浮かび上がらせるというか、戦争と国の話で、おとぎ話のようでいて・・・「ファンタジックでノスタルジックなのに、確かにこの現実とつながっている」感じだった。また観たい。
めちゃくちゃ
素晴らしい音楽。
こんなにフィクションなのに、こんなに現実を見せつける映画とは。
エゴと平和の希求とのバランスがはっきりわかりやすく描かれていて、でも、難解な感じもする。
私が特に心に残ったシーンは、川で泳いでいた時にヘリで襲撃を受けて父親が息子を見向きもしないところと、電動車椅子がぐるぐる回るところと、最後に半島から島となって離れていくところです。
ユーゴスラビアという、昔、存在した国。
美しくかつしたたかに、愚かで辛いことを忘れない。
これぞカオティック
リアルタイムで観た時には、学生だったので内容が十分理解できなかったのですが、20年弱振りに見直したところ、完成度の高さに度肝を抜かれました。
映画の始めでは、ナチス侵攻化でパルチザンとして活動するマルコとクロですが、物語が戦後のチトー政権下へと進むにつれて、二人は全く異なる概念と環境で生きて行くことになります。
そしてこのマルコとクロが、ユーゴスラビアが歩んだ国家の歴史の「表」と「裏」として描かれていることが凄い所です。
マルコから嘘を吹き込まれて、せっせと武器を作るクロ。その武器で儲けるマルコ。最終的には、憎しみあい、分裂する。それは、ユーゴスラビア政府と国民の姿にも重なります。
しかし、劇中の2項対立はこれだけにとどまりません。動と静、明と暗、地上と地下、そして安住と紛争。
対立する二つの概念がカオスとなり、更なる悲劇を生み出していくことを喜劇として描いているものの、その重みはクストリッツァ監督にしか表現できないものだと思います。
また、映画全体の躁鬱加減が絶妙で、明るさがある分悲しみが一層際立ちます。映画を観る前と観た後では、あんなに能天気に聞こえたバルカン音楽も全く違う聞こえ方になりました。
ラストは、地下の楽園から地上の楽園を描いたのでしょうか。祖国が幻とならないことを願わんばかりに。
怒涛の映画
す、すごかった、この映画・・・
のっけから、ものすごい勢いで畳み掛けてくるこのパワーはなんだろう。旧ユーゴの怒涛をそのままに体現しているかのような映画でした。
マルコとクロとエミリアの禍々しさと愛嬌と豪胆さが、混ぜこぜで降りかかってくるような感じで、異様なまでに彼らに惹きこまれます。
そしてこの音楽。どうしようもなく突き動かされ、踊り続けなくてはいけなかった彼らの躍動と悲哀が表現されているように感じました。
はちゃめちゃなんですけど、それがそのまま説得力を持っているような映画でした。
クストリッツァ監督、うなりましたです。
こんな映画あるんだ。
何年か前に映画館で観た時に冒頭10分でとんでも無い映画だと思った。
役者が役者に見えない。
このパワフルな人たちは世界の果てに実在する思える程、ストーリー性が無い、先なんて読めない。
ただ観ているだけで面白くて、綺麗で、ひたすら人間臭い。
普通計算したってこんな話は描け無いし、撮れない。
ラストシーンは完璧過ぎるし、乾いた悲しさに溢れている。
人間はゴールテープを切ればそれ以上走る必要は無い。それまでは必死に生きるしか無いのだ。
って感じの映画。
狂ったハイテンション
全編通してある種病的なまでのハイテンションが維持されることに驚愕し、各役が理性をかなぐり捨てたかのような演技に終始圧倒される。とくにナタリアはぶっ飛んでいてすごく魅力的。
小道具、舞台、仕掛けも詳細に作り込まれていて見ていて楽しい。
画からあふれるエネルギーがすごいこの感じは日本人にはないもの。悲劇さえも喜劇に変える得体の知れないパワーが漲っている。
ただ長いので気分によっては頭がパンクするかも。
これぞ映画!
この明るさはいったい何なんだ!
物語の縦軸は戦争と裏切りだというのに、重たい気分になんてさせてくれません。
人間というものは愚かしいものだけれど、それがどうした、音楽と酒があるだろう。
裏切られた? いいじゃないか。忘れることはないけれど許してやれよ。
人生は楽しむものなんだ。
映画史に刻まれる一大傑作
怒濤のユーゴ近代史を総括するミクロでマクロで悲惨で可笑しく、戦慄で驚愕でコミカルで歌と踊り、リアリズムを超えたリアリティとファンタジーを超えたファンタジー、超が付く現実、喧噪と狂乱、映画史に刻まれる20世紀末の一大傑作。
www.movieboo.org/archives/5265/underground
ハイテンションな音楽
シアターN渋谷 のアンコール上映にて試聴しました❕
作中、一貫して流れ続けるハイテンションな音楽…
三時間という尺を感じさせない作りでした。
人々はみんな狂気に包まれてたけど、後半になるにつれてマルコが苦しみを味わうのは興味深かった。
くよくよしていられない
90年代にレンタルビデオで見た際は長くてさっぱり戦争場面がなく、登場人物も見分けがしにくくてさっぱり把握できず、どんな話なのかも理解できなかった。
昨日映画館で再見したら、とても面白く素晴らしかった。第2次大戦、冷戦、現代を生き抜く登場人物、特に冷戦時代に地下で大戦が続いていると勘違いしているのが凄かった。
登場人物が、特にクロがエネルギッシュで魅力的だった。
悲惨な話なのだが、それでも現実は頑としてあるし、だからと言ってくよくよしていても仕方がない。生きていくよりどうしようもないのだから、明るく楽しくしていようという強い意志が感じられた。音楽が躁病的でやたらとパーティの場面が多かった。
動物がことあるごとに出てくるのは、人間たちのつまらない争いに全く関心のない存在という感じがしてよかった。
そうは言ってもやっぱり3時間は長くて、座席がよくなかったのでお尻が痛くなり、また冷戦時代のパーティの場面で少しうとうとしてしまったため、また10年後に見返したい。それもまた楽しみである。
世界一陽気な戦争映画か
カンヌを受賞した作品で、ユーゴ侵攻という
歴史背景の中でやみ社会に生きる人々の物語。
衝撃的なシーンと陽気だけど悲しいシーンの
連続なのだが、どのシーンも美しい。
一度観たら忘れられない衝撃作!
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